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第三章 

わかってます?③

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「…………先輩、私のコンプレックス知ってます?」
「コンプレックス?」

 そんなのあるのかというように、首を捻る。
 やっぱりわかってないよね。

「子どもっぽい。色気がない。………時々、私は先輩に女として求められてないんじゃないかと不安になるんです」

 先輩が息を呑んだ。
 次の瞬間、唇に吸いつかれた。
 今までにないほど強く吸われて、舌を絡められる。
 髪の毛に指を差し込まれて掻き回すようになでられる。
 散々貪られて、リップ音を響かせて口を離される。

 じっと目を覗き込まれて、「これでも俺がお前を求めてないと思うか?」とささやかれる。

 息を弾ませて上気した顔で、「でも……いつも、私を拒否するじゃないですか! その度に私は悲しくなって……」と訴えると、「拒否なんてしてない!」とまた抱きしめられた。

「色気がどんどん出てきて、かわいくて仕方なくて、どれだけ俺が我慢してると思ってるんだ」

 首元をなでられながら、チュッチュッとキスが落ちてくる。
 先輩を見上げると、また唇を合わされた。
 こんな情熱的な遥斗先輩は初めてだ。
 ひとしきりキスを続けると、唇を離した先輩は、コツンと額を合わせて、私を見つめた。

「……でも、優にそんな思いをさせていたとは知らなかった。前にも言ってたのにな。大事にしたいと言っておいて、その度に傷つけてたんだな。ごめん」
「ううん、私が勝手に不安になってただけなんです。自信がなくて」
「俺はいつだってお前を抱きたいと思ってるよ」

 唇がふれそうな距離でささやかれて、真っ赤になる。

「本当にかわいいな」

 また口づけられ、先輩の手が頬をなで、肩をなで、背中をなでた。
 その官能的な手つきにゾクッとする。

「本当に俺のものにしていいのか?」

 熱い瞳が食い入るように見つめてくる。
 赤くなったまま頷くと、先輩の首元に腕を回して、頭を引き寄せるとキスをした。

「先輩のものにしてください。先輩のこと、全部知りたいんです」

 先輩の目を見つめて、想いを込めて言った。




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