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突然の別れ
夢魔はじめました。
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翌朝、ライアンと宿で朝食を取っていると、華やかな声がした。
「あー、間に合ってよかった」
振り向くと、ルシードだった。
「ルシード、おはようございます」
「うん、おはよー。エマ、これ取ってきたよ」
そう言ってルシードが差し出したのは、私のカバンだった。
前の世界から持ってきた、前の世界と唯一繋がるもの。
もう諦めてたのに……。
「あそこって微妙に遠いし、エマは行きたくないでしょ?だから……」
「ルシード……ありがとうございます!」
思わず、彼に抱きついた。
どうしてこんなに優しいんだろう。
私はなにも返せないのに。
涙が溢れてくる。
「おっと役得!」
ルシードは優しく私を受け止めて、涙をペロッと舐めた。
綺麗な顔がニコリと笑った。
「じゃあ、お礼にキスを…………ッ!」
私はルシードの頬にチュッと口づけた。
彼はビックリした顔をした後、盛大に照れた。
色白の頬が赤くなっている。
「ちょっとエマ、不意打ちは止めてよね……」
「ルシード、本当にありがとうございます!」
感謝の眼差しで彼を見上げると、後ろからベリッと身体を剥がされた。
「ルシード、俺からも礼を言う。エマがこんなに喜ぶなら、俺が取りに行けばよかった」
悔しそうなライアンが私を後ろから抱きしめた。
「そんなこといいんですよ!諦めてたんですから」
「でも、思い入れがあったんだろ?気づかなくてごめん」
そんな私達をルシードがおもしろそうに眺める。
「ライアンは、もうちょっと乙女心を研究した方がいいんじゃない?」
「腹立たしいが……その通りだな」
「ライアンはそのままでいいんですよ?」
「うわぁ、全肯定だ」
「だって、今のままで十分優しくって、素敵で、かわいいところもあって……」
「ストップ!僕に彼の良さを語らなくてもいいから!」
「ご、ごめんなさい」
あきれたようなルシードに、カァっと赤くなる。
ライアンが「ありがとう」と頬にキスを落とした。
「二人が仲良しでなによりだよ。夢魔のおとぎ話として、ぜひめでたしめでたしとなってね」
ニヤニヤ笑う彼に、気になっていたことを思い出した。
「ルシード、もし人間に戻れるとしたら、どうします?もしかしたら、その件で神さまがそのうち話しかけてくるかもしれないんです」
「えー、今さらだね。夢魔って便利だし、どうしようかなぁ」
迷うんだ。
ルシードなら、夢魔のままでいいよと言うと思ってた。
「人間かぁ……」
彼は少し考え込んだ後、「考えとくよ」とつぶやいた。
「………僕、アーデルトに帰ることにするよ」
「じゃあ、一緒に?」
「いや、ここで遊んでいくのは変わりないから、君達とはここでお別れだね」
「え……」
今まで通り、ルシードは旅の合間に顔を出してくれるものと思ってた。
突然の別離の言葉にさみしさがこみ上げる。
「僕に会いたくなったら、アーデルトに来てよ。もしくはライアンに愛想を尽かしたらね」
「そんなことは……」
「そんなことはないっ!」
ライアンが抱きしめる腕にギュギュッと力を入れた。
大丈夫と腕をポンポンと叩くと、力を緩めてくれた。
「ハハハッ からかい甲斐があるなぁ。それじゃあ、またね」
ルシードはあっさりと言って、去っていった。
半ば唖然として、その後ろ姿を見つめていたら、ライアンが聞いてきた。
「さみしいのか?」
「はい……」
「俺がいても…?」
少し拗ねたような声に振り返って笑う。
「それは全然違う話ですよ。お友達が離れて行ってしまう気持ちです」
そう、ルシードはこの世界に来て初めての友達かもしれない。
彼がそう思ってるかはわからないけど。
「そうか……友達ね」
ライアンは自分を納得させるように頷いた。
食後、荷物をまとめて宿を出た。
待ち合わせ場所に急ぐ。
ルシードと話してたから、ちょっと遅くなってしまったのだ。セレナを飛び越えて、ナレームという街行きの馬車に乗るらしい。
結局、セレナとは縁がなかったなぁ。
馬車乗り場に着くと、もうアスランとシオリちゃんが来ていた。
「おはようございます。遅くなってごめんなさい」
「おはようございます。馬車の時間までまだ余裕があるから大丈夫ですよ」
間に合ってよかった。
これから一ヶ月ほど一緒に旅をするのに、出足から遅れたくはない。
改めて挨拶をして、馬車に乗り込む。
もう瞳の色を気にしなくていいから、とても気持ちが楽だ。
ライアンも同じことを思ったのか、「日中エマにキスできる大義名分がなくなって残念だよ」と耳許で冗談を言う。
もう……。
私は赤くなった。
グランデルブルクへの旅は順調だった。
夢魔を隠す必要もなく、悪魔教の使徒に襲われることもなく、騎士が二人いることで、変な人からも狙われることもなかった。
強いて言えば、体力がないから、馬車に一日揺られているだけで、結構疲れてしまって、そこに毎晩ライアンが愛してくれるので、毎日ヘトヘトだった。
その状況を説明して、ライアンには一日一回と約束してもらったんだけど、一回がひたすら長くなっただけだった。
これなら二回でも三回でも変わらないかも。
ライアンに我慢させてるだけになってしまってるのが申し訳なく思って、回数じゃなくて、時間にしてもらおうかしらと本気で考えている。
そんな訳で、馬車の中ではついうとうとしてることが多くなったんだけど、アスランやシオリちゃんともいろんな話をした。
ある日、馬車の休憩中に二人になった時にずっと聞きたかったことを聞いてみた。
「シオリちゃんっていくつですか?あ、年下に見えたからずっとシオリちゃんって呼んでたけど、大丈夫だった?私は21歳ですけど」
「大丈夫ですよ。私は18歳です。だから、丁寧語使わなくていいですよ?」
「ありがとう。シオリちゃんもタメ語でいいよ。ずっと仲良くなれたらいいなと思ってたから」
「本当?ありがとう!友達いないからうれしい!」
シオリちゃんは本当にうれしそうに笑ってくれた。
「それで……ずっと聞いてみたかったんだけど、シオリちゃん、『日本』ってわかる?」
「…………っ!」
彼女は丸っこい目をさらに真ん丸にした。
「えっ、もしかしてエマさんも?」
「やっぱりシオリちゃんも転生してきたの?」
「そうなんです!私は加藤詩織と言います。高校を卒業したところだったんです」
「私は高橋絵舞。大学四年生だったの」
なんか突然日本語でしゃべってる気がした。
「どういう漢字ですか?」
「絵画の絵に、踊りの舞なの。シオリちゃんは?」
「絵舞さんですね。私はポエムの詩に、布を織る織です」
「詩織ちゃんね。詩織ちゃん、丁寧語に戻ってるよ」
「本当だ!」
えへへと詩織ちゃんは笑った。
懐かしい日本の言葉に触れて、二人とも涙ぐんだ。
「日本に戻りたい?」
「全然!私、ずっと病気で入院してたんです。家族にも厄介者扱いされて、学校にもほとんど行けなくて、看護婦さんは優しかったけど、ずっとさみしかった。それが、ここに来て、こんなに元気になって、自由に動けて、最高!」
「そうだったんだ…。私は家族が事故で死んじゃって、一人で過ごしてきたから、やっぱりさみしくて……私もこっちの方がいい」
神さまは孤独な人を転生させてるのかな…。
生きることを楽しんでほしいって言ってたもんね。
でも、夢魔は極端だと思うんだけど。
「あの……ここに来た時、絵舞さんも夢魔だった?」
ためらいがちに詩織ちゃんが聞いてきて、驚いた。
「詩織ちゃんも夢魔だったの?今は人間に戻った?」
「はい。ちょっと前に突然神さまが話しかけてきて、『戻りたいなら人間に戻してあげる』って」
「そうだったんだ。大変だったよね……」
遠い目をすると、詩織ちゃんも顔を赤らめて頷いた。
じゃあ、詩織ちゃんもアスランと?
私も赤くなってしまった。
「でも、そのおかげでアスランと出会えたから……」
「うん、そうよね。私も夢魔じゃなかったら、ライアンを助けられなかったし、恋人にもなれなかったもん。よかったのよね」
それから、詩織ちゃんと急速に打ち解けて、旅が一層楽しいものになった。
二人で話すと、女子トークで盛り上がって、男性陣はそんな私達を不思議そうな、たまに焦った顔で見ていた。
途中、アーデルトを通って、ルシードがいないのをさみしく思いながら、行きに寄った服屋さんで、冬服を売って、軽装を買った。
グランデルブルクに近づくにつれて暖かくなっていき、荷物を入れ換えながら、旅を続けた。
まもなくライアンの故郷だった。
「あー、間に合ってよかった」
振り向くと、ルシードだった。
「ルシード、おはようございます」
「うん、おはよー。エマ、これ取ってきたよ」
そう言ってルシードが差し出したのは、私のカバンだった。
前の世界から持ってきた、前の世界と唯一繋がるもの。
もう諦めてたのに……。
「あそこって微妙に遠いし、エマは行きたくないでしょ?だから……」
「ルシード……ありがとうございます!」
思わず、彼に抱きついた。
どうしてこんなに優しいんだろう。
私はなにも返せないのに。
涙が溢れてくる。
「おっと役得!」
ルシードは優しく私を受け止めて、涙をペロッと舐めた。
綺麗な顔がニコリと笑った。
「じゃあ、お礼にキスを…………ッ!」
私はルシードの頬にチュッと口づけた。
彼はビックリした顔をした後、盛大に照れた。
色白の頬が赤くなっている。
「ちょっとエマ、不意打ちは止めてよね……」
「ルシード、本当にありがとうございます!」
感謝の眼差しで彼を見上げると、後ろからベリッと身体を剥がされた。
「ルシード、俺からも礼を言う。エマがこんなに喜ぶなら、俺が取りに行けばよかった」
悔しそうなライアンが私を後ろから抱きしめた。
「そんなこといいんですよ!諦めてたんですから」
「でも、思い入れがあったんだろ?気づかなくてごめん」
そんな私達をルシードがおもしろそうに眺める。
「ライアンは、もうちょっと乙女心を研究した方がいいんじゃない?」
「腹立たしいが……その通りだな」
「ライアンはそのままでいいんですよ?」
「うわぁ、全肯定だ」
「だって、今のままで十分優しくって、素敵で、かわいいところもあって……」
「ストップ!僕に彼の良さを語らなくてもいいから!」
「ご、ごめんなさい」
あきれたようなルシードに、カァっと赤くなる。
ライアンが「ありがとう」と頬にキスを落とした。
「二人が仲良しでなによりだよ。夢魔のおとぎ話として、ぜひめでたしめでたしとなってね」
ニヤニヤ笑う彼に、気になっていたことを思い出した。
「ルシード、もし人間に戻れるとしたら、どうします?もしかしたら、その件で神さまがそのうち話しかけてくるかもしれないんです」
「えー、今さらだね。夢魔って便利だし、どうしようかなぁ」
迷うんだ。
ルシードなら、夢魔のままでいいよと言うと思ってた。
「人間かぁ……」
彼は少し考え込んだ後、「考えとくよ」とつぶやいた。
「………僕、アーデルトに帰ることにするよ」
「じゃあ、一緒に?」
「いや、ここで遊んでいくのは変わりないから、君達とはここでお別れだね」
「え……」
今まで通り、ルシードは旅の合間に顔を出してくれるものと思ってた。
突然の別離の言葉にさみしさがこみ上げる。
「僕に会いたくなったら、アーデルトに来てよ。もしくはライアンに愛想を尽かしたらね」
「そんなことは……」
「そんなことはないっ!」
ライアンが抱きしめる腕にギュギュッと力を入れた。
大丈夫と腕をポンポンと叩くと、力を緩めてくれた。
「ハハハッ からかい甲斐があるなぁ。それじゃあ、またね」
ルシードはあっさりと言って、去っていった。
半ば唖然として、その後ろ姿を見つめていたら、ライアンが聞いてきた。
「さみしいのか?」
「はい……」
「俺がいても…?」
少し拗ねたような声に振り返って笑う。
「それは全然違う話ですよ。お友達が離れて行ってしまう気持ちです」
そう、ルシードはこの世界に来て初めての友達かもしれない。
彼がそう思ってるかはわからないけど。
「そうか……友達ね」
ライアンは自分を納得させるように頷いた。
食後、荷物をまとめて宿を出た。
待ち合わせ場所に急ぐ。
ルシードと話してたから、ちょっと遅くなってしまったのだ。セレナを飛び越えて、ナレームという街行きの馬車に乗るらしい。
結局、セレナとは縁がなかったなぁ。
馬車乗り場に着くと、もうアスランとシオリちゃんが来ていた。
「おはようございます。遅くなってごめんなさい」
「おはようございます。馬車の時間までまだ余裕があるから大丈夫ですよ」
間に合ってよかった。
これから一ヶ月ほど一緒に旅をするのに、出足から遅れたくはない。
改めて挨拶をして、馬車に乗り込む。
もう瞳の色を気にしなくていいから、とても気持ちが楽だ。
ライアンも同じことを思ったのか、「日中エマにキスできる大義名分がなくなって残念だよ」と耳許で冗談を言う。
もう……。
私は赤くなった。
グランデルブルクへの旅は順調だった。
夢魔を隠す必要もなく、悪魔教の使徒に襲われることもなく、騎士が二人いることで、変な人からも狙われることもなかった。
強いて言えば、体力がないから、馬車に一日揺られているだけで、結構疲れてしまって、そこに毎晩ライアンが愛してくれるので、毎日ヘトヘトだった。
その状況を説明して、ライアンには一日一回と約束してもらったんだけど、一回がひたすら長くなっただけだった。
これなら二回でも三回でも変わらないかも。
ライアンに我慢させてるだけになってしまってるのが申し訳なく思って、回数じゃなくて、時間にしてもらおうかしらと本気で考えている。
そんな訳で、馬車の中ではついうとうとしてることが多くなったんだけど、アスランやシオリちゃんともいろんな話をした。
ある日、馬車の休憩中に二人になった時にずっと聞きたかったことを聞いてみた。
「シオリちゃんっていくつですか?あ、年下に見えたからずっとシオリちゃんって呼んでたけど、大丈夫だった?私は21歳ですけど」
「大丈夫ですよ。私は18歳です。だから、丁寧語使わなくていいですよ?」
「ありがとう。シオリちゃんもタメ語でいいよ。ずっと仲良くなれたらいいなと思ってたから」
「本当?ありがとう!友達いないからうれしい!」
シオリちゃんは本当にうれしそうに笑ってくれた。
「それで……ずっと聞いてみたかったんだけど、シオリちゃん、『日本』ってわかる?」
「…………っ!」
彼女は丸っこい目をさらに真ん丸にした。
「えっ、もしかしてエマさんも?」
「やっぱりシオリちゃんも転生してきたの?」
「そうなんです!私は加藤詩織と言います。高校を卒業したところだったんです」
「私は高橋絵舞。大学四年生だったの」
なんか突然日本語でしゃべってる気がした。
「どういう漢字ですか?」
「絵画の絵に、踊りの舞なの。シオリちゃんは?」
「絵舞さんですね。私はポエムの詩に、布を織る織です」
「詩織ちゃんね。詩織ちゃん、丁寧語に戻ってるよ」
「本当だ!」
えへへと詩織ちゃんは笑った。
懐かしい日本の言葉に触れて、二人とも涙ぐんだ。
「日本に戻りたい?」
「全然!私、ずっと病気で入院してたんです。家族にも厄介者扱いされて、学校にもほとんど行けなくて、看護婦さんは優しかったけど、ずっとさみしかった。それが、ここに来て、こんなに元気になって、自由に動けて、最高!」
「そうだったんだ…。私は家族が事故で死んじゃって、一人で過ごしてきたから、やっぱりさみしくて……私もこっちの方がいい」
神さまは孤独な人を転生させてるのかな…。
生きることを楽しんでほしいって言ってたもんね。
でも、夢魔は極端だと思うんだけど。
「あの……ここに来た時、絵舞さんも夢魔だった?」
ためらいがちに詩織ちゃんが聞いてきて、驚いた。
「詩織ちゃんも夢魔だったの?今は人間に戻った?」
「はい。ちょっと前に突然神さまが話しかけてきて、『戻りたいなら人間に戻してあげる』って」
「そうだったんだ。大変だったよね……」
遠い目をすると、詩織ちゃんも顔を赤らめて頷いた。
じゃあ、詩織ちゃんもアスランと?
私も赤くなってしまった。
「でも、そのおかげでアスランと出会えたから……」
「うん、そうよね。私も夢魔じゃなかったら、ライアンを助けられなかったし、恋人にもなれなかったもん。よかったのよね」
それから、詩織ちゃんと急速に打ち解けて、旅が一層楽しいものになった。
二人で話すと、女子トークで盛り上がって、男性陣はそんな私達を不思議そうな、たまに焦った顔で見ていた。
途中、アーデルトを通って、ルシードがいないのをさみしく思いながら、行きに寄った服屋さんで、冬服を売って、軽装を買った。
グランデルブルクに近づくにつれて暖かくなっていき、荷物を入れ換えながら、旅を続けた。
まもなくライアンの故郷だった。
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