7 / 75
(1)人形娘と機械娘
007.引きこもり娘、家を出る
しおりを挟む
わたしは久し振りに外に出た。そもそも地下にある父の研究所で働いている人がいると思っていなかったので、どこから入るのが本当なのか知らなかった。わたしは自宅の地下室にあると思っていたが、あれはフェイク(欺瞞用)の研究所だった。本体はもっと地下深くにあった。
こうして自宅を出てフェンスをくぐるのは何か月ぶりなんだろうか? それも忘れてしまうぐらいだった。ただ、自宅を出たときがまさか人間の姿で出た最後になるとは思ってもいなかった。
自宅のフェンスのすぐ外に小さな工場があった。その小さな事務所に秘密の出入り口があった。そこが「一般」研究員が出入りに使っているところだった。
わたしは、その事務所で滿原のおばさんに声をかけた。おばさんは物凄い肥満体のアラフィスでいつもわたしのために食料品や日用品を届けてくれていた。引きこもりになったわたしのために。親切な近所のおばさんだと思っていたけど彼女も父の研究所の一員だった。この工場は研究所のダミーで、一般資材の発注元にするためのものだった。
おばさんに父に作ってもらったIDカードを見せると硬い表情を見せ、秘密の出入り口に案内してくれた。そこは階段を下りた地下室で、ガラクタのような資材の奥に古ぼけた非常脱出口のようなドアがあった。そこをくぐると暗い地下に続く螺旋階段があった。
その階段は不気味であったのではやく脱出したかった。それにしても父はどうしてこんな深い所に研究室を作らないといけなかったんだろう?
そう思いながら階段を行くとそこにセキュリティードアがあった。わたしがそこにIDを通すと、ドアが開いた。そこには・・・小さなプラットホームがあった。その長さは5メートルぐらいしかなかった。
しばらくすると小さな電動トロッコがやってきた。それは鉱山にでもありそうな代物だった。これを見て喜ぶ鉄ちゃんもいるだろうと思ってしまったが、それに乗るのもIDが必要だった。トロッコはさらに地中深く進んでいった。そして乗る事5分、地底深くにあるプラットホームに到着した。
自宅を出て敷地内を出て、また自宅の奥深い地下に到着したので変な感じがした。しかし地上では想像してこなかった別の世界が広がっていた。ここは父・大桃秀夫の狂気の実験場だったから。
わたしはプラットホームに降りてIDを通すとパネルに待っているようにとの文字が浮かんだので座っていた。するとプラットホームのドアががったと開いた。そこに立っていたのは一体のガイノイドだった。
外観はゴールドメタリックな外骨格に覆われ、女性らしいバストとくびれたウエスト、そしてセクシーなVラインと長い手足。それは父が理想だと言っていた女性のボディラインをしていた。
「はじめまして大桃奈緒美さん。わたしはMIO、今日はあなたの案内役をいたします」
こうして自宅を出てフェンスをくぐるのは何か月ぶりなんだろうか? それも忘れてしまうぐらいだった。ただ、自宅を出たときがまさか人間の姿で出た最後になるとは思ってもいなかった。
自宅のフェンスのすぐ外に小さな工場があった。その小さな事務所に秘密の出入り口があった。そこが「一般」研究員が出入りに使っているところだった。
わたしは、その事務所で滿原のおばさんに声をかけた。おばさんは物凄い肥満体のアラフィスでいつもわたしのために食料品や日用品を届けてくれていた。引きこもりになったわたしのために。親切な近所のおばさんだと思っていたけど彼女も父の研究所の一員だった。この工場は研究所のダミーで、一般資材の発注元にするためのものだった。
おばさんに父に作ってもらったIDカードを見せると硬い表情を見せ、秘密の出入り口に案内してくれた。そこは階段を下りた地下室で、ガラクタのような資材の奥に古ぼけた非常脱出口のようなドアがあった。そこをくぐると暗い地下に続く螺旋階段があった。
その階段は不気味であったのではやく脱出したかった。それにしても父はどうしてこんな深い所に研究室を作らないといけなかったんだろう?
そう思いながら階段を行くとそこにセキュリティードアがあった。わたしがそこにIDを通すと、ドアが開いた。そこには・・・小さなプラットホームがあった。その長さは5メートルぐらいしかなかった。
しばらくすると小さな電動トロッコがやってきた。それは鉱山にでもありそうな代物だった。これを見て喜ぶ鉄ちゃんもいるだろうと思ってしまったが、それに乗るのもIDが必要だった。トロッコはさらに地中深く進んでいった。そして乗る事5分、地底深くにあるプラットホームに到着した。
自宅を出て敷地内を出て、また自宅の奥深い地下に到着したので変な感じがした。しかし地上では想像してこなかった別の世界が広がっていた。ここは父・大桃秀夫の狂気の実験場だったから。
わたしはプラットホームに降りてIDを通すとパネルに待っているようにとの文字が浮かんだので座っていた。するとプラットホームのドアががったと開いた。そこに立っていたのは一体のガイノイドだった。
外観はゴールドメタリックな外骨格に覆われ、女性らしいバストとくびれたウエスト、そしてセクシーなVラインと長い手足。それは父が理想だと言っていた女性のボディラインをしていた。
「はじめまして大桃奈緒美さん。わたしはMIO、今日はあなたの案内役をいたします」
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説

AIアイドル活動日誌
ジャン・幸田
キャラ文芸
AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!
そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。
転校先は着ぐるみ美少女学級? 楽しい全寮制高校生活ダイアリー
ジャン・幸田
キャラ文芸
いじめられ引きこもりになっていた高校生・安野徹治。誰かよくわからない教育カウンセラーの勧めで全寮制の高校に転校した。しかし、そこの生徒はみんなコスプレをしていた?
徹治は卒業まで一般生徒でいられるのか? それにしてもなんで普通のかっこうしないのだろう、みんな!


人形の中の人の憂鬱
ジャン・幸田
キャラ文芸
等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。
【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。
【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?

人形娘沙羅・いま遊園地勤務してます!
ジャン・幸田
ファンタジー
派遣社員をしていた沙羅は契約打ち切りに合い失業してしまった。次の仕事までのつなぎのつもりで、友人の紹介でとある派遣会社にいったら、いきなり人形の”中の人”にされたしまった!
遊園地で働く事になったが、中の人なのでまったく自分の思うどおりに出来なくなった沙羅の驚異に満ちた遊園地勤務が始る!
その人形は生身の人間をコントロールして稼動する機能があり文字通り”中の人”として強制的に働かされてしまうことになった。
*小説家になろうで『代わりに着ぐるみバイトに行ったら人形娘の姿に閉じ込められた』として投降している作品のリテイクです。思いつきで書いていたので遊園地のエピソードを丁寧にやっていくつもりです。

機械娘の機ぐるみを着せないで!
ジャン・幸田
青春
二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!
そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。
転校してきてクラスメイトになったのが着ぐるみ美少女だった件について
ジャン・幸田
恋愛
転校生は着ぐるみ美少女? 新しいクラスメイト・雛乃は着ぐるみ美少女のマスクを被り一切しゃべることがなかった!
そんな彼女に恋をした新荘剛の恋の行方は? そもそも彼女は男それとも人間なのか? 謎は深まるばかり!
*奇数章では剛の、偶数章では雛乃の心情を描写していきます。
*着ぐるみは苦手という方は閲覧を回避してください。予定では原稿用紙150枚程度の中編になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる