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弐:朝起きてみたらゼンタイ姿のようになっていた件
5.ゼンタイ達の行進
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その被害者たちは私と同じように意志に反してゼンタイを着たかのような姿をしていた。服を羽織った者もいれば、何も着ていないものもいた。しかも体形が子供から大人までいるようだった。しかし変な事に気付いた。横には自衛隊員と思しき防護服を着た者がついていたが、その中に白髪交じりだったり腰が曲がったりした老人もいた。もしかするとであるが、ゼンタイ姿になったのは若年層だけなのかもしれなかった。
その時、テレビからはこのような放送が流れてきた。
「××市一帯が封鎖されている事態に対し、政府は体表が変化する奇病が蔓延していると発表しました。原因及び症状について詳しい事については調査中ですが、すぐに生命の危険にさらされるものではないということです。
政府対策本部は対象地域の住民は自宅待機を指示しています。また外に出た住民ですが、そのまま帰宅せずに避難所にむかってほしいとのことです」
そのゼンタイ達の行進は避難所に連れていかれているようだった。しかし、一体何が起きたというのだろうか? 私は昨夜の晩のことを思い出してみた。たしか夕暮れだったと思う。突如、暴風雨が吹き荒れ落雷のような爆音が複数回あった。その時、変な色彩の電光があたり一帯におきていたけど、まさかそれが原因なの?
私は自分の身体を見ようとしたけど、おかしい事に気付いた。パジャマを脱いで下着も脱いだ後は一切服を着ていない事に! いま、私は何も人間の服を着ていないんだと!
隆治が来るというのに何か着なくちゃ! デニムでも何でもいいからと服を手に取った時・・・身体が言う事を聞かなくなったのだ。そして心の中にこんなメッセージが流れてきたのだ。
”せっかく新人類に生まれ変わったのに元に戻ることはない!”
それってどういうことなの? 元の姿に戻してよ!
”汝は進化しつつあるのだ。卑しい地球人類なんぞ捨てよ!”
まさかこれって・・・エイリアンがゼンタイ姿にしたというのだろうか?
”まあ、そこんところは直に分る。それよりもやってくる男を受け入れろ!”
それってまさか隆治のことなの?
そんな変なコミュニケーションのやり取りのあと、ドアフォンがなった。隆治が来たようだった。もしかすると、隆治もゼンタイ姿になっているのだろうかと思い、チェーンをかけたままで覗いてみた。そこにいたのは冴えない男・隆治だった。
「隆治君、外は大変なの? こんな私の所でもいいんだったら入って!」
その時、私はいつも隆治に抱いている嫌悪感が消えていた。前日までだったら絶対玄関すら入れる事はあり得なかったというのに。隆治は入ってきていきなりこんなことを言い出した。
「玲ちゃん、俺ももうダメだと思うんだ。受け入れてくれないか?」
そういって隆治は目の前でズボンを降ろしてしまった!
その時、テレビからはこのような放送が流れてきた。
「××市一帯が封鎖されている事態に対し、政府は体表が変化する奇病が蔓延していると発表しました。原因及び症状について詳しい事については調査中ですが、すぐに生命の危険にさらされるものではないということです。
政府対策本部は対象地域の住民は自宅待機を指示しています。また外に出た住民ですが、そのまま帰宅せずに避難所にむかってほしいとのことです」
そのゼンタイ達の行進は避難所に連れていかれているようだった。しかし、一体何が起きたというのだろうか? 私は昨夜の晩のことを思い出してみた。たしか夕暮れだったと思う。突如、暴風雨が吹き荒れ落雷のような爆音が複数回あった。その時、変な色彩の電光があたり一帯におきていたけど、まさかそれが原因なの?
私は自分の身体を見ようとしたけど、おかしい事に気付いた。パジャマを脱いで下着も脱いだ後は一切服を着ていない事に! いま、私は何も人間の服を着ていないんだと!
隆治が来るというのに何か着なくちゃ! デニムでも何でもいいからと服を手に取った時・・・身体が言う事を聞かなくなったのだ。そして心の中にこんなメッセージが流れてきたのだ。
”せっかく新人類に生まれ変わったのに元に戻ることはない!”
それってどういうことなの? 元の姿に戻してよ!
”汝は進化しつつあるのだ。卑しい地球人類なんぞ捨てよ!”
まさかこれって・・・エイリアンがゼンタイ姿にしたというのだろうか?
”まあ、そこんところは直に分る。それよりもやってくる男を受け入れろ!”
それってまさか隆治のことなの?
そんな変なコミュニケーションのやり取りのあと、ドアフォンがなった。隆治が来たようだった。もしかすると、隆治もゼンタイ姿になっているのだろうかと思い、チェーンをかけたままで覗いてみた。そこにいたのは冴えない男・隆治だった。
「隆治君、外は大変なの? こんな私の所でもいいんだったら入って!」
その時、私はいつも隆治に抱いている嫌悪感が消えていた。前日までだったら絶対玄関すら入れる事はあり得なかったというのに。隆治は入ってきていきなりこんなことを言い出した。
「玲ちゃん、俺ももうダメだと思うんだ。受け入れてくれないか?」
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