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第二章 ― 遥斗 ―
希望③
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翌朝の月曜日、弁当を渡してくれる優に、「今週で弁当は終わりでいい。延長はしなくていいからな」と告げた。
「え、でも……」
「モデルなら、なにもなくてもやってやる。もうそういうのは止めたんだ。真奈美のも断る」
そう言うと、優は息を呑んだ。
「でも、ご飯は?」
「和田先生に調理室の使用許可を取ってもらって自炊する」
「遥斗先輩って料理できるんですか?」
「うまくはないが、自分が食べる分くらいは作れるさ。小学生の頃からやってる」
「小学生から……すごいですねー」
余計なことを言った。
優の顔が一瞬歪んだが、無理やり明るく返された。
「でも、私、すっかりお弁当作りが趣味になっちゃったから、たまには食べてくださいね」
優が優しい逃げ道を用意してくれる。
なんて答えたらいいかわからず、沈黙を続けるとようやく「……お前がどうしてもと言うならもらう」と返した。
優はにっこりと笑った。
優が去ってから、パソコンを立ち上げ、メールチェックをする。
バイトの連絡先にしているし、手作りサイトのお知らせも届くということで、定期的にチェックするように言われているからだ。
新着メールに「あなたの商品が売れました!」というタイトルのものがあった。
マジか!
急いでクリックして開いてみると、唯一5000円と値付けした絵が売れていた。
優にやると約束した絵がよりによって。
彩りにこの絵を出してもいいと言ったのは優だった。5000円にしておけば高いから売れないだろうと。
……マジか。
優はがっかりするだろうな。
絵が売れたの自体は喜んでくれるだろうが。
メールには配送の手続き等が書いてあった。
こんなにすぐ売れるとは思っていなかったので、配送とかなんにも考えていなかった。
折れないようにとか、梱包方法を考えなくてはならないな。
今さらながら絵の販売が現実味を帯びてきた。
配送はいつも絵を送ってもらっている宅急便屋に持ち込んだらいいだろう。
優の知り合いによると、商品になにかメッセージカードを付けた方がいいということだったので、絵付きの小さいカードを用意しようと話していたが、まだ作っていない。
夕方、優が来たら相談しよう。
そう思って、ふと止まる。
いやいや、俺はなんで年下の女の子に頼ろうとしているんだ。
違うだろ。
「え、でも……」
「モデルなら、なにもなくてもやってやる。もうそういうのは止めたんだ。真奈美のも断る」
そう言うと、優は息を呑んだ。
「でも、ご飯は?」
「和田先生に調理室の使用許可を取ってもらって自炊する」
「遥斗先輩って料理できるんですか?」
「うまくはないが、自分が食べる分くらいは作れるさ。小学生の頃からやってる」
「小学生から……すごいですねー」
余計なことを言った。
優の顔が一瞬歪んだが、無理やり明るく返された。
「でも、私、すっかりお弁当作りが趣味になっちゃったから、たまには食べてくださいね」
優が優しい逃げ道を用意してくれる。
なんて答えたらいいかわからず、沈黙を続けるとようやく「……お前がどうしてもと言うならもらう」と返した。
優はにっこりと笑った。
優が去ってから、パソコンを立ち上げ、メールチェックをする。
バイトの連絡先にしているし、手作りサイトのお知らせも届くということで、定期的にチェックするように言われているからだ。
新着メールに「あなたの商品が売れました!」というタイトルのものがあった。
マジか!
急いでクリックして開いてみると、唯一5000円と値付けした絵が売れていた。
優にやると約束した絵がよりによって。
彩りにこの絵を出してもいいと言ったのは優だった。5000円にしておけば高いから売れないだろうと。
……マジか。
優はがっかりするだろうな。
絵が売れたの自体は喜んでくれるだろうが。
メールには配送の手続き等が書いてあった。
こんなにすぐ売れるとは思っていなかったので、配送とかなんにも考えていなかった。
折れないようにとか、梱包方法を考えなくてはならないな。
今さらながら絵の販売が現実味を帯びてきた。
配送はいつも絵を送ってもらっている宅急便屋に持ち込んだらいいだろう。
優の知り合いによると、商品になにかメッセージカードを付けた方がいいということだったので、絵付きの小さいカードを用意しようと話していたが、まだ作っていない。
夕方、優が来たら相談しよう。
そう思って、ふと止まる。
いやいや、俺はなんで年下の女の子に頼ろうとしているんだ。
違うだろ。
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