営業部のイケメンエースは、さわやかなヘンタイでした。

入海月子

文字の大きさ
上 下
16 / 57

デートみたい③

しおりを挟む
「デザート食べる?」
「……はい」

 ふくれる私に木佐さんは涼しい顔をして、メニューを渡してくる。
 デザートの欄を見て、パンナコッタかティラミスで迷う。
 結局、ティラミスにしたら、木佐さんがパンナコッタにしていた。

「おいしい」

 デザートのティラミスを一口食べて、その美味しさにほぅっと息を吐いた。
 
「こっちもおいしいよ。食べてみる?」

 ナチュラルにスプーンを差し出されて、パクンと食べてしまう。
 しまったと思うけど、その瞬間、ふるっとした食感に優しい甘みが口に広がって、頬が緩んでしまった。

「ほんと、おいしいです」

 目を細めた木佐さんは「俺にもティラミスちょうだい」と言う。お皿を移動させようとしたら、「食べさせてよ」とニコニコ圧をかけてくるから仕方なく、一口分をスプーンですくって、差し出した。 
 うれしそうに木佐さんはそれを口に入れ、うなずいた。

「ティラミスもおいしいね。宇佐ちゃんの唾液がついてると思えばなおさら」
「変態!」

 どうしてそういうことを言う必要があるのかしら。
 思っても言わないでほしい。
 木佐さんをにらみつける。
 スプーンがとっても使いづらくなった。

 
 夕食を終えて、車に乗ると、案の定、木佐さんのマンションに連れていかれた。
 泊まりの用意と言われたのはそういうことだろう。
 将司さんとのことをバラされたくないから仕方ない。
 そっと溜め息をついた。
 
 部屋に入って、ソファーに座るなり、木佐さんが抱きしめてきた。
 耳に口づけ、首すじをペロペロと舐める。手は身体をなで回す。
 
「今日はムラムラしっぱなしだったなぁ。何度ここに引き返して押し倒したいと思ったことか。我慢した俺を褒めて」

 終始さわやかな笑顔だったくせに、そんなことを考えていたなんてと、私はあきれた目を向けた。

「そのまなざし、いいね~。グッとくる。俺のことを相手にしてない女ってゾクゾクするね」

 木佐さんはモテすぎて、感覚がおかしくなっちゃったのかしら?
 この人が普通にしてるだけで、狙ってくる女性は山ほどいるはず。それが嫌になったのかな?
 変態チックな言動以外は、ハイスペックだもんね。
 しげしげと彼の顔を見ていると、クスッと笑った木佐さんは私の脚をいきなり持ち上げた。

「きゃあ」

 ワンピースがまくれあがって、下着が晒される。
 スルッとタイツごとショーツを脱がされる。
 股に顔をうずめられる。

「だ……、ひゃん! だめっ! やんっ!」

 制止しようとしたのに、ペロリと舐め上げられて、腰が跳ねた。
 絶対汚いのに、イヤなのに、蜜をすするようにペロペロ舐められて、指で愛芽をなでられて、とめようとする手に力が入らない。ただ、木佐さんの頭をなで回すだけになる。

「だめっ、汚いです! ああっ、だめっ!」
「俺、宇沙ちゃんの匂い、好きなんだよね~。おいしいよ」
「あ、やぁあぁあ、へんたい……! もぅ、やだあ……」

 木佐さんは笑ってそんなことを言い、私は涙目になった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

パパのお嫁さん

詩織
恋愛
幼い時に両親は離婚し、新しいお父さんは私の13歳上。 決して嫌いではないが、父として思えなくって。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

処理中です...