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わたしのゼンタイ姿を見せないでよ! 編

16.そのままみんなにわたしのゼンタイ姿をみせないでよ

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 スリッパは正直なところ乱交パーティーみたいなものだった。だって男女が入り乱れてプレイしていたからだ。でも、おかしいよね、みんな脱いでいるんじゃなく逆に素肌が見えぬように着込んでいるのにいやらしいのだから。

 それに男女入り乱れていても互いの姿がよくわからないのだ。わたしなんかマスク越しに見ていたら男なのか女なのかわからなかったほどだ。そうゼンタイを互いにきていたら相手が誰なんかわからなくなってしまうのだ。

 もちろんシルエットである程度わかるはず・・・なのに中に女装子がいたのだ! しかも女性のわたしが嫉妬するぐらい美しいボディラインのやつが!

 あとでその人とも親しい友人になったけど、彼(彼女?)がいうには男性が好きだから女装するのではなく女性になることが喜びだから女装するのだということだった。

 なので、わたしがゼンタイで相手したのは男だったり女だったり女装子さんに男性子さん(宝塚の男役みたい)だったりだった。考えてみればシンジの交友関係もなぞばかりであった。どこで知り合ったんだろうか?

 それはともかくスリッパも予定されていた時間が終わろうとしていた。すると忙しくしていたシンジにわたしは呼ばれて耳打ちをされた。その事に驚いてしまったが、少し興奮気味だったので受けてしまった。

 「それでは今日初参加してもらったマドカさんんがゼンタイを重ね着してくれるそうです。それではお願いします」

 わたしはみんなの前に大胆なビキニ姿で立っていた。それにしても、このビキニ露出度が高すぎだ。シンジが言うにはアメリカのビーチでよく見かけるものだといっても、本当なのかしらと思っていた。

 そのビキニは白色で、ハイカットなパンツに肩紐のないスポーツブラみたいなトップだった。でも、これじゃあ「着ていない、いえ大丈夫ですよ」といった一発芸が出来そうだった。
 そんな私でも、これから肌の露出は全く無くなっていく事になっていた。

 そして私はシンジから次々と渡されたゼンタイを着ていってしまった。最初は黒で次は白、そして次は赤で、更に次はひまわり模様で次はチェッカー模様・・・そんな風に10枚着せられたところでストップした。
 このときわたしは一枚着ただけでも拘束感がするゼンタイを10枚も重ね着して、正直ダルマさんみたいな気になっていた。

 「それでは彼女は元の姿に戻ってもらいます」
 そういってもらったけど、考えてみれば私はシンジの彼女じゃないって突っ込みをいれたかったが、口周りが布で包まれていてしゃべる事が出来なかった。

 わたしはさっきとは逆に脱いで言った。これはゼンタイの脱皮ショーだった。それにしても、こんなにみんなにわたしのゼンタイ姿を度々みせないでほしいと考えていた。だって恥ずかしいからだ。
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