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やけに腰が重いなと思いつつ、ふと意識が覚醒した。
目の前に、ダンケルトの顔があった。
「えっ!? ど、どうして?」
私は彼の腕に包まれるようにして寝ていた。
しかも、二人とも裸だ。
激しく同様して、目を瞠る。
(どうして、ダンケルトと寝てるの?)
ダンケルトは、私の声に目を開いた。
そして、ガバッと起きあがると、深く頭を下げる。
「すまない!」
驚いて、私も身を起こそうとしたけど、下半身が泥のように重くて、ノロノロとしか起きあがれない。
「大丈夫か?」
ダンケルトは手を貸してくれて、ベッドに座った私をシーツで包んだ。
(どういう状況?)
混乱した私は、眠りにつく前の記憶を呼びさまそうとした。
でも、こうなった過程をまったく思い出せない。
(たしか、自主練を終えたあと、更衣室に行って……?)
ニヤニヤとした三馬鹿トリオの顔が浮かんだ。
「……あ、の、クズども!」
レイプ薬を使われたんだと察した。
それで、きっと私はダンケルトのところに来たのね。
身体の奥の違和感は……彼に抱かれたんだ……。
覚えてないのは残念だけど、それでもうれしくて、ダンケルトを見上げると、彼はビクッと肩を震わせた。
「申し訳ない。俺はクズだな……」
目を逸らしてうつむくダンケルトに、慌てて否定する。
「違うわ! クズって言ったのは三バカのことよ! 私は自らの意志でここに来たんでしょ? 覚えてないけど」
「いや……、お前は部屋を間違えたんだ。隣のイヴァンのところに行こうとしてたのに」
そう言われて、キョトンとした。
「どうして私がイヴァンのところに行くの?」
「イヴァンが好きだからだろう?」
「なんで? 私が好きなのはダンケルトなのに!」
叫んだ拍子に、昨夜、声にならない声で同じことを叫んだことを思い出した。そして、そのほかの断片も。
──『エリカ……お前が好きだ』
そうささやかれたのは夢だったのかしら?
私がぼんやりしてると、両肩を持たれて、ダンケルトが顔を覗き込んできた。
「エリカ! もう一度言ってくれ!」
「えっ?」
勢いで告白してしまったことに気づき、動揺する。
(そんなこと、もう言えるはずがないわ!)
頬が熱くなってうつむくと、顎を掴まれ、無理やり顔を上げさせられた。
近い距離で目が合う。
必死なダンケルトの瞳に見覚えがあって、息を呑む。
「エリカ、好きだ! お前もそうだと言ってくれ!」
胸が高鳴る。体温が急上昇する。
(ダンケルト、本当に?)
にわかには信じられなくて、まじまじと彼を見る。でも、その顔はからかう様子もなく、ただひたすらに私を求めていた。
「ダンケルト……」
好き、という言葉とともに彼にキスをした。
唇を離して、ダンケルトを見ると、今度は彼からキスをくれた。
キスは終わることなく、そのまま押し倒される。
胸をなでられ、剣だこが乳首をかすって、ビクンと身体が震えた。
昨夜、さんざん快楽を教えこまれた身体は即座に反応して、蜜を垂らす。
「エリカ、好きだ」
もう一度、言ってくれたダンケルトは、つぷりと私の中に指を挿れた。
ぐるりと回すように指を動かし、私の準備が整っているのを確かめて、硬くなったものを突き入れた。
目の前に、ダンケルトの顔があった。
「えっ!? ど、どうして?」
私は彼の腕に包まれるようにして寝ていた。
しかも、二人とも裸だ。
激しく同様して、目を瞠る。
(どうして、ダンケルトと寝てるの?)
ダンケルトは、私の声に目を開いた。
そして、ガバッと起きあがると、深く頭を下げる。
「すまない!」
驚いて、私も身を起こそうとしたけど、下半身が泥のように重くて、ノロノロとしか起きあがれない。
「大丈夫か?」
ダンケルトは手を貸してくれて、ベッドに座った私をシーツで包んだ。
(どういう状況?)
混乱した私は、眠りにつく前の記憶を呼びさまそうとした。
でも、こうなった過程をまったく思い出せない。
(たしか、自主練を終えたあと、更衣室に行って……?)
ニヤニヤとした三馬鹿トリオの顔が浮かんだ。
「……あ、の、クズども!」
レイプ薬を使われたんだと察した。
それで、きっと私はダンケルトのところに来たのね。
身体の奥の違和感は……彼に抱かれたんだ……。
覚えてないのは残念だけど、それでもうれしくて、ダンケルトを見上げると、彼はビクッと肩を震わせた。
「申し訳ない。俺はクズだな……」
目を逸らしてうつむくダンケルトに、慌てて否定する。
「違うわ! クズって言ったのは三バカのことよ! 私は自らの意志でここに来たんでしょ? 覚えてないけど」
「いや……、お前は部屋を間違えたんだ。隣のイヴァンのところに行こうとしてたのに」
そう言われて、キョトンとした。
「どうして私がイヴァンのところに行くの?」
「イヴァンが好きだからだろう?」
「なんで? 私が好きなのはダンケルトなのに!」
叫んだ拍子に、昨夜、声にならない声で同じことを叫んだことを思い出した。そして、そのほかの断片も。
──『エリカ……お前が好きだ』
そうささやかれたのは夢だったのかしら?
私がぼんやりしてると、両肩を持たれて、ダンケルトが顔を覗き込んできた。
「エリカ! もう一度言ってくれ!」
「えっ?」
勢いで告白してしまったことに気づき、動揺する。
(そんなこと、もう言えるはずがないわ!)
頬が熱くなってうつむくと、顎を掴まれ、無理やり顔を上げさせられた。
近い距離で目が合う。
必死なダンケルトの瞳に見覚えがあって、息を呑む。
「エリカ、好きだ! お前もそうだと言ってくれ!」
胸が高鳴る。体温が急上昇する。
(ダンケルト、本当に?)
にわかには信じられなくて、まじまじと彼を見る。でも、その顔はからかう様子もなく、ただひたすらに私を求めていた。
「ダンケルト……」
好き、という言葉とともに彼にキスをした。
唇を離して、ダンケルトを見ると、今度は彼からキスをくれた。
キスは終わることなく、そのまま押し倒される。
胸をなでられ、剣だこが乳首をかすって、ビクンと身体が震えた。
昨夜、さんざん快楽を教えこまれた身体は即座に反応して、蜜を垂らす。
「エリカ、好きだ」
もう一度、言ってくれたダンケルトは、つぷりと私の中に指を挿れた。
ぐるりと回すように指を動かし、私の準備が整っているのを確かめて、硬くなったものを突き入れた。
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