終末の機械娘と猫たちと(完結)

ジャン・幸田

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ミャオの冒険の始まり

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 ミャオは子猫を連れて旅に出た。少し前までいた世界に比べ、変化はなく続きのような状況だった。はっきりしているのは、ここも人類が築いてきた文明が風化し自然に帰りつつあるということであった。

 かつて栄華を極めていた人類文明は、自然の動植物と気象によってその存在していた痕跡をけしつつあった。それはあたかも人間などというくだらない生物が、大いなる意志によって。この地球上にいたこと痕跡をも早く消したいかのようであった 

 それにしてもミャオが受け取ったオメガ指令とは何だろうかよくわからなかった。どうも地球上のある地点に行けということであっていうのは確かであった。距離としては大したことは無いようだが、道といえば獣道なのでなかなか進める事はできなかった。歩きながらミャオはどうして、この姿にいるのかをなんとなく思い出しそうしていたが、思い出せなかった。

 そもそも人間を機械にするだなんて正気の沙汰ではないのであろうか? そんなことを考えていたが、はっとした! これってもしかすると今まで封印されてたいたはずの自分の感情が蘇っつつあるかのようであった!

 では蘇って何をすると言うんだろうか? いや今まで蘇るということは今までの孤独が押してくるのではないだろうか? この地球上に人類、いや正確に言えば元人類の自分以外いないというのに何をするんだろうか?  そう思うと急に寂しさが思考回路のなかでいっぱいになってきた。

 その時であった、ミャオの手の中で鳴く声が聞こえた。そうだキジ猫の子猫と一緒に旅していたのであった。実はこの子猫に名前などつけていなかった。正確に言えば個別の認識はしていた、しかし名前を付けるという概念など一切なかった。おそらく今までは数字で管理していたんだと思う。

 その時ある言葉が思い出した。そうだこの猫はアリスだ! なぜアイスとつけたんだろうか? ミャオは何となくそう考えたのだから。
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