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第一章 ― 優 ―
おせっかいの出番③
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菜摘ちゃんが不思議そうに聞いた。
やっぱりそう思うよね。
「うん、そうみたい。事情はわからないんだけど」
「えー、久住先輩かわいそう」
「うん……」
今度はさやちゃんが言った。
かわいそうだけど、かわいそうと思ってほしくないんだろうな、遥斗先輩は。
淡々と表情を見せない美しい顔を思い浮かべる。
「そこで、おせっかい優の出動ってわけね」
菜摘ちゃんがニヤニヤしながら言った。
バレてる。
彼女にはおせっかいすぎていろいろやらかしたところを散々見られていた。
「できるだけ力になりたいと思ってるけど、デリケートな感じだし、あんまりズカズカと踏み込んでもね……」
「そうだねー。大人と相談しないと私たちじゃできること少ないかもね」
「残念だけどね」
ため息をつく私に釣られて、二人も暗い顔になる。普通に共感してくれる二人がうれしい。
しんみりしてしまった空気をふっ飛ばすように、明るい声を出した。
「そういえばね、写真同好会作るの!」
「いきなりだねー」
「そんなの作りたいって言ってたっけ?」
案の定、二人は新たな話題に食いついた。
「写真部の部室に高性能カラープリンターがあったから、それを使いたくて、管理してる和田先生のところに行ったの。そしたら3人メンバーがいたらいいよって言うから、遥斗先輩とさっき言ってた夜担当の真奈美先輩に入ってもらうことにしたの」
「相変わらず、すごい実行力ね……」
「巻き込み力もすごい……」
二人はあきれたような目を向けてきた。
「え、だって、あのプリンター使いたいもん。せっかく撮った写真をキレイに印刷したいでしょ? あそこならやり放題なんだよ?」
「欲望に忠実な女……」
「久住先輩はそれでいいの?」
「あ……確認してなかった」
絵を描く邪魔になるかな? でも、印刷するときだけだから、ずっと入り浸るわけじゃないし。
「でも、嫌とは言ってなかったし、放課後に聞いてみる」
「こうして久住先輩はグイグイ優に入り込まれていくのね」
「なんだかちょっと久住先輩が気の毒になってきた」
「えー、なによー! 違うわよ!」
ひどい言われように、私は頬を膨らました。
放課後、まずは歴史教官室に向かった。
トントン
「和田先生ー!」
ノックして逸る気持ちで中に入る。
「メンバー集めてきましたよ!」
「もう集まったのか!」
「だって、3人ですし、遥斗先輩と真奈美先輩が入ってくれるって。3年の山下真奈美先輩ってご存知ですか?」
「あぁ、知ってる。っていうか、あの遥斗が頷いたのか?」
和田先生は信じられないという表情をしている。
「はい、ほら証拠です。名前だって、ちゃんと書いてもらったんです」
「本当だ……」
「まぁ、ちょっと脅しちゃったけど」
やっぱりそう思うよね。
「うん、そうみたい。事情はわからないんだけど」
「えー、久住先輩かわいそう」
「うん……」
今度はさやちゃんが言った。
かわいそうだけど、かわいそうと思ってほしくないんだろうな、遥斗先輩は。
淡々と表情を見せない美しい顔を思い浮かべる。
「そこで、おせっかい優の出動ってわけね」
菜摘ちゃんがニヤニヤしながら言った。
バレてる。
彼女にはおせっかいすぎていろいろやらかしたところを散々見られていた。
「できるだけ力になりたいと思ってるけど、デリケートな感じだし、あんまりズカズカと踏み込んでもね……」
「そうだねー。大人と相談しないと私たちじゃできること少ないかもね」
「残念だけどね」
ため息をつく私に釣られて、二人も暗い顔になる。普通に共感してくれる二人がうれしい。
しんみりしてしまった空気をふっ飛ばすように、明るい声を出した。
「そういえばね、写真同好会作るの!」
「いきなりだねー」
「そんなの作りたいって言ってたっけ?」
案の定、二人は新たな話題に食いついた。
「写真部の部室に高性能カラープリンターがあったから、それを使いたくて、管理してる和田先生のところに行ったの。そしたら3人メンバーがいたらいいよって言うから、遥斗先輩とさっき言ってた夜担当の真奈美先輩に入ってもらうことにしたの」
「相変わらず、すごい実行力ね……」
「巻き込み力もすごい……」
二人はあきれたような目を向けてきた。
「え、だって、あのプリンター使いたいもん。せっかく撮った写真をキレイに印刷したいでしょ? あそこならやり放題なんだよ?」
「欲望に忠実な女……」
「久住先輩はそれでいいの?」
「あ……確認してなかった」
絵を描く邪魔になるかな? でも、印刷するときだけだから、ずっと入り浸るわけじゃないし。
「でも、嫌とは言ってなかったし、放課後に聞いてみる」
「こうして久住先輩はグイグイ優に入り込まれていくのね」
「なんだかちょっと久住先輩が気の毒になってきた」
「えー、なによー! 違うわよ!」
ひどい言われように、私は頬を膨らました。
放課後、まずは歴史教官室に向かった。
トントン
「和田先生ー!」
ノックして逸る気持ちで中に入る。
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「だって、3人ですし、遥斗先輩と真奈美先輩が入ってくれるって。3年の山下真奈美先輩ってご存知ですか?」
「あぁ、知ってる。っていうか、あの遥斗が頷いたのか?」
和田先生は信じられないという表情をしている。
「はい、ほら証拠です。名前だって、ちゃんと書いてもらったんです」
「本当だ……」
「まぁ、ちょっと脅しちゃったけど」
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