燃えよ、ロボ魂!!

結城藍人

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第39話 無敵ロボ トライダーG7(1980-81年)

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 さて、ガンダムのときに書いた「次はおもしろそうだ」の作品、トライダーG7の登場です。ジーセブンです、先進七カ国蔵相中央銀行総裁会議です(笑)――財務相? そんなスカした言葉は知らん!(笑)

 こいつについては、ほぼリアルタイムの記憶と、『新スーパーロボット大戦』の記憶しか残ってません。再放送も見たかもしれんけど、記憶に無いなあ。しかし、「おもしろかった」という記憶だけはあります(笑)。

 ということで、これも主題歌が歌える、それもアンソロCD持ってなかったエンディングも、サビの部分だけはうろ覚えながら歌えるんで、リアルタイムでは結構見てたはずなのですが、残ってる記憶が「偽トライダーを作ろうとしたおっさんが『思い出した、胸のマークはニワトリだ!』と叫ぶシーン」ぐらいという(笑)。この偽トライダーにしても、別に主人公たちの評判を落とそうとかそういう目的で作るのではなく、単に仕事が欲しいからという理由だったり。

 そう、この作品、民間零細企業がロボ持ってるんです。それも、主人公(小六)が社長をつとめてる会社だけじゃなくて、地球全般(笑)。そして、地球防衛軍が民間を利用しているという。後年、どっかのアニメ雑誌が「あなたの作りたいアニメ」ネタか何かを募集したときに『民活地球防衛軍』ってタイトルがあったのを覚えてるんですが、このトライダー世界の防衛軍って、まさに民活地球防衛軍だったりするという(笑)。

 だもんで、予算がある(笑)。ミサイルとか派手に撃つとコスト割れで赤字になるという。このあたり、ラノベ作家の秋津透がロボ物書いたときのあとがきで「ガンダムとかのリアルロボットより、むしろこっちの方がリアル」みたいな主旨のことを書いてたんですが、私も同じ事を思ったり(笑)。

 トライダーって公園の地下に収納されてて、頭の上半分だけ露出して遊具になってたりするんですが、女子社員が発進アナウンスすると遊んでた子供たちが散っていって、そこから公園がオープンしてトライダーが発進していくという出撃バンクシーンがあったんですね。あれ、今にして思うとリアリティ(真実味)は無いんですが、あの当時は何か親近感がわくというか、身近にありそうという意味でのリアリティがあったなあ。

 ロボとしては典型的スーパーロボットなんですが、上記のように零細民間企業が持っているので、地球防衛だけじゃなくて雑用も散々やるという「宇宙の何でも屋」(笑)。

 で、主人公は「社長で小学生」。宿題の合間に出撃して宇宙からの侵略ロボを撃退するという。

 この宇宙からの侵略ロボなんですが、侵略側の方の記憶が全然残ってないという。Wikiとか見ても、あんまり地球側との交流がなかったみたいでキャラとか全然覚えてない。

 主人公ロボのトライダーだけは、敵側の技術を使ってるんで対抗可能みたいな設定なんですが、そのあたりが明かされてないんで作中でもあまり危機感みたいな雰囲気は無かったですね。普通に考えたらトライダーは防衛軍に接収されてリバース・エンジニアリングされて量産されるだろうとか考えたりもするんですが、そういう方向に「リアル」な話じゃない(笑)。

 あと、どう考えても児童福祉法違反です(笑)。労働基準法じゃないんだなあ。だって「社長」、つまり雇用者側なんだもん。……って書いたあとでググってみたら、児童福祉法に就労年齢についての規定って明文だと無いのね。違反とは言えないんだ。でもグレーゾーンぽさは漂ってます(笑)。

 主人公が小六なんで、恋愛とか無いです(笑)。メイン女性キャラも事務員のお姉さんで、あれヒロインじゃないよなあ(笑)。

 ロボのデザイン的には、同時代的にはカッコ良いロボでした。流れとしてはザンボット、ダイターンを引き継いだ紺系の少し和風武者テイストで、胸のワシのマークがチャームポイント。このマークからワシ型のエネルギーが飛びだして機体全体を覆い、そのまま敵に体当たりするのが必殺技の「トライダーバードアタック」。要するに「科学忍法火の鳥」系ですな(笑)。あと、武器としてジャベリン使ってたなあ。このあたりサンライズ系スーパーロボの伝統に忠実というか。

 G7の名前のとおり、七段変形が売りだったんですが、半分くらいは無理矢理変形みたいな感じで、あまりカッコ良くなかった記憶があります。何かトライダーが足を前に伸ばして、膝裏にキャタピラ付けただけみたいな形態もあったような(笑)。

 そういえば、ガンダムはともかく、その前は派手なパイロットスーツを着るのがロボのパイロットのお約束だったんですけど、こいつは零細企業のせいか、野球のヘルメットみたいなのにジャージ状のパイロットスーツという、えらく地味な服装してたなあとか思い出したり。そのあたりもトライダー全般を通じて流れる「ある意味リアル」テイストをかもし出してる要因のひとつだと思うのですが。

 ザンボットが「無敵超人」、ダイターンが「無敵鋼人」で、このトライダーは「無敵ロボ」なんで、後年のスパロボだと「無敵」シリーズでひとくくりにされてたりするようですが、そのあたりプレイしてないんでネットでググった情報しか知らないです。

 個人的にはサンライズ制作のロボ物としては、むしろ「無敵ロボ」のトライダー、「最強ロボ」のダイオージャ、「超力ちょうりきロボ」のガラットの、コメディテイストあふれる「ロボ系」でひとつのカテゴリなんじゃないかなとか思ったりしてるのですが。

 あと、この作品は何と言っても主題歌が秀逸です。オープニングの歌を聴くだけで、どんな話か完全に理解できるという(笑)。たぶん動画とか歌詞とかネットで拾えると思うので、ぜひ聴いてみてください。エンディングも聴いたら、たぶん完璧(笑)。もっとも、このエンディングは今だと「口先じゃあ感謝してるけど社長目線で社畜やれって言ってる歌」とか叩かれるかもしれんけど(笑)。
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