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第126話 蒼き流星SPTレイズナー(1985-86年)
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さて、今回は悲運の名作『蒼き流星SPTレイズナー』に行ってみましょう。高橋監督の巨大ロボ物としては四作目で、これについては私も第1話から見ています。ただ、全話見ていたわけではありません。結構、飛ばしているエピソードがあります。また、レイズナーが出てくる『新スーパーロボット大戦』は遊んでいました。なので、それらの印象をメインに語りたいと思います。
まず、なぜ「悲運の名作」なのかについて語りましょう。アニメ誌での評価は高く、実際、面白い作品だったんです。視聴率も決して悪くはなかった。
でも、プラモが売れなかったんです。結果として四クール予定が三クールでの打ち切り。このため、最終回直前で主人公エイジと主人公機レイズナーがライバルのル・カイン操るザカールによってボロボロにされたシーンから、最終回で突然話が飛んで最終決戦になるという超展開になってしまいます。
さすがに、これはあんまりだということで、OVA版が作られて最終回前と最終回の間の話が補完されましたが、私はOVAを見ていません。アニメ誌でストーリーが紹介されていたので、だいたいどんな話かは知ってはいますが。
それじゃあ、なんでプラモが売れなかったのか。
リアルロボットとして、決して悪いデザインだとは思いません。ただ、顔がかなりガンダムに似てるなあとは思っていましたが(笑)。色も青と白なので、結構ガンダムっぽさはありました。
ただ、ジェット戦闘機風のキャノピーが頭頂部にあるというデザインは、本作のロボであるSPT共通の特徴としてあります。顔自体がヘリ風だったダグラムやカメラ顔だったボトムズとは、また違った味があって、私は嫌いではありませんでした。
変形などのギミックはありませんでしたが、リアルロボとしては普通と言えるでしょう。それに、打ち切りのため無くなってしまったのですが、二号主役ロボである「レイズナーMk-Ⅱ」は変形ロボになるはずでした。これは『新スパロボ』に登場しています。
また、主役ロボであるレイズナーには「V-MAX」という「必殺技」もあります。一時的に機体がバリアに包まれて高速移動可能になるという一種の無敵モードで、「科学忍法火の鳥」とか「トライダーバードアタック」的なオールドファッションな必殺技のリアルロボット版とでも言うべき存在でした。
そのほか、設定上バックパックの交換ができるとなっていて、プラモでも別の機体のバックパックと交換したりもできました。
こうしたギミックもあって、リアルロボとしても決して悪いできではなかったんです。
また、プラモデルについて言うと、安価小型の1/100スケールと大型の1/72スケールがあり、大型の1/72スケールの方のできは決して悪くなかったんです。
例によって弟が1/72のレイズナーや、初期ライバル機であるグライムカイザルを持っていたのですが、いずれも結構良いできでした。ポリキャップ関節は壊れにくくなっており、頭部キャノピーはクリアパーツだったり、武器が金属製だったりと、なかなかに凝っていたんです。
また、関節部については、規格が統一されていたので、複数のSPTの手足を自由に交換して遊ぶこともできました。上記のバックアップ交換と合わせて、自分だけのオリジナルSPTを作るなんて遊びも、ガンダムみたいに手間をかけずに簡単にできるというプレイアビリティーもあったんです。これは、ポリキャップ関節の1/72だけでなく、プラ関節の1/100も同じでした。
ただ、この1/100の小型キットについては、評判があまり良くなかったんですね。私は買っておらず、弟がベイブルやバルディとザカール、それに後で出てくる無人機スカルガンナーを1/100のキットで買っていたんですが、そんなに気になるほど悪いできとは思いませんでした。
まあ、私はモデラーではありませんでしたし、それほどプラモの質について強いこだわりがあったわけではなかったのですが、ガンプラ以降そういった質にこだわりを持つモデラーが増えていたプラモ市場には適合しなかったということなのかもしれません。
それから、このスケールからもわかるかと思いますが、ガンダムよりは小型で身長十メートルクラスのロボになります。身長十二メートルのバトロイド・バルキリーより一回り小さいんですね。それなのにスケールは同じなので、プラモも小柄な感じになっていました。
実は、この身長のロボの頭部にコクピットを配置したので、設定画だと頭でっかちなんですね。それが不評の原因だったという話も聞いたことはあるのですが、アニメ本編では普通の頭身で描かれていましたし、プラモもそんなに頭でっかちにはなっていませんでした。
ともあれ、我が家では弟がプラモも買っていましたし、見ていてストーリーは面白かったので、まさか打ち切りになるなんて思っていませんでしたから、あの最終回は衝撃的でした。
既にアニメ誌を読んでいたので、打ち切り理由が「プラモが売れなかったから」だというのを知って、これが大人の事情というものかと思ったものです。
このレイズナーについては、まだいくつか語りたいことがあるので、次回に続きます。
まず、なぜ「悲運の名作」なのかについて語りましょう。アニメ誌での評価は高く、実際、面白い作品だったんです。視聴率も決して悪くはなかった。
でも、プラモが売れなかったんです。結果として四クール予定が三クールでの打ち切り。このため、最終回直前で主人公エイジと主人公機レイズナーがライバルのル・カイン操るザカールによってボロボロにされたシーンから、最終回で突然話が飛んで最終決戦になるという超展開になってしまいます。
さすがに、これはあんまりだということで、OVA版が作られて最終回前と最終回の間の話が補完されましたが、私はOVAを見ていません。アニメ誌でストーリーが紹介されていたので、だいたいどんな話かは知ってはいますが。
それじゃあ、なんでプラモが売れなかったのか。
リアルロボットとして、決して悪いデザインだとは思いません。ただ、顔がかなりガンダムに似てるなあとは思っていましたが(笑)。色も青と白なので、結構ガンダムっぽさはありました。
ただ、ジェット戦闘機風のキャノピーが頭頂部にあるというデザインは、本作のロボであるSPT共通の特徴としてあります。顔自体がヘリ風だったダグラムやカメラ顔だったボトムズとは、また違った味があって、私は嫌いではありませんでした。
変形などのギミックはありませんでしたが、リアルロボとしては普通と言えるでしょう。それに、打ち切りのため無くなってしまったのですが、二号主役ロボである「レイズナーMk-Ⅱ」は変形ロボになるはずでした。これは『新スパロボ』に登場しています。
また、主役ロボであるレイズナーには「V-MAX」という「必殺技」もあります。一時的に機体がバリアに包まれて高速移動可能になるという一種の無敵モードで、「科学忍法火の鳥」とか「トライダーバードアタック」的なオールドファッションな必殺技のリアルロボット版とでも言うべき存在でした。
そのほか、設定上バックパックの交換ができるとなっていて、プラモでも別の機体のバックパックと交換したりもできました。
こうしたギミックもあって、リアルロボとしても決して悪いできではなかったんです。
また、プラモデルについて言うと、安価小型の1/100スケールと大型の1/72スケールがあり、大型の1/72スケールの方のできは決して悪くなかったんです。
例によって弟が1/72のレイズナーや、初期ライバル機であるグライムカイザルを持っていたのですが、いずれも結構良いできでした。ポリキャップ関節は壊れにくくなっており、頭部キャノピーはクリアパーツだったり、武器が金属製だったりと、なかなかに凝っていたんです。
また、関節部については、規格が統一されていたので、複数のSPTの手足を自由に交換して遊ぶこともできました。上記のバックアップ交換と合わせて、自分だけのオリジナルSPTを作るなんて遊びも、ガンダムみたいに手間をかけずに簡単にできるというプレイアビリティーもあったんです。これは、ポリキャップ関節の1/72だけでなく、プラ関節の1/100も同じでした。
ただ、この1/100の小型キットについては、評判があまり良くなかったんですね。私は買っておらず、弟がベイブルやバルディとザカール、それに後で出てくる無人機スカルガンナーを1/100のキットで買っていたんですが、そんなに気になるほど悪いできとは思いませんでした。
まあ、私はモデラーではありませんでしたし、それほどプラモの質について強いこだわりがあったわけではなかったのですが、ガンプラ以降そういった質にこだわりを持つモデラーが増えていたプラモ市場には適合しなかったということなのかもしれません。
それから、このスケールからもわかるかと思いますが、ガンダムよりは小型で身長十メートルクラスのロボになります。身長十二メートルのバトロイド・バルキリーより一回り小さいんですね。それなのにスケールは同じなので、プラモも小柄な感じになっていました。
実は、この身長のロボの頭部にコクピットを配置したので、設定画だと頭でっかちなんですね。それが不評の原因だったという話も聞いたことはあるのですが、アニメ本編では普通の頭身で描かれていましたし、プラモもそんなに頭でっかちにはなっていませんでした。
ともあれ、我が家では弟がプラモも買っていましたし、見ていてストーリーは面白かったので、まさか打ち切りになるなんて思っていませんでしたから、あの最終回は衝撃的でした。
既にアニメ誌を読んでいたので、打ち切り理由が「プラモが売れなかったから」だというのを知って、これが大人の事情というものかと思ったものです。
このレイズナーについては、まだいくつか語りたいことがあるので、次回に続きます。
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