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弐:朝起きてみたらゼンタイ姿のようになっていた件
3.綺麗なんだけど
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私は自分の身に何が起きているのか少しずつ理解してきた。原因は分からないけど寝ているうちに私の身体の表面はタイツ地のようなモノに覆われてという事だ。しかも手触りは布のようなのにべったりと私の皮膚に張り付いているのか皮膚が変化したかのようだった。
不思議なのは目鼻口の輪郭が薄っすらと見えているのにどおして全身隈なく覆われているのだと。その時ふと私の記憶の奥から変な事を思い出した。それは幼い時に見た特撮ヒーロー番組だった。
うちは女ばっかりだったので、男の子が見るようなヒーローものをみたことなかったけど、従兄弟たちが遊びに来た時見た事がしばしばあった。そのなかの戦闘員と今の自分の姿が似ていたのだ。
その番組の名は忘れたけど、なんとか戦隊なんとかレンジャーだったような気がする。そのなかでおじいさんが好んで見ていた時代劇の切られ役のように、主人公と思しきヒーローたちに立ち向かってバタバタやられてしまう戦闘員がいたけど、それらも顔ははっきりせず妙に身体にフィットした姿だった。それになんか変な憧れみたいなものを感じていたのだ。
その時の戦闘員と同じような姿に自分はなっているのだ。しかもシワなど一切存在しないほど密着している! 私は鏡を見たり自分の身体を触りながらなんとか脱げないかと探っていたけど、縫い目も存在しないしファスナーも存在しなかった。そのかわり何とも気持ちのようなモノに覆われているのだろうかと、感激みたいモノを感じていた。
その時、またスマホがかかって来た。それはさっき電話をくれた隆治だった。それは恐ろしい事を告げた。
「玲ちゃんが住んでいる町の住民は全て新種の伝染病に罹患したとして超法規的措置で隔離されるそうだよ。外出は絶対しないでくれとのことなんだ。で、悪いんだけど・・・」
「悪いって、なによ?」
「玲ちゃんの所に入れてもらえないかな。たまたまバイトがえりだったんだけど、封鎖ラインから出れなくなったんだ。なんかやばそうな人たちが検問にいるから恐ろしいんだ」
「お、恐ろしい?」
この隆治という男は酔っぱらったときに送ってもらった事があったけど、それ以外はなんにもない男だった。泊まらしたりしたこともないし、エッチは・・・関係などもったことなかった。
「すまん、頼む!」
「いいけど・・・」
私は困った声で訴える隆治の頼みをはねつける事が出来なかった。しかし正直に言わないといけなかった。
「わ、わたしはねえ戦闘員みたいなすがたになっているのよ! 移るかもしれないのよ!」
「せ、戦闘員? そんなの街にいっぱいいるからいいんだよ! 玲ちゃんの戦闘員姿見てみたいな!」
不思議なのは目鼻口の輪郭が薄っすらと見えているのにどおして全身隈なく覆われているのだと。その時ふと私の記憶の奥から変な事を思い出した。それは幼い時に見た特撮ヒーロー番組だった。
うちは女ばっかりだったので、男の子が見るようなヒーローものをみたことなかったけど、従兄弟たちが遊びに来た時見た事がしばしばあった。そのなかの戦闘員と今の自分の姿が似ていたのだ。
その番組の名は忘れたけど、なんとか戦隊なんとかレンジャーだったような気がする。そのなかでおじいさんが好んで見ていた時代劇の切られ役のように、主人公と思しきヒーローたちに立ち向かってバタバタやられてしまう戦闘員がいたけど、それらも顔ははっきりせず妙に身体にフィットした姿だった。それになんか変な憧れみたいなものを感じていたのだ。
その時の戦闘員と同じような姿に自分はなっているのだ。しかもシワなど一切存在しないほど密着している! 私は鏡を見たり自分の身体を触りながらなんとか脱げないかと探っていたけど、縫い目も存在しないしファスナーも存在しなかった。そのかわり何とも気持ちのようなモノに覆われているのだろうかと、感激みたいモノを感じていた。
その時、またスマホがかかって来た。それはさっき電話をくれた隆治だった。それは恐ろしい事を告げた。
「玲ちゃんが住んでいる町の住民は全て新種の伝染病に罹患したとして超法規的措置で隔離されるそうだよ。外出は絶対しないでくれとのことなんだ。で、悪いんだけど・・・」
「悪いって、なによ?」
「玲ちゃんの所に入れてもらえないかな。たまたまバイトがえりだったんだけど、封鎖ラインから出れなくなったんだ。なんかやばそうな人たちが検問にいるから恐ろしいんだ」
「お、恐ろしい?」
この隆治という男は酔っぱらったときに送ってもらった事があったけど、それ以外はなんにもない男だった。泊まらしたりしたこともないし、エッチは・・・関係などもったことなかった。
「すまん、頼む!」
「いいけど・・・」
私は困った声で訴える隆治の頼みをはねつける事が出来なかった。しかし正直に言わないといけなかった。
「わ、わたしはねえ戦闘員みたいなすがたになっているのよ! 移るかもしれないのよ!」
「せ、戦闘員? そんなの街にいっぱいいるからいいんだよ! 玲ちゃんの戦闘員姿見てみたいな!」
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