あの《天職》木こり士って何ですか?

苺市江

文字の大きさ
上 下
4 / 4
第一章 無下にされる思い

土木ギルドへようこそ

しおりを挟む
 俺は昨日街でぶつかったガゼルさんに後日また会おうと言われた。

 (ガゼルさんのあの体を見る限り肉体系の仕事かなぁ…どうせすぐクビになるだろうし一回だけ行ってみるか…)

 



           ◇




 (集合場所に結局来てしまった一体どんなことをさせられるんだろう……)

 「よぉ!ヴェル!相変わらずテンション低いな!元気出せよまだまだ若いんだからよ!」

 (あなたのテンションが異常なんですよ)

 「お…おはよう…ございます、えっと…今日はよろしくお願いします!」

 「おう!これから案内するけどよ結構歩くからへばんなよ!おぶってやれねぇからなハッハッハ」

 (自分で言って自分で笑ってるよこの人)

 「大丈夫です、あの、その、ガゼルさんの仕事って一体…?」

 「あ?フッフッフゥいずれわかるが…まぁ簡単に言うと、担いで捌いてポイッだな!」

 (まさか人殺し!!いやいや流石に……)

 「おいおい、何そんなにマジマジみてんだよ照れるじゃねぇか」

 (ヴェル視点)
「何そんなみてんだ殺すぞ!」

 「い、いやなんでも…ないです」

 「そうか、なら良かった、もうそろそろ出ないとやりにいけないから行くぞー!」

 「は、はひ」
(やりにいくってなにをー?!?!さっきから変な汗止まんないよ、仕事あるのはいいけど殺しは嫌だぁー…)

 「はひってお前ハッハッハほらやりに行くぞ」

 「は…い…」
(終わった逃げれない、これで僕も犯罪者の仲間入りか…)





            ◇




 「フゥー着いたぞ!」

 「つ、疲れた……」
(余計なこと考える暇もないくらい疲れた…)
※2時間くらいかかった

 「仕事はこれからだぞ!ほら、行くぞ!!」

(そうだ仕事!!もう一か八か直接聞くしかない!)
 「あ、あのちょっと待って下さいゼェハァあの」

 「ん?どした?」

 「仕事ってハアハア何ですか?」

 「あれ?言ってなかったっけ?ここにいる奴ら俺含めて全員土木ギルド所属だぞ、つまり俺らがするのは土木だ」

 「はへ?僕はてっきり…」

 「てっきり?」

 「殺人か…と…」
 
 「そうだよよくわかったなニヤリ」

 「え?」   「冗談だよハッハッハ安心しな!」
(し、死ぬかとおもったぁぁぁあー)

「冗談にしては笑えないわ!」

 「さて、仕事に取り掛かる前にヴェルの入団テストをしなきゃだな」
(こいつの実力も気になるし)

 「土木ギルドもするんですね、入団テスト」

 「どのギルドもやるさ、さ試験場に行くか!」

 「は、はい」(緊張する、無能の僕に出来るかな…)






            ◇





 「お、ガゼル来てたのか、それとその坊主誰だー?」

 「おお!ジークぅぅー!足は治ったのかー??」

 「まぁまぁだな、でその坊主は?」

 「ん?あぁ入団希望のヴェルだ」

 「えっとヴェルです、よ…よろしくお願いします!!」

 「まぁいいや、入団テストすんなら向こうにいいのがあるぞ」

 「お、サンキューな!よし、行くぞヴェル!」

 「は、はい!」

 「あの、これーはぁ…」


試験会場


 「冒険者ギルドの入団テストは基本試験官と一騎打ちだが…土木ギルドは違う!!うちの試験方法は…ここにある切り株5個を根っこから引き抜くのと、向こうにある直径1mの岩を砕き砕石置き場に置くことだ!!期限は1週間今からスタートだ!!何か質問はあるか?」

 「道具とかって…」

 「もちろん貸してやるここだけの話…」
 コソお前には期待している、《天職》を使いこなせ!

 「試験開始!!!」

(道具は借りれたけどどうやって切り株なんて抜けば良いんだ…?)

 「フギギギギかぁぁあたぁぁいぃぃい」

 (ハアハア今のでわかった力技でやろうとしても抜けない周りの人のやり方を盗まないと…)

 「全然ダメだ!人によってやり方が全くと言って良いほど変わる…真似じゃなくて自分なりの方法を探さないと」

 そうして試験初日が終わっていった

宿泊宿にて


 「どうすれば良いんだろう…力でやっても真似してみても出来ない、自分の方法も見つからない…僕にしかない…もの…」
 (まって!ガゼルさんが言ってたじゃないか!僕のスキルが使えるかもってでもどうやってスキルを使うんだ…?明日、ガゼルさんに聞いて…いや、ダメだ!人を頼るのはもうやめだ!自分でどうにかしないと!!)




            ◇



 「よし!今日も頑張るぞぉぉお!!」

 (気合入ってんなヴェル、頑張れよ!)

 それから何も出来ないまま3日ぎ過ぎた

 (ハアハアくそ全然ダメだ何か方法はないのか…)

 「ステータスオープン」


名前:ヴェル=レガート
年齢:10     性別:男
《天職》木こり士
レベル:1                                    スキル
攻撃力:15                       木こり:Lv1   我慢:Lv1
防御力:10                        
 俊敏:8                                    称号
魔力量:20                      木こり士 無能
精神力:5
  運:1                                     加護
            ???????

 「スキル名でも呼んだら発動するとか!木こり:Lv1」
          シーン

「なーんてそんなわけ…」
:スキル木こり:Lv1を発動します
(えぇぇぇええ!!またありきたりなフラグ回収でスキルが発動したぁぁあ!?)

 「ま、まぁいいや、効果の方は…」

木こり:Lv1

効果:全パラメーターが20%増加
  木(切り株、枝含む)を一本切るまたは折るたびに
  全パラメータ20%+2%ずつ増加する。また、どこを     
  切るもしくは折れば良いのか何となくわかる。

 (スゥーハァーえ?強くない?木を切る効率が上がる程度だと思ってたのに全パラメータ20%増加?!しかもちょっとした枝を切ったりするだけでも更に2%増加?!チートだろこれ!)

 「これならいける行くぜ!ピカッ何か光ってるあそこら辺を切ればいいんだなぁぁあうぉぉぉぉおお!!」

 ドガァァン

 「す、すげー!!びくともしなかった切り株を粉々にできた!!」

 「お、おいヴェル何があった大丈夫かー?」

 「は、はい大丈夫です!今の音もおれがやりましたー」

 (おいおいおいおい、なにしたらそんな音なんだよ)
 「気いつけろよー!!」

 「はーい」
(これならあと3日以内に間に合う!!)

 ドガァァン ドガァァン ドガァァンドガァァン

 「フゥこれで切り株は終わり!!あと3日以内にあの岩を砕かないとか…今なら出来る気がする!」


 フラッ

 (あれ?急に力が入んなく…)

 「おい大丈夫かヴェルおい、しっカリシ…」






 「おい大丈夫かー?いきなり倒れやがって」

 「だ、大丈夫です」 (でもなんで)

 「ステータスオープン」


名前:ヴェル=レガート
年齢:10     性別:男
《天職》木こり士
レベル:1                                    スキル
攻撃力:15                       木こり:Lv1   我慢:Lv1
防御力:10                        
 俊敏:8                                    称号
魔力量:20→0                  木こり士 無能
精神力:5
  運:1                                     加護
            ???????

 (魔力が0だからか……)

一定以上の経験値を取得しました
 :スキル木こりがレベルアップしました
Lv1→Lv4

 「今日はしっかり休め!わかったか?」

 「はい、迷惑かけてすみません…」

 「気にすんなそいじゃまた明日な!」






            ◇





 「よし完全回復!!ちゃちゃっと岩砕くか!!」

 「スキル木こり:Lv4!!」
(そんでもってそこら辺にある枝を折りまくる!!)

全パラメータが上昇上昇上昇…………

 「こんなもんか」
(全パラメータ50%増加ぎ最大か)

 「よし、やるか!!」

 (光ってるところは見えないつまり弱点無しか…一回殴ってみるか)

 「フゥはぁぁぁぁぁあ」
ドッガァァァァァアン


 「え?拳で……砕け…ちゃった…?!?!?!」

 「何の音だ!大丈夫かヴェル!!お前また何かしたのか!!」

 「あの、その岩を…粉々にしちゃいました\\\\    \\\\」

 「はぁお前なぁ心配させんなよ」

 「あの、それで岩を砕いちゃったから採石置き場に置けないんですけどこれって…不合格ですか!!」
(頼む受かっててくれぇー!!)

 「文句なしの合格だよ!馬鹿野郎!!」

 「や……やったぁぁぁぁあ!!!」
(これで野垂れ死ぬ事がなくなった!!!くぅー!!良かったぁー!!)

 「よしヴェル入団を祝って酒でも飲みに行くか!!」

 「ちょっと待ってくださいよ!僕未成年ですよ!未成年!!」

 「んなもん関係ない行くぞ!」

 「えぇぇぇぇぇええ!」

この後めっちゃ飲まされて吐いたのはまた別のお話
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

スパークノークス

お気に入りに登録しました~

解除

あなたにおすすめの小説

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

婚約破棄は誰が為の

瀬織董李
ファンタジー
学園の卒業パーティーで起こった婚約破棄。 宣言した王太子は気付いていなかった。 この婚約破棄を誰よりも望んでいたのが、目の前の令嬢であることを…… 10話程度の予定。1話約千文字です 10/9日HOTランキング5位 10/10HOTランキング1位になりました! ありがとうございます!!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。