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第147話 トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ その5 君はトランスフォーマー編
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今回でヘッドマスターズ語りは終わりにしようかと思います。そこで、今回のサブタイトルはエンディングテーマのタイトルをいただきました。テーマ音楽については、最後に語りたいと思います。
ヘッドマスターズは前作2010に比べても発売アイテムは多かったのですし、作中にもちゃんと登場はしています。ただ、それが印象に残った活躍をしているかというと別でして。あまり印象に残らないキャラの方が多かったんですね。これはメインキャラに焦点を当てる作劇法のためかと思います。このあたり、良くも悪くも日本的なんですよね。そのあたりは、ライバル(?)の『クロノス』に一脈通じるものがあります。
その有象無象が多い中で、印象に残っている最後のキャラがダブルスパイでした。こいつ、三段変形するのでトリプルチェンジャーの一種と言ってもいいのかなと思うのですが、ロボ二種類と自動車に変形するという変わり種なんですね。そのロボ状態だと、サイバトロン側ではスペースパンチ、デストロン側ではカウンターパンチと名乗っており、名前のとおりに二重スパイとして働いているという。
基本はサイバトロン側のスペースパンチが正体で、それを隠してデストロンには情報屋のカウンターパンチとして潜り込んでいるという。
トランスフォーマーでの情報収集というと、サウンドウェーブの部下のカセットロンたちがサイバトロン基地に侵入して探るというのが印象に残っていたので、これは新機軸だなあと思いました。実際、情報収集では結構重要な情報をつかんでサイバトロンに流していた印象がありました。
さて、これで印象に残っている主要メンバーはあらかた語ったかと思います。玩具については、今回はそれぞれの所で語ってしまったので、最後に関連商品と主題歌について語ってから総括しようかと思います。
これ、ファミコンでゲームが出てるんですよ。ところが、クソゲーとして名高い「コンボイの謎」とは異なり、誰も知らないという(笑)。ディスクシステムでの発売だったせいなのかとも思いますが、前作のせいで「トランスフォーマーのゲーム=クソゲー」の方程式が成立してしまったので、誰も手を出さなかったんじゃないかなという気もします(笑)。私も、一度も遊んだことがないどころか、画面を見た記憶もロクにないので、これについては「あった」ということしか書けないんですね。
さて、最後に主題歌と挿入歌のことについて書きましょう。主題歌「ザ・ヘッドマスターズ」は非常に正統派のスーパーロボットソングです。このあたり『クロノス』と一緒で「わかりやすい」スーパー系への回帰が見られます。
前二作はレコード(そういう時代だった)の発売元がビクター音産で、同時代的なカッコ良さとアニメ主題歌の内容を両立させていたのですが、このヘッドマスターズからは発売元がコロムビアに変わって、正統ロボソン系が増えていきます。
その象徴として、オープニング、エンディングのほかに、イメージソング的な挿入歌がたくさん作られ、レコードが発売されました。私はカセットで買って持っていました。
実際に作中で使われた回数は少ないですし、未使用の曲も多いのでイメージソング集的な扱いに近いのですが、ロボソンとしては、なかなかの名曲揃いでした。今回ググってみた中でも「デストロン賛歌」(作中でも二回使用)は名曲という評を見かけました。
未使用でも「宇宙に架ける虹」あたりは最終回とか、ダニエルがシックスショットと和解する回あたりで使っても良かったんじゃないかとか思える名曲でしたね。
そして、今回特筆したいのは、エンディングの「君はトランスフォーマー」ですね。サブタイトルにもいただきましたが、これが名曲だったりします。
前にも軽く書いたんですが、サイバトロン側ヘッドマスター四体の変形を歌の中に読み込んでるんですよ。また、二番では「SL(アストロトレイン)」「レーザーガン(ガルバトロン、シックスショット)」「恐竜(グリムロックほかダイノボット、ダイナザウラー)」「宇宙空母(フォートレスマキシマス、メガザラック)」を歌っているという。まあ、宇宙空母は正確には宇宙戦艦でしょうけど、母艦機能もあるから間違いではないかと(笑)。
とにかく、歌の方が「子供向け」でわかりやすい曲に統一されているんですよ。このあたりは作風とも一致しています。
前二作が「アメリカの子供」あるいは「世界の子供」向けに、グローバルなわかりやすさで作られていたのに対して、このヘッドマスターズは「日本向け」かつ「子供向けでわかりやすい」ことを基本に作られています。
それはつまり、「巨大ロボットアニメ」として原点回帰したということではないかと思えます。ガンダム以降の複雑で難解なことをよしとしたリアルロボットアニメが、結局のところターゲット層(我々「団塊ジュニア」=「失われた世代」)の高年齢化に伴って、結局のところ顧客層を失っていったことへの反省から、とにかく「子供にわかりやすい」ことを目指したという。
ただ、それが「子供だまし」では子供には通じないことも、既にこの頃にはわかっていました。だから、わかりやすい中でもダニエルとシックスショットの「仇」という関係を超えた「友情」を描くというような、きちんとしたストーリー、作劇がなされています。このあたりは、さすがに太陽の使者版『鉄人28号』や『ゴッドマーズ』を作ってきた藤川桂介がシリーズ構成をしているだけのことはあるなと思っていました。
アメリカンでドライなセンスが好きだった前作ファンからすると、非常に日本的でウェットな雰囲気に変わった本作は違和感があったのではないかと思えますが、それでも「原点回帰」して巨大ロボットアニメの遺伝子を細々とながら時代に引き継いだ本作は、歴史的な意義のある名作だったのではないかと私には思えます。
さて、これで87年は終わり、次回はもう88年に突入なんですよね。何と88年にはTVの巨大ロボットアニメは本作の続編『超神マスターフォース』しかないという。ただ、劇場版アニメとOVAはいくつかありますので、それらも含めて見ていきたいと思います。
ヘッドマスターズは前作2010に比べても発売アイテムは多かったのですし、作中にもちゃんと登場はしています。ただ、それが印象に残った活躍をしているかというと別でして。あまり印象に残らないキャラの方が多かったんですね。これはメインキャラに焦点を当てる作劇法のためかと思います。このあたり、良くも悪くも日本的なんですよね。そのあたりは、ライバル(?)の『クロノス』に一脈通じるものがあります。
その有象無象が多い中で、印象に残っている最後のキャラがダブルスパイでした。こいつ、三段変形するのでトリプルチェンジャーの一種と言ってもいいのかなと思うのですが、ロボ二種類と自動車に変形するという変わり種なんですね。そのロボ状態だと、サイバトロン側ではスペースパンチ、デストロン側ではカウンターパンチと名乗っており、名前のとおりに二重スパイとして働いているという。
基本はサイバトロン側のスペースパンチが正体で、それを隠してデストロンには情報屋のカウンターパンチとして潜り込んでいるという。
トランスフォーマーでの情報収集というと、サウンドウェーブの部下のカセットロンたちがサイバトロン基地に侵入して探るというのが印象に残っていたので、これは新機軸だなあと思いました。実際、情報収集では結構重要な情報をつかんでサイバトロンに流していた印象がありました。
さて、これで印象に残っている主要メンバーはあらかた語ったかと思います。玩具については、今回はそれぞれの所で語ってしまったので、最後に関連商品と主題歌について語ってから総括しようかと思います。
これ、ファミコンでゲームが出てるんですよ。ところが、クソゲーとして名高い「コンボイの謎」とは異なり、誰も知らないという(笑)。ディスクシステムでの発売だったせいなのかとも思いますが、前作のせいで「トランスフォーマーのゲーム=クソゲー」の方程式が成立してしまったので、誰も手を出さなかったんじゃないかなという気もします(笑)。私も、一度も遊んだことがないどころか、画面を見た記憶もロクにないので、これについては「あった」ということしか書けないんですね。
さて、最後に主題歌と挿入歌のことについて書きましょう。主題歌「ザ・ヘッドマスターズ」は非常に正統派のスーパーロボットソングです。このあたり『クロノス』と一緒で「わかりやすい」スーパー系への回帰が見られます。
前二作はレコード(そういう時代だった)の発売元がビクター音産で、同時代的なカッコ良さとアニメ主題歌の内容を両立させていたのですが、このヘッドマスターズからは発売元がコロムビアに変わって、正統ロボソン系が増えていきます。
その象徴として、オープニング、エンディングのほかに、イメージソング的な挿入歌がたくさん作られ、レコードが発売されました。私はカセットで買って持っていました。
実際に作中で使われた回数は少ないですし、未使用の曲も多いのでイメージソング集的な扱いに近いのですが、ロボソンとしては、なかなかの名曲揃いでした。今回ググってみた中でも「デストロン賛歌」(作中でも二回使用)は名曲という評を見かけました。
未使用でも「宇宙に架ける虹」あたりは最終回とか、ダニエルがシックスショットと和解する回あたりで使っても良かったんじゃないかとか思える名曲でしたね。
そして、今回特筆したいのは、エンディングの「君はトランスフォーマー」ですね。サブタイトルにもいただきましたが、これが名曲だったりします。
前にも軽く書いたんですが、サイバトロン側ヘッドマスター四体の変形を歌の中に読み込んでるんですよ。また、二番では「SL(アストロトレイン)」「レーザーガン(ガルバトロン、シックスショット)」「恐竜(グリムロックほかダイノボット、ダイナザウラー)」「宇宙空母(フォートレスマキシマス、メガザラック)」を歌っているという。まあ、宇宙空母は正確には宇宙戦艦でしょうけど、母艦機能もあるから間違いではないかと(笑)。
とにかく、歌の方が「子供向け」でわかりやすい曲に統一されているんですよ。このあたりは作風とも一致しています。
前二作が「アメリカの子供」あるいは「世界の子供」向けに、グローバルなわかりやすさで作られていたのに対して、このヘッドマスターズは「日本向け」かつ「子供向けでわかりやすい」ことを基本に作られています。
それはつまり、「巨大ロボットアニメ」として原点回帰したということではないかと思えます。ガンダム以降の複雑で難解なことをよしとしたリアルロボットアニメが、結局のところターゲット層(我々「団塊ジュニア」=「失われた世代」)の高年齢化に伴って、結局のところ顧客層を失っていったことへの反省から、とにかく「子供にわかりやすい」ことを目指したという。
ただ、それが「子供だまし」では子供には通じないことも、既にこの頃にはわかっていました。だから、わかりやすい中でもダニエルとシックスショットの「仇」という関係を超えた「友情」を描くというような、きちんとしたストーリー、作劇がなされています。このあたりは、さすがに太陽の使者版『鉄人28号』や『ゴッドマーズ』を作ってきた藤川桂介がシリーズ構成をしているだけのことはあるなと思っていました。
アメリカンでドライなセンスが好きだった前作ファンからすると、非常に日本的でウェットな雰囲気に変わった本作は違和感があったのではないかと思えますが、それでも「原点回帰」して巨大ロボットアニメの遺伝子を細々とながら時代に引き継いだ本作は、歴史的な意義のある名作だったのではないかと私には思えます。
さて、これで87年は終わり、次回はもう88年に突入なんですよね。何と88年にはTVの巨大ロボットアニメは本作の続編『超神マスターフォース』しかないという。ただ、劇場版アニメとOVAはいくつかありますので、それらも含めて見ていきたいと思います。
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