終末の機械娘と猫たちと(完結)

ジャン・幸田

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ミャオの消去と再生

消去と再生

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 自分てなに? 存在する意義って? ミャオだったものは考えていた。でも、なにか身体があるような感覚がした。感覚? 機械が感じるものは電気パルスであり認識のはずだ。なんなのよ! そう思って起動しようとしたが、なんかおかしかった。なつかしい感覚だったそれは。

 ミャオは瞼をあけた。あれ機械娘に瞼ってあった? 身体を起こすと身体が柔らかかった? そして自分の身体をみると、記憶の中にあった少女の姿のようであった。近くにあった反射する金属板をみるとそこには十三歳ぐらいの少女の姿があった。

 これってなに? すると頭の中にこんなメッセージがきた。

 ”これから人類再生計画が発動される、そのため必要な人類を用意する必要があったが、残されていた機械娘の中から選ばれたのだ”

 選ばれるほど、この地球に機械娘が存在していたの? そんあ疑問もあったがそんなことはどうでもいい。再生された、というのはどんな意味なの! するとメッセージの主はこういった。

 ”実はかつての文明は時期が到来すれば人類を再創生するようにとプログラムしていたんだ。それで残されていた受精卵を育てたが問題があった。全て野獣のようになったのだ。そう、教育する者が存在しなかったのだ。多くの手段を失ったので、教育装置を使えなかったからだ。そこで、我がプログラムが出した答えは、父母となる存在を先に創造しなければならなかったと。そこで、機械娘の電脳から記憶を転送したわけだ”


 少女は戸惑った。意味がわからなっかた。父母の!

 ”まあ、何をすべきなのかはこれからこうやって教えてやる。ちなみにその身体は人間そのものだからな。頭は改造されているが”

 答えになっていない! そう思っていると目の前にもう一人いた。それは少年のようだった。

 ”君のパートナーだ! 一緒に帰り給え!”


 その少年は少女の手を取った。


 それから一ヶ月。二人はミャオがいた海岸にいた。二人の周りには小さな子供が何人かいた。そして彼女らの周りにはアリスたち猫たちもいた。ささやかな人類社会が始まろうとしていた。初期の暮らしに必要な品物はかつての基地から運んできたが、これからは自立していかなければならなかった。

 少女は海岸に釣りに向う少年を見送ってから、残された幼子たちの面倒をみていた。時々あの声のアドバイスを受けながら。自分たちが人類の新たなアダムとイブだという。その意味は少女は分からなかったが、とりあえず自分の名前がイブで少年の名前はアダムだと認識していた。

 ”今日はこれから何をすればいいのですか?”

 イブが尋ねるとメッセージの主はこういった。猫と遊ばしてやりなさい子供たちと。だからイブは子供たちと昨日とって来た果樹の皮を剥きながら猫と戯れていた。そのとき、時間はゆっくりと流れていた。
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