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王子の真実の愛の真実
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キャサリンの命の火は消えようとしていた。昨夜開かれていた建国記念祭の会場から連れ出されたキャサリンは粗末な服に着替えさせられ北の刑場へとむかっていた。北の刑場にいけば国事犯としてキャサリンの肢体は引きちぎられるのだろう、でもその前に儀式があった。処女喪失の儀式だ。
昔からこの国では、処女の血で刑場が穢されると不吉な事が起きるとされていた、それを防ぐために誰かと契りしなければ処刑できないとされていた。
契りの相手は恋人に頼むことも出来るが、たいていは刑場の官吏が行うとされていた。貴族の場合は毒物接種による死刑が適用されるが、キャサリンは婚約者とともに王族の一員の称号も剥奪されたので、もう一般と同じように処刑されそうになっていた。
「どうせ殺されるのならこっそり娼館でも売り飛ばした方がいいんじゃねえんかよ」
キャサリンを護送する囚人用馬車の御者は不謹慎な事をいっていた。
「そうよな、殺されるぐらいなら・・・逃がしてやりたいな。でも仕方ないさ、あのバカ王子いや王太子に逆らえないしな。どうにかしたいなあ。そうだろう、そうだ。
キャサリン様。一層の事一緒に逃げませんか? 北の刑場からトリニティ王国まですぐですから。もしかすると向かい入れてくれるかもしれませんよ」
御者の横にいた下級の官吏らしい老人はそういった。
「お気持ちはうれしいですが、わたしはもうトリニティ王国の王女ではありません。この国の・・・婚約破棄されましたが王太子の婚約者です。そのままで人生を終わらせたいです」
キャサリンがそう言うと老人は涙を流した。
「あなたのように美しく信念のある方を刑場にお連れするのは忍びない。せめて・・・ゆっくり行きましょう。そういえば、あなたがこの国にお入りになった時もこの道を通られたのですよね。本当に、このままあなたが生まれたところまでお連れしたい」
そんな話が出来るのも囚人護送の馬車に警備の者がついていなかった。実は役目を担わされた近衛部隊が既に役目を放棄していた。あんなろくでなしの王太子の指示なんて・・・法による手続きなしでは出来ないというわけだ。
馬車は異常に遅く進むため、夜明け前に到着するはずなのにお日様が天空の真ん中手前に来る頃に北の刑場に到着した。そこには王太子一派のホルストの部下がしびれを切らせて待っていた。それもこれも法の手続きなしに極刑には出来ないので、無理やり刑場の役人を追い出したためだ。
そんなややこしい事をしたのは、キャサリンをどこかで殺したら罰せられるので、ヴィルヘルムが国王に就任してから遡及して合法的に極刑にしたことが出来るように、わざわざこのようにしたのであった。まさに錦の御旗に保護されるようにしようとしていたわけだ。
「遅いだろ! 早くしろ!」
キャサリンを引きずり下ろすと刑場につれていった。本来なら法に則って行うところを省略しようとしたわけだ。ただ省略しなかった儀式があった。そうキャサリンの貞操を奪うことを。
「えっとな、国家反逆罪の場合は四肢引き裂き刑だから、この女の両手両足と首を切断するわけだ。死刑執行人の奴は・・・しまった、一緒に追い出していた。しかたねえな俺らでやるか。書類は適当にごまかそう。その前に、お楽しみだな。この女…結構別嬪だな。殺すのもったいないがホルスト様のいいつけだからしかたねえな。せいぜい楽しませてもらうぞ」
ホルストの部下の男はキャサリンの両手両足と首に鉄枷をはめるとキャサリンの股を大きく開いた。そして着ている服を引き裂いた。そのときキャサリンは何かを叫ぼうとしたら、口の中に布を詰め込められてしまった。
「おっと、舌を切っていま死んでもらったら困るからな」
キャサリンは絶望のあまり涙をボロボロながしていた。辱めを受けた後はすぐ身体をバラバラにされるんだとわかったからだ。巨大な斧が五本用意されており、目の前のホルストの部下によって丸太でも切るようにされるんだと。
思えば、この国に来て十年間、義務感で生きてきたのは本当に何の意味があったんだろうか? こうやって国事犯としてバラバラにされ、そこらへんの荒野に棄てられるために生きてきたとおもうと、絶望しかなかった。
「その前に、この女処女なんだろ? 確かめないといけないな」
そういって男はキャサリンの秘部に指を突っ込んできた。もちろん、キャサリンはそんな経験はなかった。婚約者のヴィルヘルムは数多くの女と関係を持っていたのを考えると本当に不公平であった。それだけでもヴィルヘルムは不誠実だといえた。
「やっぱり、血を流しているな。さあ、さっさと犯しましょうか! 俺らが気持ちよくなったらさっさと始末してホルスト様にご褒美をもらいましょう」
男がキャサリンの身体にまたがり事に及ぼうとした時だ。周囲から数多くの馬の足音がしたかと思うと、目の前にまたがっていた男の首は無くなっていた。
「キャサリン様! 遅くなりまして申し訳ございませんでした! なんとか間に合ってよかったですが・・・おいたわしい!」
この時、ハインリッヒが遣わした近衛部隊がようやく間に合った。刑場にいたホルスト派は逃げる間もなく捕まるか殺されるかした。その中にさっきの囚人護送車にいた御者と老人もいた。
キャサリンは近衛兵にとりあえず上着を着せてもらったが、股から処女の血を流していた。こんなことになって悲しかったが、どうやら命は助かったんだとわかった。捕まった者の中にさっきの二人の姿を見つけるとこういった。
「こちらの二人さんを助けてください。命令で来ただけですから」
それからキャサリンは刑場そばにある教会で休むことになった。すると次から次へと数多くの人がやってきた。その中にはなぜかトリニティ王国から派遣された一団がいた。その一団はキャサリンの身体を綺麗にすると美しいドレスを纏わされた。
「これはいったい?」
キャサリンがきょとんとしていると、目の前にハインリッヒがいた。
「キャサリン様。我が国を代表してお詫びいたします。我が国は取り返しのつかないことをしてしまいました。もう、あなたはこの国を見捨ててかまいません。こちらの方々は、あなたを迎え入れるそうです。あなたはトリニティ王国の国王になるのですから!」。
ハインリッヒがそういうと後ろからうやうやしく王冠を持ってきた一団がいた。
「わたしはトリニティ王国を代表してお伝えします。さきほど枢密院で王位継承法が改正されました。また前国王があなたに譲位することに同意されました。あなたは陛下になられます。国王就任の宣誓をお願いします」
キャサリンはここで即位しろということだった。先ほどまで死刑囚だったのが国王すなわち女王になるというのは大逆転だった。なにが起きているのか分からなかったが、死ぬよりはましということであった。キャサリンが王冠を被ると、その場にいた者から大歓声があがった。
「女王陛下万歳! キャサリン女王陛下万歳!」
そのあと、キャサリンはそのままトリニティ王国へと向かった。一方、護送馬車の二人にはあとでトリニティ王国から高額の報奨金と勲章を贈られたが、それはわざと馬車の進行を遅らせ死刑執行できないようにしたお礼であった。一方、ホルスト派の一味はキャサリンが去った後で北の刑場で弑逆未遂罪で処刑されたという。
昔からこの国では、処女の血で刑場が穢されると不吉な事が起きるとされていた、それを防ぐために誰かと契りしなければ処刑できないとされていた。
契りの相手は恋人に頼むことも出来るが、たいていは刑場の官吏が行うとされていた。貴族の場合は毒物接種による死刑が適用されるが、キャサリンは婚約者とともに王族の一員の称号も剥奪されたので、もう一般と同じように処刑されそうになっていた。
「どうせ殺されるのならこっそり娼館でも売り飛ばした方がいいんじゃねえんかよ」
キャサリンを護送する囚人用馬車の御者は不謹慎な事をいっていた。
「そうよな、殺されるぐらいなら・・・逃がしてやりたいな。でも仕方ないさ、あのバカ王子いや王太子に逆らえないしな。どうにかしたいなあ。そうだろう、そうだ。
キャサリン様。一層の事一緒に逃げませんか? 北の刑場からトリニティ王国まですぐですから。もしかすると向かい入れてくれるかもしれませんよ」
御者の横にいた下級の官吏らしい老人はそういった。
「お気持ちはうれしいですが、わたしはもうトリニティ王国の王女ではありません。この国の・・・婚約破棄されましたが王太子の婚約者です。そのままで人生を終わらせたいです」
キャサリンがそう言うと老人は涙を流した。
「あなたのように美しく信念のある方を刑場にお連れするのは忍びない。せめて・・・ゆっくり行きましょう。そういえば、あなたがこの国にお入りになった時もこの道を通られたのですよね。本当に、このままあなたが生まれたところまでお連れしたい」
そんな話が出来るのも囚人護送の馬車に警備の者がついていなかった。実は役目を担わされた近衛部隊が既に役目を放棄していた。あんなろくでなしの王太子の指示なんて・・・法による手続きなしでは出来ないというわけだ。
馬車は異常に遅く進むため、夜明け前に到着するはずなのにお日様が天空の真ん中手前に来る頃に北の刑場に到着した。そこには王太子一派のホルストの部下がしびれを切らせて待っていた。それもこれも法の手続きなしに極刑には出来ないので、無理やり刑場の役人を追い出したためだ。
そんなややこしい事をしたのは、キャサリンをどこかで殺したら罰せられるので、ヴィルヘルムが国王に就任してから遡及して合法的に極刑にしたことが出来るように、わざわざこのようにしたのであった。まさに錦の御旗に保護されるようにしようとしていたわけだ。
「遅いだろ! 早くしろ!」
キャサリンを引きずり下ろすと刑場につれていった。本来なら法に則って行うところを省略しようとしたわけだ。ただ省略しなかった儀式があった。そうキャサリンの貞操を奪うことを。
「えっとな、国家反逆罪の場合は四肢引き裂き刑だから、この女の両手両足と首を切断するわけだ。死刑執行人の奴は・・・しまった、一緒に追い出していた。しかたねえな俺らでやるか。書類は適当にごまかそう。その前に、お楽しみだな。この女…結構別嬪だな。殺すのもったいないがホルスト様のいいつけだからしかたねえな。せいぜい楽しませてもらうぞ」
ホルストの部下の男はキャサリンの両手両足と首に鉄枷をはめるとキャサリンの股を大きく開いた。そして着ている服を引き裂いた。そのときキャサリンは何かを叫ぼうとしたら、口の中に布を詰め込められてしまった。
「おっと、舌を切っていま死んでもらったら困るからな」
キャサリンは絶望のあまり涙をボロボロながしていた。辱めを受けた後はすぐ身体をバラバラにされるんだとわかったからだ。巨大な斧が五本用意されており、目の前のホルストの部下によって丸太でも切るようにされるんだと。
思えば、この国に来て十年間、義務感で生きてきたのは本当に何の意味があったんだろうか? こうやって国事犯としてバラバラにされ、そこらへんの荒野に棄てられるために生きてきたとおもうと、絶望しかなかった。
「その前に、この女処女なんだろ? 確かめないといけないな」
そういって男はキャサリンの秘部に指を突っ込んできた。もちろん、キャサリンはそんな経験はなかった。婚約者のヴィルヘルムは数多くの女と関係を持っていたのを考えると本当に不公平であった。それだけでもヴィルヘルムは不誠実だといえた。
「やっぱり、血を流しているな。さあ、さっさと犯しましょうか! 俺らが気持ちよくなったらさっさと始末してホルスト様にご褒美をもらいましょう」
男がキャサリンの身体にまたがり事に及ぼうとした時だ。周囲から数多くの馬の足音がしたかと思うと、目の前にまたがっていた男の首は無くなっていた。
「キャサリン様! 遅くなりまして申し訳ございませんでした! なんとか間に合ってよかったですが・・・おいたわしい!」
この時、ハインリッヒが遣わした近衛部隊がようやく間に合った。刑場にいたホルスト派は逃げる間もなく捕まるか殺されるかした。その中にさっきの囚人護送車にいた御者と老人もいた。
キャサリンは近衛兵にとりあえず上着を着せてもらったが、股から処女の血を流していた。こんなことになって悲しかったが、どうやら命は助かったんだとわかった。捕まった者の中にさっきの二人の姿を見つけるとこういった。
「こちらの二人さんを助けてください。命令で来ただけですから」
それからキャサリンは刑場そばにある教会で休むことになった。すると次から次へと数多くの人がやってきた。その中にはなぜかトリニティ王国から派遣された一団がいた。その一団はキャサリンの身体を綺麗にすると美しいドレスを纏わされた。
「これはいったい?」
キャサリンがきょとんとしていると、目の前にハインリッヒがいた。
「キャサリン様。我が国を代表してお詫びいたします。我が国は取り返しのつかないことをしてしまいました。もう、あなたはこの国を見捨ててかまいません。こちらの方々は、あなたを迎え入れるそうです。あなたはトリニティ王国の国王になるのですから!」。
ハインリッヒがそういうと後ろからうやうやしく王冠を持ってきた一団がいた。
「わたしはトリニティ王国を代表してお伝えします。さきほど枢密院で王位継承法が改正されました。また前国王があなたに譲位することに同意されました。あなたは陛下になられます。国王就任の宣誓をお願いします」
キャサリンはここで即位しろということだった。先ほどまで死刑囚だったのが国王すなわち女王になるというのは大逆転だった。なにが起きているのか分からなかったが、死ぬよりはましということであった。キャサリンが王冠を被ると、その場にいた者から大歓声があがった。
「女王陛下万歳! キャサリン女王陛下万歳!」
そのあと、キャサリンはそのままトリニティ王国へと向かった。一方、護送馬車の二人にはあとでトリニティ王国から高額の報奨金と勲章を贈られたが、それはわざと馬車の進行を遅らせ死刑執行できないようにしたお礼であった。一方、ホルスト派の一味はキャサリンが去った後で北の刑場で弑逆未遂罪で処刑されたという。
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