終末の機械娘と猫たちと(完結)

ジャン・幸田

文字の大きさ
上 下
13 / 17
ミャオをよんだモノ

森を抜けると

しおりを挟む
 ミャオは深い森を抜けていた。それまでの道のりは比較的平坦であったか、どうもそこは大都市のようであった。しかし舗装道路は風化により至る所ヒビが入ってそこに植物が芽吹いていた。それに路上とおもわれるところに遥か昔の乗用車がトラックかの残骸らしきものが錆びの山となって転がっていた。

 そうにしても不思議に思ったのがこれだけの建物や機械の残骸があるのに人間の骨というものはなかったことだ。もはや人間の骨もさえも動物に捕食されて消えていったのかもしれない。もしかすると、この世界に人類というものが存在していた痕跡はあってもその生物の姿をとどめているのはミャオだけだったのかもしれなかった。

 森を抜けた時、物凄く広い草原が目の前に現れた。おそらくそこが宇宙港の遺跡のようであった。かつて人類の文明の最盛期もしくは終末期、この宇宙港から数多くの人類が地球を捨てて宇宙に移民していったのかもしれない。

 その遺跡でも宇宙船や航空機の残骸であろうものが転がっていた。それにしても人類というものはどこに行ったのであろうか? 植物は繁栄し動物はもまた然りであるにも関わらずだ。森にも人間ところか類人猿の類すら見たことなかった。この世界の生態系には猿すら存在しないようであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ロボットウーマン改造刑を受けた少女

ジャン・幸田
SF
 AI搭載型ロボットが普及した未来、特に技能のない人間たちは窮地に陥っていた。最小限の生活は保障されているとはいえ、管理され不自由なデストピアと世界は化していた。  そんな社会で反体制活動に参加し不良のレッテルを貼られた希美は保安処分として「再教育プログラム」を受けさせられ、強制的にロボットと同じ姿に変えられてしまった! 当局以外にはロボット以外の何者でもないと認識されるようになった。  機械の中に埋め込まれてしまった希美は、ロボットウーマンに改造されてしまった!

【SF短編集】機械娘たちの憂鬱

ジャン・幸田
SF
 何らかの事情で人間の姿を捨て、ロボットのようにされた女の子の運命を描く作品集。  過去の作品のアーカイブになりますが、新作も追加していきます。

機械娘として転移してしまった!

ジャン・幸田
SF
 わたしの名前、あれ忘れてしまった。覚えているのはワープ宇宙船に乗っていただけなのにワープの失敗で、身体がガイノイドになってしまったの!  それで、元の世界に戻りたいのに・・・地球に行く方法はないですか、そこのあなた! 聞いているのよ! 教えてちょうだい!

ロボリース物件の中の少女たち

ジャン・幸田
キャラ文芸
高度なメタリックのロボットを貸す会社の物件には女の子が入っています! 彼女たちを巡る物語。

機械娘フェチ作品撮影!

ジャン・幸田
SF
 わたし、とあるプロダクションに所属するモデルだったの。一応十八禁作品出演OKとしていたけど、恥ずかしかったの。  そいで顔出ししないでもいいという撮影があったので行ってみると、そこでわたしはロボットのようになれということだったの。わたしはガイノイドスーツフェチ作品に出演することになった。

AIアイドル活動日誌

ジャン・幸田
キャラ文芸
 AIアイドル「めかぎゃるず」はレトロフューチャーなデザインの女の子型ロボットで構成されたアイドルグループである。だからメンバーは全てカスタマーされた機械人形である!  そういう設定であったが、実際は「中の人」が存在した。その「中の人」にされたある少女の体験談である。

メタルノイド・シンドローム

ジャン・幸田
SF
 20××年、はるか彼方より人工物体が飛来し地球を周回する軌道を巡るようになった。  その日を境に恐ろしい災いが世界各地で起きた! 人類が突如として機械化される病”メタルノイド・シンドローム”が蔓延し始めたのだ。    軌道上の人工物体が関与しているのは間違いなかったが、人類を機械化する理由とは? 機械化された人類に未来があるのか?

機械娘の機ぐるみを着せないで!

ジャン・幸田
青春
 二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!  そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。

処理中です...