転校してきてクラスメイトになったのが着ぐるみ美少女だった件について

第一章：転校生はお人形？

5.着ぐるみの内臓に萌え！

　俺は雛乃の中にいるのを想像してしまった。着ぐるみ美少女はテレビの深夜番組で見た事があった。そのなかでリポーターがインタビューしたんだけど、着ぐるみに中の人はいないという「設定」なので、しゃべることはなく筆談だった。そしてこんなことになった。

　「触ってもいいですか？」といってリポーターが抱きつくと、体格ががっちりしていたという。そして靴のサイズを聞くと「27センチ」だった！　そう男だった！

　そのあと、その内臓は着ぐるみのマスクを外すとモザイクと音声が変わり、着ぐるみのすばらしさを説き始めたんだけど・・・かなりショックだった。美少女の内臓が野郎とは！

　だから雛乃の内臓は先生たちが女だといっても信じられなかった。もしかすると男じゃないんかと想像してしまった。

　俺と同じ男が、全身タイツを着て女の子の洋服を着てマスクを被れば女に変身する。その姿は、このクラスにいる女子よりもかわいいんだ！　それなら内臓を見たくないと！　その一方で俺はこんなことを想像してしまった。

　雛乃の内臓になっているのは病弱な女の子でずっと寝たきりになっている薄幸な人生を変えるために、怪しげな研究に人身御供をしてしまい人形になってしまった。そして表情を変える事がない人形の中で悶えているんだと。きっと人形のなかで自分の身に起きている事に葛藤を抱えているんじゃないだろうかと。

　そんな風に雛乃の中にいる誰かがもがいているのを想像するだけで心の中で何か変な感情が溢れてくるのを感じていた。

　その日、雛乃のブラウスが何故か薄っすらに透けて見えるものがあった。それが分かった時俺の胸はドキドキしていた。ブラジャーの紐だったから。雛乃は着ぐるみになるための肌タイのような体表の上は透けて見えたのだ！　それで他の女子のもみたけど、雛乃に勝る女はいなかった。彼女が一番魅惑的に見えたのだ！　俺は雛乃に萌えの感情を抱いた瞬間だった。