処刑された女子少年死刑囚はガイノイドとして冤罪をはらすように命じられた

ジャン・幸田

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目覚め(1)

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 美樹は捕まった日より三日前から記憶はなかった。でも、様々な証言や防犯画像の映像によれば、美樹が大量殺人を犯していたのは間違いないということだ。長尺な剣を振り回して通行人達を殺戮したのだと。被害者は死者6人、重軽傷者15人だと。捕まったのは犯行から2時間半経過していたという。


 美樹が目を覚ました時、その長尺な剣はなかったが、刺し身包丁を持っていて、血糊と脂で穢れていた。それを持っていたけど・・・全く見覚えがなかった。だから別の人がなりすましてやったと主張したけど、受け入れてもらえなかった。着ていた制服は血まみれだったし、自身も怪我していたけど、全て被害者による反撃によるものとされた。全て有罪と認定される証拠になった。


 裁判は本当に早かった。一審は事件から1ヶ月後に行われ、裁判員裁判は行われることもなく、二審も三審も書類のみの判断だった。特に最高裁の上告棄却は知らされることもなく、確定から六ヶ月以内に死刑は執行されないと行けないということで、逮捕されてから一年もしないうちに処刑の日を迎えていた。そんな美樹の願いは、処刑されて次に目覚めるときは異世界転生でもできていたらいいと思っていた。


 この世界で誰も信じてもらえないのなら、異世界で別の人生を歩みたいと思っていた。そんな美樹は目覚めの時を迎えようとしていた。
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