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弐:朝起きてみたらゼンタイ姿のようになっていた件
1.朝目覚めると!
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例えば事故かなんかで死んだり、ものすごい災害に遭遇したら気が付いたら記憶を保持したまま異世界に生まれ変わったり、ファンタジーな世界に転移したりするお話は数多い。でも、そんなことなど起きるはずないので半分安心、半分がっかりしていた。そんなある日それがおきてしまった・・・
朝、目が覚めると。いつものように電車の走行音が聞こえ、カラスのお世辞にも綺麗とは感じられない鳴き声が聞こえてくる。そして今日は日曜日、仕事のために早起きしなくてもいいので布団の中でまったりとした時間を過ごす、なんて贅沢な時間の使い方なんだと、小市民的な事を思っていたある日のことだった。
朝起きると全身が軽く拘束されているような気がした。これって軽い金縛りなのかな? と目覚めようとすると目が開きづらかった、いや開かなかったというのが正しいかもしれない。そのとき、枕元に置いている男友達の隆治からの着信音がしたの。それで寝ぼけた手を取ってなんとなく見ようとしたけど、変な事に気付いたの。あれ? 指がすべる!
それで焦っているとモノが見えるようになったけどなんとなく風景が赤く見えるし、しかも細かい網目模様がかかっているように見えたの。画面の隆治の文字もおかしくみえた。で、なんとか受信ができるととんでもないことを言い出した。
「なによ隆治くん。今日はなんにも約束していないじゃないのよ!」
「そうだけど、玲ちゃん大丈夫かと心配になったので電話してみたんだ。いま大変な騒ぎになっているんだ!」
「え?」
寝ぼけた私の頭には何にも違和感があるように感じなかった。でも、私の手の感触がおかしくなっているのが鈍感にも感じなかったからだ。
「落ち着いて聞いてほしい! そちらの住民がいま大変な事になっているそうなんだ。いま自衛隊や警察、それに赤十字までかけつけているんだ」
「え、なんで?」
「玲ちゃんが住んでいる町一帯が封鎖されそうになっているんだ。なんでも住民が人間の姿をしていないからだそうだ」
「え、なによそれ!」
「別に変わったことがなければいいんだが・・・とりあえず鏡を見てくれないか?」
「いいけど・・・」
私は起き上がったが、足がタイツを履いたようになっていた。あれ? 穿いていたかな?
いわれるままに洗面台の鏡をみると変な事になっていた、私の顔が真っ赤だった! しかも目口鼻が無くなっていた! わたしは絶句していた! それを察して隆治はこういった。
「どうやら君もそうなんだ・・・原因は分からないけど、そちらの住民が人間でなくなったような姿をしているそうだ・・・全身をタイツ地で覆われたような・・・」
わたしは状況を飲み込めなかったが、鏡に映る自分の姿は頭部がすっかりタイツ地に覆われていた・・・
朝、目が覚めると。いつものように電車の走行音が聞こえ、カラスのお世辞にも綺麗とは感じられない鳴き声が聞こえてくる。そして今日は日曜日、仕事のために早起きしなくてもいいので布団の中でまったりとした時間を過ごす、なんて贅沢な時間の使い方なんだと、小市民的な事を思っていたある日のことだった。
朝起きると全身が軽く拘束されているような気がした。これって軽い金縛りなのかな? と目覚めようとすると目が開きづらかった、いや開かなかったというのが正しいかもしれない。そのとき、枕元に置いている男友達の隆治からの着信音がしたの。それで寝ぼけた手を取ってなんとなく見ようとしたけど、変な事に気付いたの。あれ? 指がすべる!
それで焦っているとモノが見えるようになったけどなんとなく風景が赤く見えるし、しかも細かい網目模様がかかっているように見えたの。画面の隆治の文字もおかしくみえた。で、なんとか受信ができるととんでもないことを言い出した。
「なによ隆治くん。今日はなんにも約束していないじゃないのよ!」
「そうだけど、玲ちゃん大丈夫かと心配になったので電話してみたんだ。いま大変な騒ぎになっているんだ!」
「え?」
寝ぼけた私の頭には何にも違和感があるように感じなかった。でも、私の手の感触がおかしくなっているのが鈍感にも感じなかったからだ。
「落ち着いて聞いてほしい! そちらの住民がいま大変な事になっているそうなんだ。いま自衛隊や警察、それに赤十字までかけつけているんだ」
「え、なんで?」
「玲ちゃんが住んでいる町一帯が封鎖されそうになっているんだ。なんでも住民が人間の姿をしていないからだそうだ」
「え、なによそれ!」
「別に変わったことがなければいいんだが・・・とりあえず鏡を見てくれないか?」
「いいけど・・・」
私は起き上がったが、足がタイツを履いたようになっていた。あれ? 穿いていたかな?
いわれるままに洗面台の鏡をみると変な事になっていた、私の顔が真っ赤だった! しかも目口鼻が無くなっていた! わたしは絶句していた! それを察して隆治はこういった。
「どうやら君もそうなんだ・・・原因は分からないけど、そちらの住民が人間でなくなったような姿をしているそうだ・・・全身をタイツ地で覆われたような・・・」
わたしは状況を飲み込めなかったが、鏡に映る自分の姿は頭部がすっかりタイツ地に覆われていた・・・
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