もし俺の嫁がリアルにやってきたら

二・愛莉と愛華！

もうひとりの愛莉（2）

　俺を女装子にする手伝いをしてくれたのは妹尾愛莉だったのだ。彼女は良いなあと思う同級生であったが特別な感情はその時なかった。その当時、異性に対する恋愛感情に疎かったのかもしれない。彼女は学校のアイドル的存在だったというのにである。

　男を女にする行為に多くの女子生徒が敬遠していたが、愛莉はそれでは先に話が進まないという事で、自ら進んでやってくれたようだ。制服は誰かの部活の先輩のお古が用意された。たぶん俺が選ばれたのは、そのお古を着ることが出来る男だったからだったような気がする。とにもかくにも制服を着る事にした。

　女子になるからと下着まで用意していた。さすがにお古はまずいので、そこらへんのディスカウントショップで買って来た安物の下着を付けろということになった。そして次に制服を着る事になったが、男の誰も着た事のない制服であるセーラー服だった！　高校を卒業した後に海上自衛隊にでも入隊しないと男が着る事のないあれだ。まあコスプレもしくは趣味でもなければ着ないものだ。

　その前に俺は愛莉から渡されていた紙を広げた。そこには可愛らしいイラストと可愛らしい文字が綴られたセーラー服の着方が書かれていた。