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ピンクに染まった彼女
ステージの後で・・・お別れ
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紗代が抱きついたからか、眞子が触ったからかは分からないが、とにかく紗代はその場にうずくまり皮膚の色が変化していった。最初は黒ずんでいたけどやがて七色に変化してついに緑色になってしまった!
顔の凹凸は消え、髪の毛も消えさってしまった。そう眞子と同じゼンタイ姿になってしまったのだ!
「うーん、この姿って気持ちいいじゃないのよ」
そういって、紗代は制服を脱ぎ始めた。それを周囲にいた大人が当然止めた! 紗代の肥満体を覆うゼンタイはまさにグリーンモンスターであった・・・
「これって・・・女の子には感染するんじゃないのかな・・・」
眞子の母親はつぶやいたけど、そういったのは眞子を触っても何ら異常が起きなかったというのに紗代に限ってこんな変化が起きたからだ。
そうこうしているうちに、二人の出演時間が近づいているのに気が付いた! 本当は中止してどこか病院にでも・・・っていうか、これって病気なのか定かではないが、どこかに行かないといけない状況だったが。
「早うして! お二人さんも先生も! 悠太も早う着替えて!」
グリーンモンスターと化した紗代にせかされるまま悠太は更衣室に押し込められた。そういえば、紗代にさわられても悠太には変化は起きなかったので、ゼンタイ姿に普通に着替えた彼であった。
ステージのショーは問題なく進行した。というよりも、他にも似たいようなダンスを披露したクラスと比べると反応はイマイチだった。やっぱり二人しか出ないステージは寂しいものだった。しかし、問題はそのあとだった。眞子のゼンタイ姿が気になった男女がクラスの控室に集まっていたのだ。野郎はともかく問題は女子だった。もし眞子に触れたら紗代と同じになってしまう!
それで急いで車に眞子を乗せ学校を後にしようとした。しかし運が悪いことに邪魔が入った。校門にいた生徒指導の中林先生だ! さぼるために脱出すると思われたのだ。しかも事情を知らないので眞子と紗代の二人はガミガミ怒られ始めた。しかも連絡がいっていなかったので事情をしらなかったから、長引きそうだった。それで、担任の元に戻って中林先生を説得するように頼みに行ったが、その少しの時間に大変な事になっていた。
通りかかった女という女がなぜか二人のゼンタイ姿を見て触っていったのだ! その結果は・・・
町中の女という女が影人間のような姿へと変貌したのだ! 当然、パニックになった。いったいこれからなにがどうなるというのだろうか?
女性の身体をゼンタイのようなものに覆われる原因は地球外から来た未知の存在によるものであるとされた。なお、そんな姿になっても一週間ほどすれば元の姿に自然と戻ることが判明し騒動は収束していったが、それが分かるまでは世界中が大混乱になった。しかも未知の存在の目的は分からなかったので謎は残った。
ともかく、問題なのは眞子がどこいったのか分からないってことだった。あの日、数多くのゼンタイ少女が大量発生したので、個人の認識などが出来なくなっているうちに見失ってしまったのだ。騒動が起きて一ヶ月が経過しても眞子の行方は不明のままだった。
学校も落ち着いだが、前項の女子生徒の大半がゼンタイ少女になったためか、なぜかゼンタイがブームになってしまった。どうも家で楽しんでいるようだったが、そんなのは関係なかった。眞子がいないからだ。彼女はどこに行ってしまったんだろうか?
そう思っていたある日の放課後、講堂のステージに行ってみた。あの日以来ステージは封鎖状態だった。ゼンタイ化少女が大挙してステージ上で狂喜乱舞の表現が当てはまる様な大騒ぎをしたためだ。その場で眞子を見失ったからだ。ここにいれば眞子に会えそうな気がしたのだ。
ステージに立っていると目の前にピンクの人の形をした何かが歩いてきた。
「君は・・・眞子?」
そう問いかけたが、その人の形は何一つ言わなかった。すると、いきなり抱きついてきた。それは冷たかった! まるで幽霊でも抱かれたかのように!
「つ、冷たいぞ! どうしてだ?」
そういうと、そいつは何かを書きたいというような動作をした。それで持っていたノートとシャーペンを渡した。するとノートにこう筆談した。
”あたいは人間でなくなったの! いろんな人をこの姿にしたけど、やっぱり選ばれたようなのよ”
「それって、どういうことだ!」
”この姿に適合したという事よ! この惑星から標本として連れ去るんだって”
「それって、まさか?」
”みんなをゼンタイ姿にした奴よ! なんでも超光速航法に地球上の生物は耐えられないので、特殊加工しても大丈夫なのを探していたそうよ。だから私はこれから連れ去られるのよ。だからこうしてアイサツに来たわけ”
「そんなのダメだ! 嫌だとお願いしろ!」
”だめよ。もうすぐ消えるから。私の事は忘れて! もし運がよかったらまた会えるわ。その日ははるか未来かもしれないけど。バイバイ!”
「まつんだ眞子!」
そういった瞬間、眞子らしきゼンタイ少女の姿は消えていった。結局あれ以来眞子をみることはなかった。もし彼女の言葉が正しければ、そのうち戻ってくれるかもしれなかったが、当てのない事だった。おそらく待っても戻ってくることはないかもしれなかった。
そのあと、同じような女性失踪事件は世界各地で報告されたが、いづれも地球外文明社会に拉致されるという言葉を残していた。だから、もう戻ってこないかもしれなかった。
あれ以来、ピンクのゼンタイを見ると眞子を思い出した。あの日ステージで感じた彼女の手の温もりと一緒に。
顔の凹凸は消え、髪の毛も消えさってしまった。そう眞子と同じゼンタイ姿になってしまったのだ!
「うーん、この姿って気持ちいいじゃないのよ」
そういって、紗代は制服を脱ぎ始めた。それを周囲にいた大人が当然止めた! 紗代の肥満体を覆うゼンタイはまさにグリーンモンスターであった・・・
「これって・・・女の子には感染するんじゃないのかな・・・」
眞子の母親はつぶやいたけど、そういったのは眞子を触っても何ら異常が起きなかったというのに紗代に限ってこんな変化が起きたからだ。
そうこうしているうちに、二人の出演時間が近づいているのに気が付いた! 本当は中止してどこか病院にでも・・・っていうか、これって病気なのか定かではないが、どこかに行かないといけない状況だったが。
「早うして! お二人さんも先生も! 悠太も早う着替えて!」
グリーンモンスターと化した紗代にせかされるまま悠太は更衣室に押し込められた。そういえば、紗代にさわられても悠太には変化は起きなかったので、ゼンタイ姿に普通に着替えた彼であった。
ステージのショーは問題なく進行した。というよりも、他にも似たいようなダンスを披露したクラスと比べると反応はイマイチだった。やっぱり二人しか出ないステージは寂しいものだった。しかし、問題はそのあとだった。眞子のゼンタイ姿が気になった男女がクラスの控室に集まっていたのだ。野郎はともかく問題は女子だった。もし眞子に触れたら紗代と同じになってしまう!
それで急いで車に眞子を乗せ学校を後にしようとした。しかし運が悪いことに邪魔が入った。校門にいた生徒指導の中林先生だ! さぼるために脱出すると思われたのだ。しかも事情を知らないので眞子と紗代の二人はガミガミ怒られ始めた。しかも連絡がいっていなかったので事情をしらなかったから、長引きそうだった。それで、担任の元に戻って中林先生を説得するように頼みに行ったが、その少しの時間に大変な事になっていた。
通りかかった女という女がなぜか二人のゼンタイ姿を見て触っていったのだ! その結果は・・・
町中の女という女が影人間のような姿へと変貌したのだ! 当然、パニックになった。いったいこれからなにがどうなるというのだろうか?
女性の身体をゼンタイのようなものに覆われる原因は地球外から来た未知の存在によるものであるとされた。なお、そんな姿になっても一週間ほどすれば元の姿に自然と戻ることが判明し騒動は収束していったが、それが分かるまでは世界中が大混乱になった。しかも未知の存在の目的は分からなかったので謎は残った。
ともかく、問題なのは眞子がどこいったのか分からないってことだった。あの日、数多くのゼンタイ少女が大量発生したので、個人の認識などが出来なくなっているうちに見失ってしまったのだ。騒動が起きて一ヶ月が経過しても眞子の行方は不明のままだった。
学校も落ち着いだが、前項の女子生徒の大半がゼンタイ少女になったためか、なぜかゼンタイがブームになってしまった。どうも家で楽しんでいるようだったが、そんなのは関係なかった。眞子がいないからだ。彼女はどこに行ってしまったんだろうか?
そう思っていたある日の放課後、講堂のステージに行ってみた。あの日以来ステージは封鎖状態だった。ゼンタイ化少女が大挙してステージ上で狂喜乱舞の表現が当てはまる様な大騒ぎをしたためだ。その場で眞子を見失ったからだ。ここにいれば眞子に会えそうな気がしたのだ。
ステージに立っていると目の前にピンクの人の形をした何かが歩いてきた。
「君は・・・眞子?」
そう問いかけたが、その人の形は何一つ言わなかった。すると、いきなり抱きついてきた。それは冷たかった! まるで幽霊でも抱かれたかのように!
「つ、冷たいぞ! どうしてだ?」
そういうと、そいつは何かを書きたいというような動作をした。それで持っていたノートとシャーペンを渡した。するとノートにこう筆談した。
”あたいは人間でなくなったの! いろんな人をこの姿にしたけど、やっぱり選ばれたようなのよ”
「それって、どういうことだ!」
”この姿に適合したという事よ! この惑星から標本として連れ去るんだって”
「それって、まさか?」
”みんなをゼンタイ姿にした奴よ! なんでも超光速航法に地球上の生物は耐えられないので、特殊加工しても大丈夫なのを探していたそうよ。だから私はこれから連れ去られるのよ。だからこうしてアイサツに来たわけ”
「そんなのダメだ! 嫌だとお願いしろ!」
”だめよ。もうすぐ消えるから。私の事は忘れて! もし運がよかったらまた会えるわ。その日ははるか未来かもしれないけど。バイバイ!”
「まつんだ眞子!」
そういった瞬間、眞子らしきゼンタイ少女の姿は消えていった。結局あれ以来眞子をみることはなかった。もし彼女の言葉が正しければ、そのうち戻ってくれるかもしれなかったが、当てのない事だった。おそらく待っても戻ってくることはないかもしれなかった。
そのあと、同じような女性失踪事件は世界各地で報告されたが、いづれも地球外文明社会に拉致されるという言葉を残していた。だから、もう戻ってこないかもしれなかった。
あれ以来、ピンクのゼンタイを見ると眞子を思い出した。あの日ステージで感じた彼女の手の温もりと一緒に。
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