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第296話 勇者王ガオガイガーFINAL その4 イマイチな悪役たち
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さて『FINAL』語りも四回目、そろそろ締めにかかりたいと思います。
本作で一番気になったのは、悪役の「ポッと出感」なんですよ。
第1話の悪役は犯罪組織「バイオネット」の幹部ギムレット。これが、外伝の小説とかを読んでいたら詳しく書いてあるのですが、アニメしか見てないと凄くポッと出感があるんですよ。ただまあ、「悪い奴」であることや、ルネたちと悪縁があることあたりはわかるので、第1話でガオファイガーの引き立て役になるには丁度良い手合ではあったりするのですが。演じているのが名優青野武というのもあって引き立て役としては良い味を出していました。ただ、どう考えても強敵ではない(笑)。
そして、本作の真の悪役として活躍するのが「ソール11遊星種」という十一人組だったりするのですが、こいつらのうち半分以上は個性がありません(笑)。頭数だけです。だったら「ソール6大遊星種」とかで良かったんじゃないかとか思ったり(笑)。まあ、世の中頭数合わせってヤツは多いんで、登場した瞬間に切られて死んでた魍鬼八大将軍(※)みたいなのも居たりしますが(笑)。
※『マル勝ファミコン』誌で連載されていた漫画『魍魎戦記MADARA』に登場。
こいつらは、強さについては問題ないのですよ。最後まで勇者たちを悪戦苦闘させて激闘を繰り広げます。
ただ、いかんせん、やっぱり「ポッと出」感が甚だしい。そして何より一番の問題は「お前らゾンダーが暴れてるときに何をやっていたんだ」と思ってしまう所なんですね。
目的は「三重連太陽系の復活」なんですが、復活の前にそもそもゾンダーに滅ぼされるのを何とかできなかったのかと。
ただ、これは今回Wikiで設定を読んだら、滅亡の原因ってゾンダーじゃなくて別に「宇宙の終焉」ってのがあって、それを回避するためにほかの宇宙から暗黒物質とかを集めていたらしいというのはありました。
このあたり、作中の設定だと微妙にわかりにくいんですよ。復活のためにほかの宇宙の暗黒物質を集めてたってところはわかるんですが、その理由がゾンダーに滅ぼされた三重連太陽系の復活用だとしか思えなかったという。
また、今回Wikiを見てみたら、そもそもソール11遊星種のうち本体のピサ・ソール以外もゾンダーが三重連太陽系を機械昇華した際に消滅してて、それ以外は複製だって書いてあったんですよ。
えーっ、こいつら実は一度ゾンダーに負けてたの!?
まあ、そう考えるとゾンダーに滅ぼされるのは「何ともできなかった」んでしょう。ポッと出感があるのもやむを得ないかなとは思うのですが、本編見てるときにはこの設定を知らなかったので「こいつら何で今更出てくるんだよ」感が凄くあったんですよね。
このあたり、作中で設定をしっかり説明しないと悪役としての印象が変わっちゃうかなとは思います。ただ、説明してたらしてたで、今度は「こいつら一度ゾンダーには負けてるんだよな」ってことになって、悪役としての強敵感がどうしても薄れてしまうことになるんで、痛し痒しではありますが。
そう考えると、この設定が作中で開示されてないのは「強敵感を維持する」ためにわざと行ったことなのかもしれません。
ただ、いずれにせよ何というか、ゾンダーに比べると「陰で暗躍してる」感が強いんですよね。偽者を作って戦わせるという戦法を多用しているというのもあるんですが、ゾンダーに比べて「卑怯」な印象が強いという。
このあたり、どうしても前作のゾンダーと比較しちゃうんですよ。それだけゾンダーが存在感があったということなのかもしれませんが。
ゾンダーって、機械生命体としてのロジックがしっかりしていたんですよね。「心弱き者ども」を機界昇華によって「完全なる存在」へと導こうという悪役としての論理がしっかりと立っていた。
それに比べるとソール11遊星種の目的って、三重連太陽系の復活でしかないという。GGGがそれを阻止しようとする理由って、単に地球の周囲の暗黒物質も持って行かれて地球が危ないというだけのことでしかないんですよ。もしソール11遊星種が地球の宇宙の暗黒物質を諦めて、ほかの宇宙から持っていこうと方針を転換するのなら、GGGが敵対する理由も無くなるという。
やっぱり、ゾンダーに比べると悪役としての格が低い気がするんですよね。
個別のキャラで言うと、パルパレーパとかはかなりキャラが立っていて、決して駄目な悪役ってワケではないんですよ。
※ここ、何と十九年間「パルパレータ」と勘違いしてました。作中での発音でそう聞こえたのを、エンディングのキャスト表示とかで確認しないで、そのままにしてたんですね。「なろう」の感想でご指摘いただいたタムケン様ありがとうございました。
ただ、やっぱり何かイマイチ感はあるんですよね。
そこが『FINAL』の弱い点なのかなとは思えてしまうんです。
最後に総評しますと、本作は『ガオガイガー』の続編として、決してつまらないわけではありませんでした。ただ、前作が面白すぎた。作画レベルなんかは完全に前作を上回っているのですが、それでも総合的な評価で言えば前作には及ばない。そういう「よくある続編」で終わってしまっているのかなという感はあります。
やっぱり、名作の続編を作るのは難しいものなんですよね。
さて、次回はこの時期にあえて王道スーパーロボットをTVで復活させてみた『無敵王トライゼノン』に行ってみましょう!
本作で一番気になったのは、悪役の「ポッと出感」なんですよ。
第1話の悪役は犯罪組織「バイオネット」の幹部ギムレット。これが、外伝の小説とかを読んでいたら詳しく書いてあるのですが、アニメしか見てないと凄くポッと出感があるんですよ。ただまあ、「悪い奴」であることや、ルネたちと悪縁があることあたりはわかるので、第1話でガオファイガーの引き立て役になるには丁度良い手合ではあったりするのですが。演じているのが名優青野武というのもあって引き立て役としては良い味を出していました。ただ、どう考えても強敵ではない(笑)。
そして、本作の真の悪役として活躍するのが「ソール11遊星種」という十一人組だったりするのですが、こいつらのうち半分以上は個性がありません(笑)。頭数だけです。だったら「ソール6大遊星種」とかで良かったんじゃないかとか思ったり(笑)。まあ、世の中頭数合わせってヤツは多いんで、登場した瞬間に切られて死んでた魍鬼八大将軍(※)みたいなのも居たりしますが(笑)。
※『マル勝ファミコン』誌で連載されていた漫画『魍魎戦記MADARA』に登場。
こいつらは、強さについては問題ないのですよ。最後まで勇者たちを悪戦苦闘させて激闘を繰り広げます。
ただ、いかんせん、やっぱり「ポッと出」感が甚だしい。そして何より一番の問題は「お前らゾンダーが暴れてるときに何をやっていたんだ」と思ってしまう所なんですね。
目的は「三重連太陽系の復活」なんですが、復活の前にそもそもゾンダーに滅ぼされるのを何とかできなかったのかと。
ただ、これは今回Wikiで設定を読んだら、滅亡の原因ってゾンダーじゃなくて別に「宇宙の終焉」ってのがあって、それを回避するためにほかの宇宙から暗黒物質とかを集めていたらしいというのはありました。
このあたり、作中の設定だと微妙にわかりにくいんですよ。復活のためにほかの宇宙の暗黒物質を集めてたってところはわかるんですが、その理由がゾンダーに滅ぼされた三重連太陽系の復活用だとしか思えなかったという。
また、今回Wikiを見てみたら、そもそもソール11遊星種のうち本体のピサ・ソール以外もゾンダーが三重連太陽系を機械昇華した際に消滅してて、それ以外は複製だって書いてあったんですよ。
えーっ、こいつら実は一度ゾンダーに負けてたの!?
まあ、そう考えるとゾンダーに滅ぼされるのは「何ともできなかった」んでしょう。ポッと出感があるのもやむを得ないかなとは思うのですが、本編見てるときにはこの設定を知らなかったので「こいつら何で今更出てくるんだよ」感が凄くあったんですよね。
このあたり、作中で設定をしっかり説明しないと悪役としての印象が変わっちゃうかなとは思います。ただ、説明してたらしてたで、今度は「こいつら一度ゾンダーには負けてるんだよな」ってことになって、悪役としての強敵感がどうしても薄れてしまうことになるんで、痛し痒しではありますが。
そう考えると、この設定が作中で開示されてないのは「強敵感を維持する」ためにわざと行ったことなのかもしれません。
ただ、いずれにせよ何というか、ゾンダーに比べると「陰で暗躍してる」感が強いんですよね。偽者を作って戦わせるという戦法を多用しているというのもあるんですが、ゾンダーに比べて「卑怯」な印象が強いという。
このあたり、どうしても前作のゾンダーと比較しちゃうんですよ。それだけゾンダーが存在感があったということなのかもしれませんが。
ゾンダーって、機械生命体としてのロジックがしっかりしていたんですよね。「心弱き者ども」を機界昇華によって「完全なる存在」へと導こうという悪役としての論理がしっかりと立っていた。
それに比べるとソール11遊星種の目的って、三重連太陽系の復活でしかないという。GGGがそれを阻止しようとする理由って、単に地球の周囲の暗黒物質も持って行かれて地球が危ないというだけのことでしかないんですよ。もしソール11遊星種が地球の宇宙の暗黒物質を諦めて、ほかの宇宙から持っていこうと方針を転換するのなら、GGGが敵対する理由も無くなるという。
やっぱり、ゾンダーに比べると悪役としての格が低い気がするんですよね。
個別のキャラで言うと、パルパレーパとかはかなりキャラが立っていて、決して駄目な悪役ってワケではないんですよ。
※ここ、何と十九年間「パルパレータ」と勘違いしてました。作中での発音でそう聞こえたのを、エンディングのキャスト表示とかで確認しないで、そのままにしてたんですね。「なろう」の感想でご指摘いただいたタムケン様ありがとうございました。
ただ、やっぱり何かイマイチ感はあるんですよね。
そこが『FINAL』の弱い点なのかなとは思えてしまうんです。
最後に総評しますと、本作は『ガオガイガー』の続編として、決してつまらないわけではありませんでした。ただ、前作が面白すぎた。作画レベルなんかは完全に前作を上回っているのですが、それでも総合的な評価で言えば前作には及ばない。そういう「よくある続編」で終わってしまっているのかなという感はあります。
やっぱり、名作の続編を作るのは難しいものなんですよね。
さて、次回はこの時期にあえて王道スーパーロボットをTVで復活させてみた『無敵王トライゼノン』に行ってみましょう!
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