拉致されて生体装甲を纏わされた少女！

（４）演習編！

４－５

　どうもこのパーティーに参加している三人は「鋼夜叉」の優秀なプレイヤーでも違う媒体を用いていたようだ。リンダとリンメイはオンライン版でわたしはゲームセンター版だ。大きな違いはわたしは真のエンディングを全く知らない事だ。わたしの場合は、お金と時間が許される範囲でしかプレイしていなかったので、どこまで行けばハッピーエンディングなんだろうか？　ゲームはオーバーしても現実に戻ればいいけど、ここでゲームオーバーになると死ぬのか？　それさえも知らされていなかった。

「じゃあ、ゆきますか！　オープニングは一緒よね！」
　
　わたしははりきったが、ほかの二人の反応は・・・わからなかった。生体装甲で隠れているから。

　「そうだけど、オンライン回線は音声だけなの？　なんか機能が必要な気がする」

　リンメイがそういうとリンダはこう指摘してきた。

　「そうよ！　互いのパラメーターが表示されていないわよ！　どうすれば表示されるのよ！」

　「そうなの？　わたしってアーケード版しかしていないから、いつも全国のランキングしか興味なかったから」

　「ランキング？　するとあなたって途中のポイントって気にしてこなかった・・・わけ？」

　「そう！　あんまりゲームオーバーにならなかったから」

　「そんなに強かったの？」

　「そうよ！」

　「そうなんだ・・・ということは、ひょっとしてこんな気色悪い生体装甲を纏わされて嬉しいの？」

　「正直・・・うれしいかも」

　「そお・・・なんか選ばれた理由が分かったような気がする！」

　二人からわたしは呆れてしまったようだ。わたしは、パワードスーツってこんな風に暴れるのだ、楽しいとしか思っていなかった。だから本望かもしれなかった。

　「それよりも、スタートよ！　久美！　ポイントを稼ぎまくって！」

　要塞の扉を開け中庭に出ると、そこには物凄い雑魚キャラであるクローン戦闘員の群れがいた！