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13. 実家
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その週は、なんとなくどちらかの部屋で夕食を食べて、抱き合って寝た。
そして、土曜日に二人で私の実家に行った。
母は、聡太のイケメンぶりに大喜び。
父は、最初は無表情に頷くだけだったけど、如才ない聡太のしゃべりにだんだん顔がほぐれてきて、手土産に持ってきた大好きな焼酎が出てくる頃にはにこにこしていた。
二人が結婚に反対するはずもなく、かえっていつ結婚式を挙げるのかと聞かれて、うろたえた。
なにも考えてなかったから。
「式はこれからゆっくり計画しますが、籍はすぐにでも入れたいと思ってます」
聡太が言った。
初耳なんだけど……?
私が聡太を見ると、ダメ?と聞いてくる。
「ダメじゃないけど……」
「それなら、いい夫婦の日に入籍したら? 覚えやすくていいじゃない」
母がノリノリで口を出してくる。
「いい夫婦の日?」
「11月22日だよ。いいですね。そうしようか?」
「あと1ヶ月くらいしかないじゃない!」
「イヤなの?」
「イヤ、じゃないけど……」
「じゃあ、決まり!」
出た、聡太のソフト押し。
「でも、まだ聡太の実家に挨拶に行ってないし、親の顔合わせは?」
「うちは別に後でいいよ。多摩市だからすぐ行けるし」
「そういう訳にはいかないよ」
「そうだぞ。それはちゃんとしておかないと。11月の連休の辺りはどうだ? そうしたら22日に間に合うだろ?」
「ありがとうございます。親に聞いてみます」
……お父さんもいい夫婦の日推奨派なのね。
「もう、なんでみんな急ぐのよ!」
「「「善は急げって言うでしょ?(だろ?)」」」
異口同音で言われた。
「気が合いますね」と聡太がにこにこしている。
「もう、わかったわよ…」
早すぎる展開にクラクラしながら、頷いた。
夕食を食べて、電車で家に帰る。
電車に揺られながら、聡太が繋いでた手に力を込めた。
「今更だけど、よかった?」
「ん? なにが?」
「入籍の日を強引に決めちゃったけど」
「あぁ」
私は本当に今更心配そうにしてる聡太に微笑んだ。
「急だなと思ったけど、結婚自体には同意してるんだから別にいいわよ」
「よかった。ちょっと急すぎるかなと思ったけど、お義父さん達が掩護してくれるから、つい」
「聡太が強引なのはいつものことよ」
笑う私に聡太は口を尖らせた。
そんなにいつも強引かなぁと。
「あと、よっぽど聡太が気に入ったのよ」
「そうかな? そうだといいな」
「そうよ。そうじゃなきゃ、仮にも大事な一人娘をほいほいあげたりしないわ」
「確かに」
聡太は笑って、私の手を持ち上げると甲に口づけた。
「ちょっと!」
「これくらい許してよ。本当は抱きしめたいのを我慢してるんだから」
「もう……」
そう言いながら、私も聡太に抱きつきたい気分だった。
この人と本当に結婚するんだ……。
実家に行って、実感が湧いた。
前の彼とはそういう話が出ただけで、親にはまだ言ってなかった。
今となってはよかったなぁ。
親に心配かけずに済んだし、聡太の方が数百倍もいい。
私も聡太の手を持ち上げ、そこにキスをした。
その瞬間、聡太が真っ赤になる。
「ちょ、ちょっと待って。あやさん、不意打ちすぎるよ」
めずらしい聡太の動揺する姿に、この人って本当に私が好きなんだとうれしくなる。
抱きつけはしないから、腕を組んでみた。
「もー、あやさん、後で覚えといてよ」
赤い顔のまま、聡太がチラリと見た。
「ふふっ。だって、聡太だってしたじゃない」
「そーだけど! あやさんのは破壊力がありすぎなの!」
マンションに帰ってから、やっぱり自分の部屋には帰してもらえず、聡太の部屋へ連れ込まれる。
部屋に入るなり、深いキスをされて、ベッドに直行。
散々喘がされた。
そして、土曜日に二人で私の実家に行った。
母は、聡太のイケメンぶりに大喜び。
父は、最初は無表情に頷くだけだったけど、如才ない聡太のしゃべりにだんだん顔がほぐれてきて、手土産に持ってきた大好きな焼酎が出てくる頃にはにこにこしていた。
二人が結婚に反対するはずもなく、かえっていつ結婚式を挙げるのかと聞かれて、うろたえた。
なにも考えてなかったから。
「式はこれからゆっくり計画しますが、籍はすぐにでも入れたいと思ってます」
聡太が言った。
初耳なんだけど……?
私が聡太を見ると、ダメ?と聞いてくる。
「ダメじゃないけど……」
「それなら、いい夫婦の日に入籍したら? 覚えやすくていいじゃない」
母がノリノリで口を出してくる。
「いい夫婦の日?」
「11月22日だよ。いいですね。そうしようか?」
「あと1ヶ月くらいしかないじゃない!」
「イヤなの?」
「イヤ、じゃないけど……」
「じゃあ、決まり!」
出た、聡太のソフト押し。
「でも、まだ聡太の実家に挨拶に行ってないし、親の顔合わせは?」
「うちは別に後でいいよ。多摩市だからすぐ行けるし」
「そういう訳にはいかないよ」
「そうだぞ。それはちゃんとしておかないと。11月の連休の辺りはどうだ? そうしたら22日に間に合うだろ?」
「ありがとうございます。親に聞いてみます」
……お父さんもいい夫婦の日推奨派なのね。
「もう、なんでみんな急ぐのよ!」
「「「善は急げって言うでしょ?(だろ?)」」」
異口同音で言われた。
「気が合いますね」と聡太がにこにこしている。
「もう、わかったわよ…」
早すぎる展開にクラクラしながら、頷いた。
夕食を食べて、電車で家に帰る。
電車に揺られながら、聡太が繋いでた手に力を込めた。
「今更だけど、よかった?」
「ん? なにが?」
「入籍の日を強引に決めちゃったけど」
「あぁ」
私は本当に今更心配そうにしてる聡太に微笑んだ。
「急だなと思ったけど、結婚自体には同意してるんだから別にいいわよ」
「よかった。ちょっと急すぎるかなと思ったけど、お義父さん達が掩護してくれるから、つい」
「聡太が強引なのはいつものことよ」
笑う私に聡太は口を尖らせた。
そんなにいつも強引かなぁと。
「あと、よっぽど聡太が気に入ったのよ」
「そうかな? そうだといいな」
「そうよ。そうじゃなきゃ、仮にも大事な一人娘をほいほいあげたりしないわ」
「確かに」
聡太は笑って、私の手を持ち上げると甲に口づけた。
「ちょっと!」
「これくらい許してよ。本当は抱きしめたいのを我慢してるんだから」
「もう……」
そう言いながら、私も聡太に抱きつきたい気分だった。
この人と本当に結婚するんだ……。
実家に行って、実感が湧いた。
前の彼とはそういう話が出ただけで、親にはまだ言ってなかった。
今となってはよかったなぁ。
親に心配かけずに済んだし、聡太の方が数百倍もいい。
私も聡太の手を持ち上げ、そこにキスをした。
その瞬間、聡太が真っ赤になる。
「ちょ、ちょっと待って。あやさん、不意打ちすぎるよ」
めずらしい聡太の動揺する姿に、この人って本当に私が好きなんだとうれしくなる。
抱きつけはしないから、腕を組んでみた。
「もー、あやさん、後で覚えといてよ」
赤い顔のまま、聡太がチラリと見た。
「ふふっ。だって、聡太だってしたじゃない」
「そーだけど! あやさんのは破壊力がありすぎなの!」
マンションに帰ってから、やっぱり自分の部屋には帰してもらえず、聡太の部屋へ連れ込まれる。
部屋に入るなり、深いキスをされて、ベッドに直行。
散々喘がされた。
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