あの《天職》木こり士って何ですか?

苺市江

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第一章 無下にされる思い

土木ギルドへようこそ

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 俺は昨日街でぶつかったガゼルさんに後日また会おうと言われた。

 (ガゼルさんのあの体を見る限り肉体系の仕事かなぁ…どうせすぐクビになるだろうし一回だけ行ってみるか…)

 



           ◇




 (集合場所に結局来てしまった一体どんなことをさせられるんだろう……)

 「よぉ!ヴェル!相変わらずテンション低いな!元気出せよまだまだ若いんだからよ!」

 (あなたのテンションが異常なんですよ)

 「お…おはよう…ございます、えっと…今日はよろしくお願いします!」

 「おう!これから案内するけどよ結構歩くからへばんなよ!おぶってやれねぇからなハッハッハ」

 (自分で言って自分で笑ってるよこの人)

 「大丈夫です、あの、その、ガゼルさんの仕事って一体…?」

 「あ?フッフッフゥいずれわかるが…まぁ簡単に言うと、担いで捌いてポイッだな!」

 (まさか人殺し!!いやいや流石に……)

 「おいおい、何そんなにマジマジみてんだよ照れるじゃねぇか」

 (ヴェル視点)
「何そんなみてんだ殺すぞ!」

 「い、いやなんでも…ないです」

 「そうか、なら良かった、もうそろそろ出ないとやりにいけないから行くぞー!」

 「は、はひ」
(やりにいくってなにをー?!?!さっきから変な汗止まんないよ、仕事あるのはいいけど殺しは嫌だぁー…)

 「はひってお前ハッハッハほらやりに行くぞ」

 「は…い…」
(終わった逃げれない、これで僕も犯罪者の仲間入りか…)





            ◇




 「フゥー着いたぞ!」

 「つ、疲れた……」
(余計なこと考える暇もないくらい疲れた…)
※2時間くらいかかった

 「仕事はこれからだぞ!ほら、行くぞ!!」

(そうだ仕事!!もう一か八か直接聞くしかない!)
 「あ、あのちょっと待って下さいゼェハァあの」

 「ん?どした?」

 「仕事ってハアハア何ですか?」

 「あれ?言ってなかったっけ?ここにいる奴ら俺含めて全員土木ギルド所属だぞ、つまり俺らがするのは土木だ」

 「はへ?僕はてっきり…」

 「てっきり?」

 「殺人か…と…」
 
 「そうだよよくわかったなニヤリ」

 「え?」   「冗談だよハッハッハ安心しな!」
(し、死ぬかとおもったぁぁぁあー)

「冗談にしては笑えないわ!」

 「さて、仕事に取り掛かる前にヴェルの入団テストをしなきゃだな」
(こいつの実力も気になるし)

 「土木ギルドもするんですね、入団テスト」

 「どのギルドもやるさ、さ試験場に行くか!」

 「は、はい」(緊張する、無能の僕に出来るかな…)






            ◇





 「お、ガゼル来てたのか、それとその坊主誰だー?」

 「おお!ジークぅぅー!足は治ったのかー??」

 「まぁまぁだな、でその坊主は?」

 「ん?あぁ入団希望のヴェルだ」

 「えっとヴェルです、よ…よろしくお願いします!!」

 「まぁいいや、入団テストすんなら向こうにいいのがあるぞ」

 「お、サンキューな!よし、行くぞヴェル!」

 「は、はい!」

 「あの、これーはぁ…」


試験会場


 「冒険者ギルドの入団テストは基本試験官と一騎打ちだが…土木ギルドは違う!!うちの試験方法は…ここにある切り株5個を根っこから引き抜くのと、向こうにある直径1mの岩を砕き砕石置き場に置くことだ!!期限は1週間今からスタートだ!!何か質問はあるか?」

 「道具とかって…」

 「もちろん貸してやるここだけの話…」
 コソお前には期待している、《天職》を使いこなせ!

 「試験開始!!!」

(道具は借りれたけどどうやって切り株なんて抜けば良いんだ…?)

 「フギギギギかぁぁあたぁぁいぃぃい」

 (ハアハア今のでわかった力技でやろうとしても抜けない周りの人のやり方を盗まないと…)

 「全然ダメだ!人によってやり方が全くと言って良いほど変わる…真似じゃなくて自分なりの方法を探さないと」

 そうして試験初日が終わっていった

宿泊宿にて


 「どうすれば良いんだろう…力でやっても真似してみても出来ない、自分の方法も見つからない…僕にしかない…もの…」
 (まって!ガゼルさんが言ってたじゃないか!僕のスキルが使えるかもってでもどうやってスキルを使うんだ…?明日、ガゼルさんに聞いて…いや、ダメだ!人を頼るのはもうやめだ!自分でどうにかしないと!!)




            ◇



 「よし!今日も頑張るぞぉぉお!!」

 (気合入ってんなヴェル、頑張れよ!)

 それから何も出来ないまま3日ぎ過ぎた

 (ハアハアくそ全然ダメだ何か方法はないのか…)

 「ステータスオープン」


名前:ヴェル=レガート
年齢:10     性別:男
《天職》木こり士
レベル:1                                    スキル
攻撃力:15                       木こり:Lv1   我慢:Lv1
防御力:10                        
 俊敏:8                                    称号
魔力量:20                      木こり士 無能
精神力:5
  運:1                                     加護
            ???????

 「スキル名でも呼んだら発動するとか!木こり:Lv1」
          シーン

「なーんてそんなわけ…」
:スキル木こり:Lv1を発動します
(えぇぇぇええ!!またありきたりなフラグ回収でスキルが発動したぁぁあ!?)

 「ま、まぁいいや、効果の方は…」

木こり:Lv1

効果:全パラメーターが20%増加
  木(切り株、枝含む)を一本切るまたは折るたびに
  全パラメータ20%+2%ずつ増加する。また、どこを     
  切るもしくは折れば良いのか何となくわかる。

 (スゥーハァーえ?強くない?木を切る効率が上がる程度だと思ってたのに全パラメータ20%増加?!しかもちょっとした枝を切ったりするだけでも更に2%増加?!チートだろこれ!)

 「これならいける行くぜ!ピカッ何か光ってるあそこら辺を切ればいいんだなぁぁあうぉぉぉぉおお!!」

 ドガァァン

 「す、すげー!!びくともしなかった切り株を粉々にできた!!」

 「お、おいヴェル何があった大丈夫かー?」

 「は、はい大丈夫です!今の音もおれがやりましたー」

 (おいおいおいおい、なにしたらそんな音なんだよ)
 「気いつけろよー!!」

 「はーい」
(これならあと3日以内に間に合う!!)

 ドガァァン ドガァァン ドガァァンドガァァン

 「フゥこれで切り株は終わり!!あと3日以内にあの岩を砕かないとか…今なら出来る気がする!」


 フラッ

 (あれ?急に力が入んなく…)

 「おい大丈夫かヴェルおい、しっカリシ…」






 「おい大丈夫かー?いきなり倒れやがって」

 「だ、大丈夫です」 (でもなんで)

 「ステータスオープン」


名前:ヴェル=レガート
年齢:10     性別:男
《天職》木こり士
レベル:1                                    スキル
攻撃力:15                       木こり:Lv1   我慢:Lv1
防御力:10                        
 俊敏:8                                    称号
魔力量:20→0                  木こり士 無能
精神力:5
  運:1                                     加護
            ???????

 (魔力が0だからか……)

一定以上の経験値を取得しました
 :スキル木こりがレベルアップしました
Lv1→Lv4

 「今日はしっかり休め!わかったか?」

 「はい、迷惑かけてすみません…」

 「気にすんなそいじゃまた明日な!」






            ◇





 「よし完全回復!!ちゃちゃっと岩砕くか!!」

 「スキル木こり:Lv4!!」
(そんでもってそこら辺にある枝を折りまくる!!)

全パラメータが上昇上昇上昇…………

 「こんなもんか」
(全パラメータ50%増加ぎ最大か)

 「よし、やるか!!」

 (光ってるところは見えないつまり弱点無しか…一回殴ってみるか)

 「フゥはぁぁぁぁぁあ」
ドッガァァァァァアン


 「え?拳で……砕け…ちゃった…?!?!?!」

 「何の音だ!大丈夫かヴェル!!お前また何かしたのか!!」

 「あの、その岩を…粉々にしちゃいました\\\\    \\\\」

 「はぁお前なぁ心配させんなよ」

 「あの、それで岩を砕いちゃったから採石置き場に置けないんですけどこれって…不合格ですか!!」
(頼む受かっててくれぇー!!)

 「文句なしの合格だよ!馬鹿野郎!!」

 「や……やったぁぁぁぁあ!!!」
(これで野垂れ死ぬ事がなくなった!!!くぅー!!良かったぁー!!)

 「よしヴェル入団を祝って酒でも飲みに行くか!!」

 「ちょっと待ってくださいよ!僕未成年ですよ!未成年!!」

 「んなもん関係ない行くぞ!」

 「えぇぇぇぇぇええ!」

この後めっちゃ飲まされて吐いたのはまた別のお話
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