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第一章 無下にされる思い
女神の洗礼
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「ヴェルあんたまたそんなとこで縮こまってるの?そろそろ行かないと置いてかれちゃうわよ!」
今日はいつもと違う日特別な日だ。
この世界ベルントでは10歳になると〔女神の洗礼〕というものを全員が受ける。女神の洗礼、ここでは神託と呼ぼう。神託は1人に1つ存在する《天職》を目覚めさせる効果がある。
「僕だって神託を受けたいよ…でも、もしこれでいい《天職》じゃなかったら本当に家から追放されちゃうよ、そしたら僕もう……」
「あんたねぇー…はぁやってもないのに何でそんなに自信ないのよ、それでも男爵なの??しっかりしなさい、行くわよ!!」
「うぅ…」
僕がこんなにも自信がないのには理由がある。僕はレガート家の血を正式には継いでいない、つまり拾われた子供だからだ。この情報はシェナですら知らない。。。
「ほら早く馬車に乗って!」
「あれぇ~??無能貴族のヴェル君じゃないかぁ、無能でも神託を受け取りに行くんだなwww」
「ガジン今日も口が鋭いなー!まぁ言ってること正しいしなww」
「ベルも口は悪いけどなwwま、実際無能に変わりないしどうせ神託もらっても無能は無能だよ!」
こいつらはガジン、ベル、ジャック。村の3大ガキ大将で僕をいじめてくる。
「うるさいわね!あんた達はさっさと自分の馬車に行きなさいよ!」
チッ「シェナはあんなやつのどこがいいんだよ」
「よーし全員乗ったなぁー!」
先頭から声が聞こえてくる。
(どうかいい神託がもらえますように……!)
◇
「ここが王都シンセル…!!すごい!こんなに建物が多いなんて!」
(シェナは呑気でいいなぁー……)
「これより女神の洗礼を始める順番に並んで待つように」
「次、ジャウ村出身のガジン!前へ」
「ガジンそなたの《天職》は…
大剣使いだ!」
「よっしゃぁぁあ!これで冒険者だぜ!」
「流石ガジン!次は僕の番だね!」
「ベルそなたの《天職》は…
魔術士だ!」
「ジャックそなたの《天職》は…
弓士だ!」
「次、シェナ=クレントン前へ」
アレガウワサノ… カワイイナ… ザワザワ
「そなたの《天職》は…
聖女である!!!」
オオオオオ!! スゲェーー!! セイジョノタンジョウダ!! ザワザワ
「次アル=シェンベル前へ」
「そなたの《天職》は…
勇者【剣】である!!!」
オオオ!! セイジョニツズイテユウシャトハ… ス、スゲェ! ザワザワ
「最後ヴェル=レガート前へ」
「そなたの《天職》は…
(え?なにこの天職??え?大丈夫これ?まぁ女神様が言ってるから大丈夫っしょ♪)
木こり士である」
「……………………」
「え…?えぇぇぇぇぇえええ???」
ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ
「何だその《天職》は、無能は無能だな!ww」
「エミル神官!」
「どうした?シェナ=クレントン」
「木こり士というのは本当ですか?」
「本当だ」
「神に誓えますか?」
「もちろん」
「そうですか」
「はぁこんなことになるなら無能のヴェルなんかと仲良くしなければ良かったわ、まったく神託がもらえれば少しは優秀になると思ったのに…はぁ…無能!!!」
「シェ……ナ?」
「さっ!アル様ー!こんなやつほっておいて行きましょ!聖女と勇者は魔王を倒す目的があるのでこれから一緒に行動しましょうね!」
「そうだね、行こうか」
「はい!!」
無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能
あたまのなかにずっとひびいてくる
なんで
どうして
ぼくだけ
こんなめに……
今日はいつもと違う日特別な日だ。
この世界ベルントでは10歳になると〔女神の洗礼〕というものを全員が受ける。女神の洗礼、ここでは神託と呼ぼう。神託は1人に1つ存在する《天職》を目覚めさせる効果がある。
「僕だって神託を受けたいよ…でも、もしこれでいい《天職》じゃなかったら本当に家から追放されちゃうよ、そしたら僕もう……」
「あんたねぇー…はぁやってもないのに何でそんなに自信ないのよ、それでも男爵なの??しっかりしなさい、行くわよ!!」
「うぅ…」
僕がこんなにも自信がないのには理由がある。僕はレガート家の血を正式には継いでいない、つまり拾われた子供だからだ。この情報はシェナですら知らない。。。
「ほら早く馬車に乗って!」
「あれぇ~??無能貴族のヴェル君じゃないかぁ、無能でも神託を受け取りに行くんだなwww」
「ガジン今日も口が鋭いなー!まぁ言ってること正しいしなww」
「ベルも口は悪いけどなwwま、実際無能に変わりないしどうせ神託もらっても無能は無能だよ!」
こいつらはガジン、ベル、ジャック。村の3大ガキ大将で僕をいじめてくる。
「うるさいわね!あんた達はさっさと自分の馬車に行きなさいよ!」
チッ「シェナはあんなやつのどこがいいんだよ」
「よーし全員乗ったなぁー!」
先頭から声が聞こえてくる。
(どうかいい神託がもらえますように……!)
◇
「ここが王都シンセル…!!すごい!こんなに建物が多いなんて!」
(シェナは呑気でいいなぁー……)
「これより女神の洗礼を始める順番に並んで待つように」
「次、ジャウ村出身のガジン!前へ」
「ガジンそなたの《天職》は…
大剣使いだ!」
「よっしゃぁぁあ!これで冒険者だぜ!」
「流石ガジン!次は僕の番だね!」
「ベルそなたの《天職》は…
魔術士だ!」
「ジャックそなたの《天職》は…
弓士だ!」
「次、シェナ=クレントン前へ」
アレガウワサノ… カワイイナ… ザワザワ
「そなたの《天職》は…
聖女である!!!」
オオオオオ!! スゲェーー!! セイジョノタンジョウダ!! ザワザワ
「次アル=シェンベル前へ」
「そなたの《天職》は…
勇者【剣】である!!!」
オオオ!! セイジョニツズイテユウシャトハ… ス、スゲェ! ザワザワ
「最後ヴェル=レガート前へ」
「そなたの《天職》は…
(え?なにこの天職??え?大丈夫これ?まぁ女神様が言ってるから大丈夫っしょ♪)
木こり士である」
「……………………」
「え…?えぇぇぇぇぇえええ???」
ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ
「何だその《天職》は、無能は無能だな!ww」
「エミル神官!」
「どうした?シェナ=クレントン」
「木こり士というのは本当ですか?」
「本当だ」
「神に誓えますか?」
「もちろん」
「そうですか」
「はぁこんなことになるなら無能のヴェルなんかと仲良くしなければ良かったわ、まったく神託がもらえれば少しは優秀になると思ったのに…はぁ…無能!!!」
「シェ……ナ?」
「さっ!アル様ー!こんなやつほっておいて行きましょ!聖女と勇者は魔王を倒す目的があるのでこれから一緒に行動しましょうね!」
「そうだね、行こうか」
「はい!!」
無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能
あたまのなかにずっとひびいてくる
なんで
どうして
ぼくだけ
こんなめに……
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