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第三章
どうしよう?③
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熱いほっぺたを手で冷やしながら、二人をすがるように見ると、微笑ましそうに見られていた。
「ようやく自覚したんだねー」
「うん、いつ気づくかと思ってたけど、意外と早かったね」
えぇー、二人ともそんなこと思ってたの?
そんなこと全然言ってなかったじゃん!
じとーっと二人を見ると、「だって、自覚しないと意味ないじゃん」と言われる。
まぁ、そうなんだけどさぁ。
「で、安心して優が遥斗先輩に会えるようになる方法を考えようよ」
さやちゃんが軌道を修正してくれる。
「そうだった! あの噂を広げないようにして、遥斗先輩も納得させないといけないんでしょ? 結構難しくない?」
「うーん、あそこが写真同好会の部室だってみんなに知らせたらいいんじゃない?」
「どうやって?」
「そうねー、写真同好会の会員を募集するとか」
「でも、あそこって遥斗先輩の部屋みたいなものなんでしょ? 会員がいっぱい来たらさすがにうざくない?」
二人がどんどん話を進めるから、呆気にとられて見ていると、優もなにか考えなさいよと言われる。
たしかに、あそこが写真同好会の部室だと知られたら、私が出入りしているのを不審に思われないかも。
でも、菜摘ちゃんの言うように、遥斗先輩の邪魔はしたくない。
「うーん、写真同好会の活動を校内新聞で取り上げてもらうとか?」
「おっ、いいねー。でも、ちょっと地味かな。それに新聞部に知り合いとかいる?」
「いないなぁ」
「………私、ちょっとあてがある」
菜摘ちゃんが顔を赤らめながら言った。
「あっ、もしかして?」
「彼氏?」
「カレシ、ではない」
ぎこちなく菜摘ちゃんが言うから、さやちゃんと目を合わせて、そっとしとこうと頷きあった。
「でも、どんな活動を取り上げてもらうの? ネタがないとさすがに無理じゃない?」
「そうだよねー」
「まぁ、一度相談してみるよ」
「ホント? ありがとう、菜摘ちゃん」
「優もなにかネタを考えといてね」
「うん」
相談してよかった。
このまま遥斗先輩に会えなくなるのは嫌だ。
だって、一日会ってないだけで、もう会いたいんだもん。
そっか、好きだったんだ。
自覚してしまうと、遥斗先輩の顔を思い浮かべただけで、顔が火照ってしまう。
予鈴が鳴って、お昼の相談会はお開きになった。
「ようやく自覚したんだねー」
「うん、いつ気づくかと思ってたけど、意外と早かったね」
えぇー、二人ともそんなこと思ってたの?
そんなこと全然言ってなかったじゃん!
じとーっと二人を見ると、「だって、自覚しないと意味ないじゃん」と言われる。
まぁ、そうなんだけどさぁ。
「で、安心して優が遥斗先輩に会えるようになる方法を考えようよ」
さやちゃんが軌道を修正してくれる。
「そうだった! あの噂を広げないようにして、遥斗先輩も納得させないといけないんでしょ? 結構難しくない?」
「うーん、あそこが写真同好会の部室だってみんなに知らせたらいいんじゃない?」
「どうやって?」
「そうねー、写真同好会の会員を募集するとか」
「でも、あそこって遥斗先輩の部屋みたいなものなんでしょ? 会員がいっぱい来たらさすがにうざくない?」
二人がどんどん話を進めるから、呆気にとられて見ていると、優もなにか考えなさいよと言われる。
たしかに、あそこが写真同好会の部室だと知られたら、私が出入りしているのを不審に思われないかも。
でも、菜摘ちゃんの言うように、遥斗先輩の邪魔はしたくない。
「うーん、写真同好会の活動を校内新聞で取り上げてもらうとか?」
「おっ、いいねー。でも、ちょっと地味かな。それに新聞部に知り合いとかいる?」
「いないなぁ」
「………私、ちょっとあてがある」
菜摘ちゃんが顔を赤らめながら言った。
「あっ、もしかして?」
「彼氏?」
「カレシ、ではない」
ぎこちなく菜摘ちゃんが言うから、さやちゃんと目を合わせて、そっとしとこうと頷きあった。
「でも、どんな活動を取り上げてもらうの? ネタがないとさすがに無理じゃない?」
「そうだよねー」
「まぁ、一度相談してみるよ」
「ホント? ありがとう、菜摘ちゃん」
「優もなにかネタを考えといてね」
「うん」
相談してよかった。
このまま遥斗先輩に会えなくなるのは嫌だ。
だって、一日会ってないだけで、もう会いたいんだもん。
そっか、好きだったんだ。
自覚してしまうと、遥斗先輩の顔を思い浮かべただけで、顔が火照ってしまう。
予鈴が鳴って、お昼の相談会はお開きになった。
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