もし俺の嫁がリアルにやってきたら

三・愛莉と一緒に！

愛莉の内臓のため息（４）

　愛莉は元々製作者が自分をアニメ調にデフォルメして作った着ぐるみマスクだった。でも、制作者だった中の人の姉はもうこの世にいなかった。突然の不慮の事故で未来が絶たれてしまった。それで今は妹が姉がやろうとしていたことをある程度実現してやるのが供養だと思ってしていた。残されていた日記などを手掛かりにして。

　最初、姉がやっていたことを知らなかった妹は戸惑ってしまった。女なのに女の子を着るのが好きで、しかも自分で作っていたなんて！　それでもなんとかして姉の足元ぐらいまでは何とか出来るようになっていた。そしていまは、姉がしたかったことをやろうとしていた。先ほどまで一緒にいた男とやりたかったことを。

　「なのねえ、姉ちゃん！　いっていいかしら？　あたいを変態にしないで！　好きにやっているからいいんじゃないのよって、いうかもしれないけどね」

　机の上に置いてある愛莉の遺影にかけよっていた。愛莉の夢は高校の時に好きだった男と百合百合するというとんでもない事だった！　なんで男女なのに美少女着ぐるみ同士になってしないといけないの！　妹はその願望を読んだ時、姉の考えが理解できなかった。でも、それに近づくために努力しているうちに妹も着ぐるみ美少女の虜になっていた。

　「もお！　あたいは愛莉の代替物じゃないのよ！　だからね、その・・・」

　その時、彼女の胸の中が熱くなってしまった。