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(4)再会
042.人形娘は夢を見る事もある
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奈緒美も衣里も一種のサイボーグである人形娘に改造された際に脳を電脳化されているので、その点は生身ではなくなっていた。脳はタンパク質で構成されたモノに電子フェースや演算システムの電極を埋め込まれ、機械的な活動が出来るように調整されていた。そのため構成物質も変えられていたが、そこんところは機密も多く明らかではない。
それはともかく、電脳化された二人でも人間と同じように夢をみるのだ。しかもリンクされたままだったので同じ夢を!
「うーん衣里ちゃん。わたしたちなんでここにいるのよ?」
奈緒美が夢の中で自分の姿を見るとセーラー服、エロ親父の秀夫の趣味ではなく中学時代の制服だった。
「それはねえ夢の世界にいるのよ奈緒美ちゃん」
目の前に制服姿の衣里が現れた。彼女は航空機事故で無残な姿になる直前の姿だった。それで周囲を見るとどこかで見た事がある風景だった。それは中学校近くの神社の境内だった。そこは同級生らの溜まり場になっていたところだ。
「あれ、私たちって人形娘に改造されているのよね? こんな風に人間の少女に戻っているわけないのよね」
そう奈緒美がいったが、目の前で衣里が笑い出した。それは中学生の時にいつも見た彼女の好きな仕草だった。
「これはねえ夢なのよ! 人形娘でも夢は見るのよ! ただ違うのはモニタニングされているぐらいよ! 自我は全て電脳の管理システムの監視下にあるからね!」
そういわれ奈緒美は嫌な気持ちになった。夢まであのエロ親父に見られているんかと。でも、後で知った事だけど、そこまで監視する事はなかったと。
「そうなの夢なのねこれって・・・そういえば夢の中でこれは夢だと分かったら好き勝手なことしたこともあったわね」
そういうと奈緒美は衣里に抱きついた。そういえば身長も中学校の時になっていたので、さっきまでの人形娘としての体格差が無くなっていることに気付いた。
「あら奈緒美ちゃん。そんなことして中学生なんだからね私たち! 本当ならこの時が一番幸せだったのかもしれないわね。大人の穢れも知らないし人形娘になるなんて知らなかったしね」
そういって衣里はおどけたようにダンスしていた。彼女はそうやって踊るのが好きだったから。
「それよりも夢を見ているって事は私たち同じ夢を見ている事なのね。そんな事人間でもあるのかしら?」
「あったかもね。ほらアニメでそんな話があったりしたからね。それにしても奈緒美ちゃん。私って死にかけの身体を改造されて人形娘にされたといったわね。だから、この人間の時だった時になれてうれしいわよ。たとえ夢であっても!」
そういって二人は抱き合っていた。互いに人間だった時の温もりを感じる事が出来た瞬間だった。
それはともかく、電脳化された二人でも人間と同じように夢をみるのだ。しかもリンクされたままだったので同じ夢を!
「うーん衣里ちゃん。わたしたちなんでここにいるのよ?」
奈緒美が夢の中で自分の姿を見るとセーラー服、エロ親父の秀夫の趣味ではなく中学時代の制服だった。
「それはねえ夢の世界にいるのよ奈緒美ちゃん」
目の前に制服姿の衣里が現れた。彼女は航空機事故で無残な姿になる直前の姿だった。それで周囲を見るとどこかで見た事がある風景だった。それは中学校近くの神社の境内だった。そこは同級生らの溜まり場になっていたところだ。
「あれ、私たちって人形娘に改造されているのよね? こんな風に人間の少女に戻っているわけないのよね」
そう奈緒美がいったが、目の前で衣里が笑い出した。それは中学生の時にいつも見た彼女の好きな仕草だった。
「これはねえ夢なのよ! 人形娘でも夢は見るのよ! ただ違うのはモニタニングされているぐらいよ! 自我は全て電脳の管理システムの監視下にあるからね!」
そういわれ奈緒美は嫌な気持ちになった。夢まであのエロ親父に見られているんかと。でも、後で知った事だけど、そこまで監視する事はなかったと。
「そうなの夢なのねこれって・・・そういえば夢の中でこれは夢だと分かったら好き勝手なことしたこともあったわね」
そういうと奈緒美は衣里に抱きついた。そういえば身長も中学校の時になっていたので、さっきまでの人形娘としての体格差が無くなっていることに気付いた。
「あら奈緒美ちゃん。そんなことして中学生なんだからね私たち! 本当ならこの時が一番幸せだったのかもしれないわね。大人の穢れも知らないし人形娘になるなんて知らなかったしね」
そういって衣里はおどけたようにダンスしていた。彼女はそうやって踊るのが好きだったから。
「それよりも夢を見ているって事は私たち同じ夢を見ている事なのね。そんな事人間でもあるのかしら?」
「あったかもね。ほらアニメでそんな話があったりしたからね。それにしても奈緒美ちゃん。私って死にかけの身体を改造されて人形娘にされたといったわね。だから、この人間の時だった時になれてうれしいわよ。たとえ夢であっても!」
そういって二人は抱き合っていた。互いに人間だった時の温もりを感じる事が出来た瞬間だった。
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