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023号
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023号の「中身」は人間であるだが、呼吸しているのを意識できないし、全ての感覚が電気信号として認識している。それに「記憶」は美樹のものだ。しかし、意識の中に自分がロボットと書き込まれるのを認識した。
「改造素体は・・・機密! 素材は合成骨格および合成筋肉で構成、基本形は女性型。人間としてのパーソナルはオーナーの纐纈裕爾様以外の人間の前で再現禁止・・・なんですか、これ?」
023号は焦っていた。頭部に設置されたスピーカーで人工音声がそういったから。
「それは、これから君は人造人間となったからだ。元の君の体を使って人造人間にしたのだ。君も知っているかもしれないが、産業用のロボットというわけだ。これから君は学園都市に潜入するわけだ」
意味の分からない事をいわれ、「中身」は焦っていたが、023号はお構いなかった。ただ了解といった。
「それでよし! これから出荷するから電源をオフに。そうそう、美樹君。最後に言っておくが、成功したら約束は守ってやるし、必要なサポートは023号のAIがしてくれるから。でも、失敗して君と023号が破壊もしくは改造されても、我々は一切関知しないから。悪く思わないでくれ」
いきなりロボットにされたことについて説明がほとんどないまま、あとは知らないなんて無責任! と思ったが、意識がなくなっていった。これって夢なの?・・・美樹は美樹としての存在が消えていった。
動かなくなった023号は輸送コンテナに入れられ、潜入先となる学園都市に発送された。その様子を見ていた纐纈は少しほっとした表情を浮かべたが、すぐいつもの気難しい顔つきに戻った。その後ろにはもう一人男がいた。
「先生! わざわざこんなことしなくても。個人資産から出したと言われてもまずいですし、それに危険ですよ! 政府の特命組織を敵に回すなんて! お命が危ないです!」
「だからこそ、彼女に頼んだんだ。彼女にとっても悪い話じゃないしな。目的の一部でも達成できるのを祈ろうじゃなきか」
そういって纐纈はその男に後は頼むといって部屋を出ていった。残された男はつぶやいた。先生も人が悪すぎます、と。
「改造素体は・・・機密! 素材は合成骨格および合成筋肉で構成、基本形は女性型。人間としてのパーソナルはオーナーの纐纈裕爾様以外の人間の前で再現禁止・・・なんですか、これ?」
023号は焦っていた。頭部に設置されたスピーカーで人工音声がそういったから。
「それは、これから君は人造人間となったからだ。元の君の体を使って人造人間にしたのだ。君も知っているかもしれないが、産業用のロボットというわけだ。これから君は学園都市に潜入するわけだ」
意味の分からない事をいわれ、「中身」は焦っていたが、023号はお構いなかった。ただ了解といった。
「それでよし! これから出荷するから電源をオフに。そうそう、美樹君。最後に言っておくが、成功したら約束は守ってやるし、必要なサポートは023号のAIがしてくれるから。でも、失敗して君と023号が破壊もしくは改造されても、我々は一切関知しないから。悪く思わないでくれ」
いきなりロボットにされたことについて説明がほとんどないまま、あとは知らないなんて無責任! と思ったが、意識がなくなっていった。これって夢なの?・・・美樹は美樹としての存在が消えていった。
動かなくなった023号は輸送コンテナに入れられ、潜入先となる学園都市に発送された。その様子を見ていた纐纈は少しほっとした表情を浮かべたが、すぐいつもの気難しい顔つきに戻った。その後ろにはもう一人男がいた。
「先生! わざわざこんなことしなくても。個人資産から出したと言われてもまずいですし、それに危険ですよ! 政府の特命組織を敵に回すなんて! お命が危ないです!」
「だからこそ、彼女に頼んだんだ。彼女にとっても悪い話じゃないしな。目的の一部でも達成できるのを祈ろうじゃなきか」
そういって纐纈はその男に後は頼むといって部屋を出ていった。残された男はつぶやいた。先生も人が悪すぎます、と。
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