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幼稚な正義感の名の下で
絶対絶命な危機!
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キャロルは学校では地味な存在になるように大人しくしていた。それは「恋愛対象にならないように」演じていたわけだ、ギャルソンという婚約者の存在がそうさせていたわけだ。
それはともかくキャロルが意識を取り戻したとき、自分の姿に驚いた。下着姿だったからだ。目の前にはガラの悪い男どもがいた。
「それにしても、なんなんだこの娘は? 地味なツマラナイ娘だと思って脱がしてみたら、かなりの上玉じゃないかよ? どうなっているんだ?」
男の一人がキャロルの身体をマジマジとみていた。キャロルは叫ぼうとしたが口には猿轡されていたし、両手両足も縛られ抵抗できない状態だった、
「決まっているだろう、赤い竜の血を引く娘なんだそうだ」
奥から出てきたのはガラの悪い男たちのリーダーのようだった。ひときわ体も大きくタバコや酒になんかの薬物の匂いがまとわりついて不快な雰囲気を纏っていた。
「赤い竜の血? あの話っておとぎ話でしょ? そんなはずないでしょ?」
明らかに下っ端の弱そうな男がしゃべっていた。するとリーダーらしい男は一喝した。
「どあほ! あの話は本当なんだ! お上がひた隠しているだけなんだ。それにこのキャロルって娘は現在いる最後の生娘なんだぞ! その生娘をモノにした男はありとあらゆる栄光を手にすることが出来るといわれているぞ!」
「でも、それって伝説でしょ! 人類が宇宙に行けるかもしれない時代なんですよ。そんな時代にそんな迷信めいた事があるとは信じられません」
「なら、確かめることだな。じゃあ、お前がやれ! この娘の初物をくれてやるからな!」
その会話を聞いてキャロルは察した。どうも私を襲うつもりだと。そして撮影するつもりだと。横には何台もカメラが置かれていた。撮影して何をするつもりなのかもわかった。よく似た光景をみたからだ。たしか映画「熟した果実」で見た場面と一緒だった。
その映画の場面はこうだった。主人公の妹が自分が横恋慕している男と一緒になりたいからと、その男の婚約者を陥れるために不良たちを使い襲う事を企てた。襲う場面をあたかも婚約者が不義密通をしているような写真に仕立てて婚約破棄させようとしたわけだ。結果として二人は別れたが、ひょんなことから悪事が露見し妹は破滅した。
この映画と一緒なら、このような事をするのはサブリナなんだろうなとキャロルは想像したが、いま絶体絶命の危機に瀕している方が問題だった。下着姿にされてやることなんか想像できない方がおかしかった。そう思うとキャロルは泣きだした。
「おい、おい、うれしいらしいぞ。ロストヴァージンできるのがよ! エッチだな! こいつは!」
リーダーの不快な笑みにキャロルは感情が爆発しそうだった。でも身体の自由が利かず何もできそうにないのがもどかしかった。これからキャロルは貞操を奪われようとしているようだった。もしくは奪われているように目の前の下っ端の男がキャロルにまたがるだけかもしれなかった。いずれにしてもキャロルは辱めを受けている場面を写真に撮られるようだった。
なんとかならないの? やめされることが出来ないの? 心が張り裂けようとしていたその時、キャロルの心の中にメッセージがイメージとして浮かんできた。
"汝、キャロル・オーガストよ。汝が愛する男じゃないのか? そうでない場合には能力をすぐ与えるぞ!”
キャロルは能力ってなんのことなのよと思った。
それはともかくキャロルが意識を取り戻したとき、自分の姿に驚いた。下着姿だったからだ。目の前にはガラの悪い男どもがいた。
「それにしても、なんなんだこの娘は? 地味なツマラナイ娘だと思って脱がしてみたら、かなりの上玉じゃないかよ? どうなっているんだ?」
男の一人がキャロルの身体をマジマジとみていた。キャロルは叫ぼうとしたが口には猿轡されていたし、両手両足も縛られ抵抗できない状態だった、
「決まっているだろう、赤い竜の血を引く娘なんだそうだ」
奥から出てきたのはガラの悪い男たちのリーダーのようだった。ひときわ体も大きくタバコや酒になんかの薬物の匂いがまとわりついて不快な雰囲気を纏っていた。
「赤い竜の血? あの話っておとぎ話でしょ? そんなはずないでしょ?」
明らかに下っ端の弱そうな男がしゃべっていた。するとリーダーらしい男は一喝した。
「どあほ! あの話は本当なんだ! お上がひた隠しているだけなんだ。それにこのキャロルって娘は現在いる最後の生娘なんだぞ! その生娘をモノにした男はありとあらゆる栄光を手にすることが出来るといわれているぞ!」
「でも、それって伝説でしょ! 人類が宇宙に行けるかもしれない時代なんですよ。そんな時代にそんな迷信めいた事があるとは信じられません」
「なら、確かめることだな。じゃあ、お前がやれ! この娘の初物をくれてやるからな!」
その会話を聞いてキャロルは察した。どうも私を襲うつもりだと。そして撮影するつもりだと。横には何台もカメラが置かれていた。撮影して何をするつもりなのかもわかった。よく似た光景をみたからだ。たしか映画「熟した果実」で見た場面と一緒だった。
その映画の場面はこうだった。主人公の妹が自分が横恋慕している男と一緒になりたいからと、その男の婚約者を陥れるために不良たちを使い襲う事を企てた。襲う場面をあたかも婚約者が不義密通をしているような写真に仕立てて婚約破棄させようとしたわけだ。結果として二人は別れたが、ひょんなことから悪事が露見し妹は破滅した。
この映画と一緒なら、このような事をするのはサブリナなんだろうなとキャロルは想像したが、いま絶体絶命の危機に瀕している方が問題だった。下着姿にされてやることなんか想像できない方がおかしかった。そう思うとキャロルは泣きだした。
「おい、おい、うれしいらしいぞ。ロストヴァージンできるのがよ! エッチだな! こいつは!」
リーダーの不快な笑みにキャロルは感情が爆発しそうだった。でも身体の自由が利かず何もできそうにないのがもどかしかった。これからキャロルは貞操を奪われようとしているようだった。もしくは奪われているように目の前の下っ端の男がキャロルにまたがるだけかもしれなかった。いずれにしてもキャロルは辱めを受けている場面を写真に撮られるようだった。
なんとかならないの? やめされることが出来ないの? 心が張り裂けようとしていたその時、キャロルの心の中にメッセージがイメージとして浮かんできた。
"汝、キャロル・オーガストよ。汝が愛する男じゃないのか? そうでない場合には能力をすぐ与えるぞ!”
キャロルは能力ってなんのことなのよと思った。
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