ゼンタイを着て出歩いてもいいですよね?

ジャン・幸田

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変な恰好!

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 春は変な人が出てくる季節だという。暖かくなると気分がハイになるためかびっくりするような事をするんだという。ものすごく薄着だったりハダカだったり・・・そこまで極端でなくても、パパはおかしな恰好をした人を大学時代にみたという。甲冑を着こんで女の子のキャラクターが描かれたマントを羽織り、手に小さな鯉のぼりを持って街中を歩いていたと。仮装大会でもないのに・・・

 日常の風景に似合わない恰好をすれば誰も思うだろう、変な恰好! と。そんなのは世界を探せば相当な人たちがいるのは間違いけど、もし自分が住んでいる街にいたら・・・それが目の前で起きていた。

 春休み、わたくし村雨は遭遇してしまった。とあるアメコミヒーローみたいな恰好をしたのが反対側から歩いてきた。それはメタリックな生地に覆われていた。しかも、顔も見えないように! 人間って顔が分からないとモノに見えてしまうものだと思い知らされた。なんなんだ、あれは!

 わたしは本当に唖然としていた。まるでそれは動画からこぼれ落ちてきたように想えたのだ。わたしの頭の中で二つの想いがあった。拒絶と興味だったが、それがわたしの生き方を変えてしまう事になるなんて、その時は考えてもいなかった。
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