[R18] 父にだまされ人形娘にされた娘! 奈緒美からナオミに

ジャン・幸田

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(1)人形娘と機械娘

007.引きこもり娘、家を出る

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 わたしは久し振りに外に出た。そもそも地下にある父の研究所で働いている人がいると思っていなかったので、どこから入るのが本当なのか知らなかった。わたしは自宅の地下室にあると思っていたが、あれはフェイク(欺瞞用)の研究所だった。本体はもっと地下深くにあった。

 こうして自宅を出てフェンスをくぐるのは何か月ぶりなんだろうか? それも忘れてしまうぐらいだった。ただ、自宅を出たときがまさか人間の姿で出た最後になるとは思ってもいなかった。

 自宅のフェンスのすぐ外に小さな工場があった。その小さな事務所に秘密の出入り口があった。そこが「一般」研究員が出入りに使っているところだった。
 わたしは、その事務所で滿原のおばさんに声をかけた。おばさんは物凄い肥満体のアラフィスでいつもわたしのために食料品や日用品を届けてくれていた。引きこもりになったわたしのために。親切な近所のおばさんだと思っていたけど彼女も父の研究所の一員だった。この工場は研究所のダミーで、一般資材の発注元にするためのものだった。

 おばさんに父に作ってもらったIDカードを見せると硬い表情を見せ、秘密の出入り口に案内してくれた。そこは階段を下りた地下室で、ガラクタのような資材の奥に古ぼけた非常脱出口のようなドアがあった。そこをくぐると暗い地下に続く螺旋階段があった。

 その階段は不気味であったのではやく脱出したかった。それにしても父はどうしてこんな深い所に研究室を作らないといけなかったんだろう?
 そう思いながら階段を行くとそこにセキュリティードアがあった。わたしがそこにIDを通すと、ドアが開いた。そこには・・・小さなプラットホームがあった。その長さは5メートルぐらいしかなかった。

 しばらくすると小さな電動トロッコがやってきた。それは鉱山にでもありそうな代物だった。これを見て喜ぶ鉄ちゃんもいるだろうと思ってしまったが、それに乗るのもIDが必要だった。トロッコはさらに地中深く進んでいった。そして乗る事5分、地底深くにあるプラットホームに到着した。

 自宅を出て敷地内を出て、また自宅の奥深い地下に到着したので変な感じがした。しかし地上では想像してこなかった別の世界が広がっていた。ここは父・大桃秀夫の狂気の実験場だったから。

 わたしはプラットホームに降りてIDを通すとパネルに待っているようにとの文字が浮かんだので座っていた。するとプラットホームのドアががったと開いた。そこに立っていたのは一体のガイノイドだった。

 外観はゴールドメタリックな外骨格に覆われ、女性らしいバストとくびれたウエスト、そしてセクシーなVラインと長い手足。それは父が理想だと言っていた女性のボディラインをしていた。

 「はじめまして大桃奈緒美さん。わたしはMIO、今日はあなたの案内役をいたします」
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