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(外伝壱)犠牲者たち
062.マリア誕生
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オ・スンスクはこの国に来てからの出来事を思い出していた。冷たい目つきをした入国管理官、窮屈で汚い難民収容所。そこから脱出したあと入った犯罪組織、そこでの掟に嫌気がさして抜け出した後は、生きていくために盗みや恐喝は当たり前、時には売春までしてしまった。そして、今は良くわからない組織によって人間の身体が改造されているのだけは間違いなかった。
「なんだよ、あんたらはいったい! あたいの身体をどうするんというのよ! でも、なんで気持ちいいのよこれはなぜ!」
この時、オ・スンスクの秘穴からいやらしい音を立てていた。腰を覆う生体装甲の内側から男根にも似たプローグが入り込んでいた。この時、彼女の生殖器と泌尿器、消化器が生体装甲の部分と融合していった。この時に性的興奮を感じたので、全身が反応していた。
「な、なによ。私の身体が大きくなってしまった感覚だわ! それになによ、強くなった気がするわよ。ニンゲンではもうないのよね」
彼女がニンゲンとして最後にいった言葉だった。この時、オ・スンスク「だった」肉体の奥深いところまで生体組織を機械化細胞へと書き換えるナノマシーンの働くによる影響が出始めたのだ。ニンゲンの女性の肉体は生体装甲と連動して働くように強靭なものへと変化し、また生体装甲をサポートする「内臓」の機能が与えられるようになった。また外見は爬虫類を思わせるようなグロテスクなものへと変えられていた。
もし、その姿に変わる事を事前に知らされていたなら、大抵のニンゲンは拒否反応を示すのは間違いないはずだった。しかし、その生体装甲に改造されると同時に、脳組織も電脳化され洗脳も完了するのでそういった嫌悪感を感じることはなかった。
「さあマリア! お前はメタルロイド・レディ・マリアになったんだ。これからは私、大桃秀夫のため、またお前を改造し生まれ変わらせた組織のために忠誠を尽くし活動するのだぞ! そして、この世界を変える活動に大いに貢献するのだぞ!」
その声に爬虫類の皮膚を思わせる生体装甲に覆われたマリアは忠誠を誓うポーズを取っていた。そこに、先ほどまでのミズボラしい姿の少女はいなくなっていた。
その様子を後ろで見ていた人形娘二人がいた。ナオミとリエだった。二人の表情は変わることはなかったが、オ・スンスクがメタルロイド・レディ・マリアに改造される様子を最初から見せられていたのだ。この時ナオミは昨日自分の身に起きた事を思い出して恐ろしくなっていた。
父によって、人間らしい皮膚も顔も身体も全て人形のそれに改造されたが、いまは同じ年頃の少女をおぞましい姿へと改造していた。そんな鬼畜な科学者の血肉を受けついていると思うと、いたたまれない気持ちになった。本当なら、ここから逃げ出したかったが、今は自我よりも研究所の計画のほうが優先されているので、それは不可能だった。
それにしてもナオミは不思議に思った。なにも改造シーンなんかアーカイブにアクセスすれば一部の失敗事例を除き過去の記憶は全て閲覧できるというのにである。父いや所長がわざわざ生で見せたか、疑問に思っていた。
そう思っていると、マリアの前に良く似た姿をした大きな戦闘員が立っていた。どうも背格好からすると男性のようだった。なぜそんなのがいるのかと思っていると、所長がこう指示した。
「ナオミ、お前には明日してもらうが、これからマリアは生体装甲に覆われた男女によるセックスをしてもらう! だから良く見ておきたまえ!」
このエロ親父は娘にニンゲンの姿を失わされた者同士のセックスを観察しろということなんだろうか? 本当に狂った研究をしているのだと憤りを覚えていた。
「なんだよ、あんたらはいったい! あたいの身体をどうするんというのよ! でも、なんで気持ちいいのよこれはなぜ!」
この時、オ・スンスクの秘穴からいやらしい音を立てていた。腰を覆う生体装甲の内側から男根にも似たプローグが入り込んでいた。この時、彼女の生殖器と泌尿器、消化器が生体装甲の部分と融合していった。この時に性的興奮を感じたので、全身が反応していた。
「な、なによ。私の身体が大きくなってしまった感覚だわ! それになによ、強くなった気がするわよ。ニンゲンではもうないのよね」
彼女がニンゲンとして最後にいった言葉だった。この時、オ・スンスク「だった」肉体の奥深いところまで生体組織を機械化細胞へと書き換えるナノマシーンの働くによる影響が出始めたのだ。ニンゲンの女性の肉体は生体装甲と連動して働くように強靭なものへと変化し、また生体装甲をサポートする「内臓」の機能が与えられるようになった。また外見は爬虫類を思わせるようなグロテスクなものへと変えられていた。
もし、その姿に変わる事を事前に知らされていたなら、大抵のニンゲンは拒否反応を示すのは間違いないはずだった。しかし、その生体装甲に改造されると同時に、脳組織も電脳化され洗脳も完了するのでそういった嫌悪感を感じることはなかった。
「さあマリア! お前はメタルロイド・レディ・マリアになったんだ。これからは私、大桃秀夫のため、またお前を改造し生まれ変わらせた組織のために忠誠を尽くし活動するのだぞ! そして、この世界を変える活動に大いに貢献するのだぞ!」
その声に爬虫類の皮膚を思わせる生体装甲に覆われたマリアは忠誠を誓うポーズを取っていた。そこに、先ほどまでのミズボラしい姿の少女はいなくなっていた。
その様子を後ろで見ていた人形娘二人がいた。ナオミとリエだった。二人の表情は変わることはなかったが、オ・スンスクがメタルロイド・レディ・マリアに改造される様子を最初から見せられていたのだ。この時ナオミは昨日自分の身に起きた事を思い出して恐ろしくなっていた。
父によって、人間らしい皮膚も顔も身体も全て人形のそれに改造されたが、いまは同じ年頃の少女をおぞましい姿へと改造していた。そんな鬼畜な科学者の血肉を受けついていると思うと、いたたまれない気持ちになった。本当なら、ここから逃げ出したかったが、今は自我よりも研究所の計画のほうが優先されているので、それは不可能だった。
それにしてもナオミは不思議に思った。なにも改造シーンなんかアーカイブにアクセスすれば一部の失敗事例を除き過去の記憶は全て閲覧できるというのにである。父いや所長がわざわざ生で見せたか、疑問に思っていた。
そう思っていると、マリアの前に良く似た姿をした大きな戦闘員が立っていた。どうも背格好からすると男性のようだった。なぜそんなのがいるのかと思っていると、所長がこう指示した。
「ナオミ、お前には明日してもらうが、これからマリアは生体装甲に覆われた男女によるセックスをしてもらう! だから良く見ておきたまえ!」
このエロ親父は娘にニンゲンの姿を失わされた者同士のセックスを観察しろということなんだろうか? 本当に狂った研究をしているのだと憤りを覚えていた。
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