もし俺の嫁がリアルにやってきたら

三・愛莉と一緒に！

愛莉の内臓のため息（１）

　愛莉の着ぐるみをきた少女は彼のアパートを出て帰路に就いた。ここは住宅地で日曜日の夕方、その日は木枯らしが吹く寒い日だった。室内で汗をかいたゼンタイを着ていたままだったので寒くて仕方なかった。早く着替えて人間に戻らないといけなかった。

　一層の事、ファンタジー作品のように魔法で人間にも人形にでも変身出来たらどんなに楽なのにと思わず考えていたが、そんなのはなんかの見過ぎという訳だ。だから自分のワゴンへと急いだ。

　彼のアパートから五分ほど歩いたコインパーキングにつくと、急いでワゴンの後ろから乗り込んだ。カーテンを閉め切った後で愛梨はマスクを外し、その日の活動を終えた。

　「ふー、暑苦しいわね！　早く叔父様に超高性能のマスクを開発してもらいたいわね」

　内臓の彼女は汗でぐっしょりとした顔をスポーツタオルで拭った。彼女の均整の取れた顔は愛莉と同じように可愛らしかった。

　内臓の彼女はメイド服を脱いで綺麗に折りたたんでから、次に自分を人形の存在にしていた肌タイを脱ぐのを始めた。彼女の着ていた肌タイは顔の部分だけくりぬかれたいわゆるモジモジ君タイプになっていて、全身ヌードのように見える状態だった。また生地は結構いいもので、汗がにじんでくることはほとんどなかったが、内側は汗が溜まっているという状態だった。