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王子の真実の愛の真実
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ハインリッヒは深い後悔をしていた。早いうちにキャサリンに対する処遇を変えていたら今日のような国家的災難は防げたはずだった。
キャサリンに全く婚約者としての情愛をヴィルヘルムが持っていなかったのは知っていたし、多くの貴族も同様だと理解していた。このまま結婚できる年齢まで経過したとしても真面な結婚は無理なのは明らかだった。その事実を把握した帝国によってトリニティ王国の国王に即位させよという意向が伝えられたのは一か月前のことだった。意向とはいえこの王国に拒否する力もなければ理由もなかった。
国王の秘密裡の指示によってキャサリンの処遇に関する折衝が関係国と行われ、妥結したのは建国記念祭の晩のことだった。その時定められたのはキャサリンとヴィルヘルムとの婚約解消と損失に対する補償に対するものだった。だから、ヴィルヘルムが婚約破棄していなくても婚約はなかったことになるはずだった。
しかしヴィルヘルムはホルストという野心家にそそのかれ、キャサリンを殺そうとしてしまった。しかも国王を殺害しようとしたとされた。もう最初の条件は実行できなくなっていた。そのため、王国にとって著しく不利な条件でキャサリンを送り出さなければならなくなった。
「お前、よくも俺らを逮捕しやがったな。何様のつもりなんだ!」
ヴィルヘルムは食って掛かったが、警備の者に取り押さえられた。
「何様もなにも、この王国の政をしているものです。国王陛下に一任されたのですよあなたたち二人の処遇を。それにしても愚かですね。婚約破棄しなくてもキャサリン様はこの国を去ることは決まっていたのですよ。それなのに、愚かな事を企てるもんだから・・・この国も終わりです!」
そういってハインリッヒは一枚の紙を差し出した。その紙には国璽が押印されており正式なものだった。
”ヴィルヘルムとジェーンの両名に対し次のように処遇する
二人を一切の権利を剥奪し王国から永遠に追放する。それにより一連の罪を恩赦するとする。また死去したのちも王国及び周辺三か国に戻ることを認めない。
以上 国王署名御璽”
「なんなんだ、それ?」
ヴィルヘルムには意味が分からなかった。
「簡単に言うと、この国から出て行ってもらいます。まあ、路銀(旅費)と職に就くまでの生活費に相当する金銭はお渡ししますが、我が国とキャサリン女王陛下に関係する国以外に移住してください。それで死刑を免れるというわけです。
そうでなくても、あなたたち二人はこの国におれませんよ。なんだってこの国の領土は三分割されてしまうのですから。この国は帝国の逆鱗に触れたので解体されるのですから」
ハインリッヒがそういうと、もう一枚の紙を差し出した。
”次の新しい月をもって我がフラマン王国は終止符を打つ。王家は帝国侯爵となる。三分割される地域の区割りは今後決定する。また詳細については逐次告知する”
「それって、まさか?」
「こんなことになったのは、どこかの色恋に狂った馬鹿な王太子のせいですよ。キャサリン様にもう少し尊敬していただけたらこんなことにならなかったのですよ。まあ戦争にならなかっただけでもよかったですが、和解の条件が領土分割で滅亡。それに抗する力などこの国にありませんからね。なんだってトリニティ王国の三分の一も国力がないのですからね」
ヴィルヘルムもジェーンも周辺諸国の事をあまり理解していなかった。自分の国が弱小国だったことに。しかもキャサリンの国よりも弱かったことを。自分たちの欲望の為に国が亡ぶという事実を。
「そ、そんな~」
ジェーンは命は助かったが、帰る国も家もなくなったことに落胆していた。ヴィルヘルムはなにもかも失ってしまったと落胆していた。
キャサリンに全く婚約者としての情愛をヴィルヘルムが持っていなかったのは知っていたし、多くの貴族も同様だと理解していた。このまま結婚できる年齢まで経過したとしても真面な結婚は無理なのは明らかだった。その事実を把握した帝国によってトリニティ王国の国王に即位させよという意向が伝えられたのは一か月前のことだった。意向とはいえこの王国に拒否する力もなければ理由もなかった。
国王の秘密裡の指示によってキャサリンの処遇に関する折衝が関係国と行われ、妥結したのは建国記念祭の晩のことだった。その時定められたのはキャサリンとヴィルヘルムとの婚約解消と損失に対する補償に対するものだった。だから、ヴィルヘルムが婚約破棄していなくても婚約はなかったことになるはずだった。
しかしヴィルヘルムはホルストという野心家にそそのかれ、キャサリンを殺そうとしてしまった。しかも国王を殺害しようとしたとされた。もう最初の条件は実行できなくなっていた。そのため、王国にとって著しく不利な条件でキャサリンを送り出さなければならなくなった。
「お前、よくも俺らを逮捕しやがったな。何様のつもりなんだ!」
ヴィルヘルムは食って掛かったが、警備の者に取り押さえられた。
「何様もなにも、この王国の政をしているものです。国王陛下に一任されたのですよあなたたち二人の処遇を。それにしても愚かですね。婚約破棄しなくてもキャサリン様はこの国を去ることは決まっていたのですよ。それなのに、愚かな事を企てるもんだから・・・この国も終わりです!」
そういってハインリッヒは一枚の紙を差し出した。その紙には国璽が押印されており正式なものだった。
”ヴィルヘルムとジェーンの両名に対し次のように処遇する
二人を一切の権利を剥奪し王国から永遠に追放する。それにより一連の罪を恩赦するとする。また死去したのちも王国及び周辺三か国に戻ることを認めない。
以上 国王署名御璽”
「なんなんだ、それ?」
ヴィルヘルムには意味が分からなかった。
「簡単に言うと、この国から出て行ってもらいます。まあ、路銀(旅費)と職に就くまでの生活費に相当する金銭はお渡ししますが、我が国とキャサリン女王陛下に関係する国以外に移住してください。それで死刑を免れるというわけです。
そうでなくても、あなたたち二人はこの国におれませんよ。なんだってこの国の領土は三分割されてしまうのですから。この国は帝国の逆鱗に触れたので解体されるのですから」
ハインリッヒがそういうと、もう一枚の紙を差し出した。
”次の新しい月をもって我がフラマン王国は終止符を打つ。王家は帝国侯爵となる。三分割される地域の区割りは今後決定する。また詳細については逐次告知する”
「それって、まさか?」
「こんなことになったのは、どこかの色恋に狂った馬鹿な王太子のせいですよ。キャサリン様にもう少し尊敬していただけたらこんなことにならなかったのですよ。まあ戦争にならなかっただけでもよかったですが、和解の条件が領土分割で滅亡。それに抗する力などこの国にありませんからね。なんだってトリニティ王国の三分の一も国力がないのですからね」
ヴィルヘルムもジェーンも周辺諸国の事をあまり理解していなかった。自分の国が弱小国だったことに。しかもキャサリンの国よりも弱かったことを。自分たちの欲望の為に国が亡ぶという事実を。
「そ、そんな~」
ジェーンは命は助かったが、帰る国も家もなくなったことに落胆していた。ヴィルヘルムはなにもかも失ってしまったと落胆していた。
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