ゼンタイシンドロームな人々!

ジャン・幸田

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弐:朝起きてみたらゼンタイ姿のようになっていた件

8.ゼンタイ化完成!

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 私は隆治を攻め続けていった。時間が経過するとともに隆治の全身は真っ青になった。そうゼンタイで覆われたような状態になった。その一方で私にも変化が起きていた、私の身体が変わっていたのだ。

 隆治もであるが、わたしの顔に変化が起きていた。眼窩や鼻筋といった凹凸が消え、ただのカーブへと変わっていったのだ。そして今まであったはずの眼球は無くなり、唇も口蓋も消失したのだ。そのかわり視覚は体表すべてで認識するようになっていたのだ。そしてその他の部位にも変化が起きていた。

 私の身体は胸が大きくなりウエストが絞られヒップが大きくなった。手足も美しいラインへと変わっていった、簡単に言えばデフォルメされた現代アートみたいなボディラインになっていた。そう不完全な人間の体形ではなくゼンタイ化された理想的なフォルムになったのだ。

 それは隆治も同じで、人間だった時の面影はなくなり理想的なボディラインを描いていたのだ! 私たち二人はゼンタイ人類に生まれ変わった! そして新たな規範意識に書き換えられていた。

 「それじゃあ、行く事にするか50201! 合流ポイントへ!」

 「はい! 180851!」

 その瞬間から私は50201に生まれ変わった! 私はこの地球上でおよそ五万番目にゼンタイ人類として生まれ変わった! 相手は私の新たなパートナーの18051だ!

 ゼンタイ化が完成した人間たちは静かな叛乱を起こしていた。政府や自衛隊の指示を無視し、ある一点を目指し始めたのだ。最初は武力を用いてでも制止しようとしたが、制止しようとした者たちもその列に合流していった。そして数十万人ものゼンタイ化人類の行進は誰も止められなくなっていった。

 数十時間後、私たちゼンタイ人類はとある町を占拠していた。どうやらゼンタイ化されなかった人たちは次々と逃げ出していた。その中には私と同じぐらいの男女も少なくなかったので、みんながみんなゼンタイ化されたわけではなかったようだ。

 町を埋め尽くしていたゼンタイ人類は、突然消失し始めたのだ! どうも別の空間へと移動し始めたようだ。それは何を意味するかは分からなかった。もしかするとアブダクション? それともノアの箱舟に転送されるの? その時は分からなかった。

 私は180851と抱き合っていた。彼の身体はスベスベしていて触り心地が最高だった! 私は彼と互いにスリスリし始めていた。それは昆虫が交尾しているかのような感覚だった。そして周囲のゼンタイ化人類も同調するかのように同じようにスリスリしていた。それは何のためかは明らかであった。

 次の瞬間、私はいずこかの空間へと送られて行った! そして・・・そのあとについては語ることはできない。ただ、一つ言えるのは全世界で数億人の人類がゼンタイ化したのち消失した後、この地球は未曽有の天変地異に見舞われたということだ。それが意味することは・・・・
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