50 / 75
(5)人形娘教育
050.鵺の紋章
しおりを挟む
「それにしても、私の胸ってこんなに大きかったかしら? さてはエロ親父娘を巨乳に調整したわけか? でもよく見ると私すこし格好いいかしら」
そういって幼い子供が親に買ってもらった新しい洋服を着て最初にはしゃいでいるように、自分の姿を見入っていた。ナオミの大きな胸と腰は紫色をした硬質な素材で出来たアーマーで覆われ、肩にはプロテクターがあった。また腰の切れ込みは大きく、胸元も強調するデザインであった。
一方のリエのほうは、ピンクの色違いのアーマーだったが、腰にミニスカートのような布が垂れ下がっていた。それを見ていると胸元に様々な生物がくっついたような奇妙な紋章が描かれていた。その紋章はナオミの方にもついていた。
「リエ、この紋章は一体何の意味があるの」
「それは鵺ぬえですわ。サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足、尾はヘビなのですわ。総統陛下の紋章ですわ」
「鵺の紋章?」と言ったところでナオミの言葉が途絶えてしまった。電脳に規制コードとする信号が流れたからだ。それにしても、人形化とともに脳も電脳に変換されたが、自分の脳なのでしゃべらなければ色んな事を考えられたのに、”総統”にからむことについては規制があるのは間違いなかった。
「なに、やっているのよ。これから課題をこなしなさいよ」
目の前にそのような言葉をしゃべるネコが飛び出してきた。昔みた「不思議の国のアリス」のチェシャ猫みたいだ。しかし、今いるのは人形娘のための仮想現実なのに何故って思った。
「ナオミ、リエ。私はあなたちの教官のアンナです。このまま漠然と冒険させていき気ありませんからね。取り合えず出発ね」
そういうと、二人の人形娘とチェシャ猫いやネコのアンナは出発した。それにしてもビキニアーマーを装着したアニメ顔にネコのパーティーというのは、そんなアニメがあったような気もあるような、ないような。と考えるナオミだった。それにしても、一体何の意味があるのだろうかと考え込んでしまったが、しかたなくネコのアンナについていくことにした。
そのころアンナは人形娘七号と十三号と一緒にバーチャル演習を行うシステムに接続していた。三人はナオミとリエと違い、システムとシンクロしていても、現実世界に意識が取り込まれていなかった。一方の二人の人形娘はメイド服の上から緊縛され、天井から吊るされていた。しかしその手足は動いていた。そう、人形娘の身体はバーチャルの中と同じ動きをしていた。
この時、モニターをしているセーラー服姿の人形娘は接続プラグを手につけてモニターを見ていた。二人は美少女風のリアルなマスクをしていたが、動きは機械そのもののようであった。
「アンナ教官。二人は行動を始めましたが、シナリオの決定はランダムにしますか?」
「七号、それじゃシーン4まではランダムでお願い。ただ最終シーンはあなたに妖怪タイプ583を操作してください。万が一失敗したら直してあげますからね」
「はい判りました、仰せのようにします。ところで私の次のメンテナンスはどうなりますか?」
「あなた、たしか人形娘として再生されて五年経つよね? 元のように戻らない事に変わりないけど、最新型のプログラムに更新するわ。まあ、あなたの元の姿を知っているから」
この時、アンナは七号の事を思っていた。七号の正体は芝草杏奈の実の妹だった芝草寛奈だった。彼女は『総統』のある研究機関で発生した事故に巻き込まれ殉職したので、使える細胞をナノマシーンで機械化細胞に変換して人形娘に再生されたが、ただの操り人形にすぎなかった。そのため”カンナ”という固有名称すら与えられていなかった。
そこでアンナは徐々にプログラムのバージョンアップを行い、最終的にカンナの意識に近い人形娘に調整しようとしていた。
そういって幼い子供が親に買ってもらった新しい洋服を着て最初にはしゃいでいるように、自分の姿を見入っていた。ナオミの大きな胸と腰は紫色をした硬質な素材で出来たアーマーで覆われ、肩にはプロテクターがあった。また腰の切れ込みは大きく、胸元も強調するデザインであった。
一方のリエのほうは、ピンクの色違いのアーマーだったが、腰にミニスカートのような布が垂れ下がっていた。それを見ていると胸元に様々な生物がくっついたような奇妙な紋章が描かれていた。その紋章はナオミの方にもついていた。
「リエ、この紋章は一体何の意味があるの」
「それは鵺ぬえですわ。サルの顔、タヌキの胴体、トラの手足、尾はヘビなのですわ。総統陛下の紋章ですわ」
「鵺の紋章?」と言ったところでナオミの言葉が途絶えてしまった。電脳に規制コードとする信号が流れたからだ。それにしても、人形化とともに脳も電脳に変換されたが、自分の脳なのでしゃべらなければ色んな事を考えられたのに、”総統”にからむことについては規制があるのは間違いなかった。
「なに、やっているのよ。これから課題をこなしなさいよ」
目の前にそのような言葉をしゃべるネコが飛び出してきた。昔みた「不思議の国のアリス」のチェシャ猫みたいだ。しかし、今いるのは人形娘のための仮想現実なのに何故って思った。
「ナオミ、リエ。私はあなたちの教官のアンナです。このまま漠然と冒険させていき気ありませんからね。取り合えず出発ね」
そういうと、二人の人形娘とチェシャ猫いやネコのアンナは出発した。それにしてもビキニアーマーを装着したアニメ顔にネコのパーティーというのは、そんなアニメがあったような気もあるような、ないような。と考えるナオミだった。それにしても、一体何の意味があるのだろうかと考え込んでしまったが、しかたなくネコのアンナについていくことにした。
そのころアンナは人形娘七号と十三号と一緒にバーチャル演習を行うシステムに接続していた。三人はナオミとリエと違い、システムとシンクロしていても、現実世界に意識が取り込まれていなかった。一方の二人の人形娘はメイド服の上から緊縛され、天井から吊るされていた。しかしその手足は動いていた。そう、人形娘の身体はバーチャルの中と同じ動きをしていた。
この時、モニターをしているセーラー服姿の人形娘は接続プラグを手につけてモニターを見ていた。二人は美少女風のリアルなマスクをしていたが、動きは機械そのもののようであった。
「アンナ教官。二人は行動を始めましたが、シナリオの決定はランダムにしますか?」
「七号、それじゃシーン4まではランダムでお願い。ただ最終シーンはあなたに妖怪タイプ583を操作してください。万が一失敗したら直してあげますからね」
「はい判りました、仰せのようにします。ところで私の次のメンテナンスはどうなりますか?」
「あなた、たしか人形娘として再生されて五年経つよね? 元のように戻らない事に変わりないけど、最新型のプログラムに更新するわ。まあ、あなたの元の姿を知っているから」
この時、アンナは七号の事を思っていた。七号の正体は芝草杏奈の実の妹だった芝草寛奈だった。彼女は『総統』のある研究機関で発生した事故に巻き込まれ殉職したので、使える細胞をナノマシーンで機械化細胞に変換して人形娘に再生されたが、ただの操り人形にすぎなかった。そのため”カンナ”という固有名称すら与えられていなかった。
そこでアンナは徐々にプログラムのバージョンアップを行い、最終的にカンナの意識に近い人形娘に調整しようとしていた。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説

AIアイドル活動日誌
ジャン・幸田
キャラ文芸
AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!
そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。
転校先は着ぐるみ美少女学級? 楽しい全寮制高校生活ダイアリー
ジャン・幸田
キャラ文芸
いじめられ引きこもりになっていた高校生・安野徹治。誰かよくわからない教育カウンセラーの勧めで全寮制の高校に転校した。しかし、そこの生徒はみんなコスプレをしていた?
徹治は卒業まで一般生徒でいられるのか? それにしてもなんで普通のかっこうしないのだろう、みんな!


人形の中の人の憂鬱
ジャン・幸田
キャラ文芸
等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。
【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。
【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?

人形娘沙羅・いま遊園地勤務してます!
ジャン・幸田
ファンタジー
派遣社員をしていた沙羅は契約打ち切りに合い失業してしまった。次の仕事までのつなぎのつもりで、友人の紹介でとある派遣会社にいったら、いきなり人形の”中の人”にされたしまった!
遊園地で働く事になったが、中の人なのでまったく自分の思うどおりに出来なくなった沙羅の驚異に満ちた遊園地勤務が始る!
その人形は生身の人間をコントロールして稼動する機能があり文字通り”中の人”として強制的に働かされてしまうことになった。
*小説家になろうで『代わりに着ぐるみバイトに行ったら人形娘の姿に閉じ込められた』として投降している作品のリテイクです。思いつきで書いていたので遊園地のエピソードを丁寧にやっていくつもりです。
転校してきてクラスメイトになったのが着ぐるみ美少女だった件について
ジャン・幸田
恋愛
転校生は着ぐるみ美少女? 新しいクラスメイト・雛乃は着ぐるみ美少女のマスクを被り一切しゃべることがなかった!
そんな彼女に恋をした新荘剛の恋の行方は? そもそも彼女は男それとも人間なのか? 謎は深まるばかり!
*奇数章では剛の、偶数章では雛乃の心情を描写していきます。
*着ぐるみは苦手という方は閲覧を回避してください。予定では原稿用紙150枚程度の中編になります。

機械娘の機ぐるみを着せないで!
ジャン・幸田
青春
二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!
そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる