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第310話 機動戦士ガンダムSEED DESTINY(2004-05年)
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さて、今回からは前回までの『SEED』の続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』について語りたいと思います。以下、今まで同様に『DESTINY』と略記します。本作は初回放送時に全話視聴しています。
本作は非常に評価の分かれる作品です。商業的には成功作と言えるでしょう。その一方で作品内容については賛否両論毀誉褒貶があります。私は、本作については駄作だとか失敗作だという風には見ていません。ただ、非常に問題がある作品ではあると思っています。そういう意味で正しく「問題作」と言えるのではないかと思います。
一番の問題は「主人公は誰か?」ということです。私は本作は「アーク・ザ・ラッド現象」を起こしていると考えています。これは私がプレイステーション初期の代表的RPG『アーク・ザ・ラッド』から名付けました。
無印『アーク・ザ・ラッド』の主人公はタイトルどおり少年「アーク」でした。ところが、そのストーリーが中途半端な所で終わってしまい、続きが期待されていたところを長く待たせたあとで出た続編『アーク・ザ・ラッド2』の初期主人公はアークではなく「エルク」という少年で、アークはむしろ「お尋ね者」として登場していたんです。それなのに、中盤になってそのアークが仲間に入ると、主人公はアークになってしまい、それまで主人公だったエルクは一介の脇役ポジションに落ちてしまうんです。ダブル主人公まで行っていないという。
Wikiなどを読んだところでは、本作の主人公について、福田監督は「シン、キラ、アスランの三人」の視点から描こうとしたという意図を語っているそうです。しかし、実際の作品から見ると、私は後半の主人公は前作主人公のキラになっており、本作の初期主人公であったシン・アスカはライバルポジションの脇役に落ちているように思えます。ダブル主人公とかトリプル主人公まで行ってないという。
ただ、シンが主人公だと考えると、主人公が死にこそしないもののラスボスに洗脳されたまま(というか心服したまま)でライバルに負けて終わりという、ある意味凄すぎる終わり方をするアニメだったりします(笑)。
この点については、キャラ編と総括で詳しく語りたいと思いますので、まずは主役ロボについて語りたいと思います。と言っても、誰が主人公かで主役ロボが変わってくるのですが(笑)、一号主役ロボは明確に「インパルスガンダム」でしょう。例によって「ガンダム」は勝手にそう呼ばれてるだけで正式名称は「インパルス」です。
これが、ガンダムとしては非常に正統的な、「コア・スプレンダー」という名前のコア・ファイターを中心にAパーツ「チェストフライヤー」とBパーツ「レッグフライヤー」が合体してMSになるという合体ロボだったりします。名前のとおりチェストフライヤーもレッグフライヤーも飛行可能です。これに更に、前作『SEED』の一号主役ロボであるストライクのストライカーパックと同じような装備換装システム「シルエットシステム」が搭載されており、前作のスカイグラスパーにあたるような輸送機「シルエットフライヤー」(ただし無人機)もついています。
そして、面白いギミックとしてはビームによるエネルギー補充があります。本機は軍縮条約で核動力搭載機の保有が禁止されたので、ニュートロンジャマーキャンセラーによる核動力搭載は行われていません。その代わり、母艦「ミネルバ」から発射される「デュートリオンビーム」を額に受けることでエネルギー補充ができるんです。
最初にこのギミックを見たときには「それ何てウルトラセブン?」とか思ったものです(笑)。『ウルトラセブン』の第39~40話でガッツ星人に敗れて磔にされたセブンの額のビームランプに地底戦車マグマライザーから発射したビームでエネルギーを補充して復活させるという展開は昭和特撮ファンなら誰でも知ってるネタでしょう(笑)。
分離合体ギミックについては、実のところ毎回の合体バンクシーンでしか機能しておらず、中盤までは「これ合体する意味無いんじゃね?」とか思っていました。
ところが第18話「ローエングリンを撃て」において、合体した状態だと飛び抜けられない狭い洞窟を分離状態で飛行しながら突破して敵の大型ビーム砲に奇襲をかけるという作戦が行われ、初めて分離できる意味があることが示されたという。
ちなみに、本編視聴時にこの作戦を最初に聞いたときに「『オペレーション・タイトロープ』かよ!」って大笑いしたんですよ(笑)。名作空戦漫画『エリア88』で上下左右が機体幅より僅かしか広くない渓谷の中を飛び抜けて奇襲をかけるって作戦がありましてね。その作戦名が「オペレーション・タイトロープ」なんです。別名「フラメンコ・サヴァイヴァー」。今回ググってみたら、やっぱり「オペレーションタイトロープのオマージュ」みたいな評が多かったですね。
なお、チェストフライヤーやレッグフライヤーは予備パーツがあるので、Vガンダムみたく上半身ミサイルとかもできます。第35話では、そういったなりふり構わない戦法まで使って、前作の二号主役ロボであるフリーダムを倒しているんですね。
シンが二号主役ロボ(?)の「デスティニーガンダム」(以下「デスティニー」と表記)に乗り換えたあとは、シンのヒロインにあたるルナマリア・ホークが搭乗し、最終決戦で中破して戦闘不能になるものの一応最後まで生き残りました。
何気に歴代ガンダムのギミックを結構受け継いでいて、なかなか面白い機体なので、私は結構好きですね。
次回はそのデスティニーほかのガンダムについて語りたいと思います。
本作は非常に評価の分かれる作品です。商業的には成功作と言えるでしょう。その一方で作品内容については賛否両論毀誉褒貶があります。私は、本作については駄作だとか失敗作だという風には見ていません。ただ、非常に問題がある作品ではあると思っています。そういう意味で正しく「問題作」と言えるのではないかと思います。
一番の問題は「主人公は誰か?」ということです。私は本作は「アーク・ザ・ラッド現象」を起こしていると考えています。これは私がプレイステーション初期の代表的RPG『アーク・ザ・ラッド』から名付けました。
無印『アーク・ザ・ラッド』の主人公はタイトルどおり少年「アーク」でした。ところが、そのストーリーが中途半端な所で終わってしまい、続きが期待されていたところを長く待たせたあとで出た続編『アーク・ザ・ラッド2』の初期主人公はアークではなく「エルク」という少年で、アークはむしろ「お尋ね者」として登場していたんです。それなのに、中盤になってそのアークが仲間に入ると、主人公はアークになってしまい、それまで主人公だったエルクは一介の脇役ポジションに落ちてしまうんです。ダブル主人公まで行っていないという。
Wikiなどを読んだところでは、本作の主人公について、福田監督は「シン、キラ、アスランの三人」の視点から描こうとしたという意図を語っているそうです。しかし、実際の作品から見ると、私は後半の主人公は前作主人公のキラになっており、本作の初期主人公であったシン・アスカはライバルポジションの脇役に落ちているように思えます。ダブル主人公とかトリプル主人公まで行ってないという。
ただ、シンが主人公だと考えると、主人公が死にこそしないもののラスボスに洗脳されたまま(というか心服したまま)でライバルに負けて終わりという、ある意味凄すぎる終わり方をするアニメだったりします(笑)。
この点については、キャラ編と総括で詳しく語りたいと思いますので、まずは主役ロボについて語りたいと思います。と言っても、誰が主人公かで主役ロボが変わってくるのですが(笑)、一号主役ロボは明確に「インパルスガンダム」でしょう。例によって「ガンダム」は勝手にそう呼ばれてるだけで正式名称は「インパルス」です。
これが、ガンダムとしては非常に正統的な、「コア・スプレンダー」という名前のコア・ファイターを中心にAパーツ「チェストフライヤー」とBパーツ「レッグフライヤー」が合体してMSになるという合体ロボだったりします。名前のとおりチェストフライヤーもレッグフライヤーも飛行可能です。これに更に、前作『SEED』の一号主役ロボであるストライクのストライカーパックと同じような装備換装システム「シルエットシステム」が搭載されており、前作のスカイグラスパーにあたるような輸送機「シルエットフライヤー」(ただし無人機)もついています。
そして、面白いギミックとしてはビームによるエネルギー補充があります。本機は軍縮条約で核動力搭載機の保有が禁止されたので、ニュートロンジャマーキャンセラーによる核動力搭載は行われていません。その代わり、母艦「ミネルバ」から発射される「デュートリオンビーム」を額に受けることでエネルギー補充ができるんです。
最初にこのギミックを見たときには「それ何てウルトラセブン?」とか思ったものです(笑)。『ウルトラセブン』の第39~40話でガッツ星人に敗れて磔にされたセブンの額のビームランプに地底戦車マグマライザーから発射したビームでエネルギーを補充して復活させるという展開は昭和特撮ファンなら誰でも知ってるネタでしょう(笑)。
分離合体ギミックについては、実のところ毎回の合体バンクシーンでしか機能しておらず、中盤までは「これ合体する意味無いんじゃね?」とか思っていました。
ところが第18話「ローエングリンを撃て」において、合体した状態だと飛び抜けられない狭い洞窟を分離状態で飛行しながら突破して敵の大型ビーム砲に奇襲をかけるという作戦が行われ、初めて分離できる意味があることが示されたという。
ちなみに、本編視聴時にこの作戦を最初に聞いたときに「『オペレーション・タイトロープ』かよ!」って大笑いしたんですよ(笑)。名作空戦漫画『エリア88』で上下左右が機体幅より僅かしか広くない渓谷の中を飛び抜けて奇襲をかけるって作戦がありましてね。その作戦名が「オペレーション・タイトロープ」なんです。別名「フラメンコ・サヴァイヴァー」。今回ググってみたら、やっぱり「オペレーションタイトロープのオマージュ」みたいな評が多かったですね。
なお、チェストフライヤーやレッグフライヤーは予備パーツがあるので、Vガンダムみたく上半身ミサイルとかもできます。第35話では、そういったなりふり構わない戦法まで使って、前作の二号主役ロボであるフリーダムを倒しているんですね。
シンが二号主役ロボ(?)の「デスティニーガンダム」(以下「デスティニー」と表記)に乗り換えたあとは、シンのヒロインにあたるルナマリア・ホークが搭乗し、最終決戦で中破して戦闘不能になるものの一応最後まで生き残りました。
何気に歴代ガンダムのギミックを結構受け継いでいて、なかなか面白い機体なので、私は結構好きですね。
次回はそのデスティニーほかのガンダムについて語りたいと思います。
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