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考え直して!
夢魔はじめました。
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その後、服を買い足しに行った足で、アスランの宿に行ってみた。
昨日の別れ際の様子が気になったから。
「隊長に足をお運びいただくとは!」とアスランは恐縮してたけど、二人の様子に取り立てて変化はなく、気のせいだったかとホッとする。
ちょうどいい時間だからと、お昼を一緒に食べることになった。
シオリちゃんは少食だという話だったけど、普通に普通の量を食べていた。
それにしても、この二人の関係って不思議。
想い合ってるように見えるのに、シオリちゃんがちらっとアスランを見上げると、彼がふいっと目を逸らして、そのくせ、しまったという顔をする。
シオリちゃんがションボリ俯くと、それを見て、アスランがさらにしまったと慌てて、彼女の耳許でなにか囁き、シオリちゃんが赤くなる。
なんてやり取りを何度か目にする。
なんと言うのか、むず痒い。
やっぱりアスランはツンデレなんだろうなぁ。
「それでこの後、隊長達はどうするおつもりですか?」
「うーん、どうしようか……?」
アスランの問いに、ライアンが困った顔をして、こっちを見た。
「え?国に帰るんじゃないんですか?」
「一度は帰りたいと思っているが」
「「一度?」」
アスランと私の言葉が被った。
それには答えずにライアンは逆にアスランに聞いた。
「お前達はグランデルブルクに帰るのか?」
「もちろんです。悪魔教が一掃されたとしても、アリード様をお守りしなくては!」
そう言う彼をまぶしそうに見つめて、ライアンは懐から手紙のようなものを出した。
「それじゃあ、アリード様にこれを渡してくれないか?」
「それは?」
「辞表だ。近衛隊を辞そうと思う」
「「どうしてですか!?」」
またアスランと言葉が重なる。
ライアンは私の肩を抱き、きっぱり言った。
「アリード様より大切な者ができてしまった。俺は器用ではないから、そんな状態でとても近衛隊長を勤められるとは思えない」
「そんな、ダメです!すごく頑張って隊長になったんじゃないんですか?」
「そうですよ!あなたは平民騎士の希望なんですよ!」
アスランと私が口々に言い募る。
「それに、そんなこと言ってたら、近衛隊の誰も結婚も恋人さえも作ることができないじゃないですか!」
さらに訴えるようにアスランが言うと、ライアンは首を横に振った。
「俺はそう思って生きてきた。アリード様が一番だと。結婚なんかするつもりもなかった。ただ、それは俺の問題だから、他の者にそれを強要しようとは思わないが」
ライアンの言葉に胸が潰れそうになる。
王子様の後ろ盾があったとしても、孤児が近衛隊長になるまでの彼の努力と苦労は並大抵のことじゃなかったと思う。
『平民騎士の希望』というアスランの言葉からも推し測れる。
それを捨ててしまうなんて……!
「ライアン、ダメです!そんなこと言われたら、私は……あなたとは一緒にいられない……」
涙がこみあげてくる。
それを唇を噛んで、必死に耐える。
私に心をくれると言った彼の覚悟が痛かった。
ライアンは騎士であることに誇りを持っていたはずだ。
彼の行動原理のすべてが騎士と結びついていたはずだ。
それを彼から奪ってしまって、そんな脱け殻になった彼を見ながら共に暮らすなんてできない。
「エマ!どうしてだ!」
驚いたように私を見るライアン。
「だって、私の存在があなたの仕事の邪魔になるなんて、そのせいで大事な仕事を辞めてしまうなんて、耐えられないです……」
私がそう言うと、アスランも重ねてくる。
「ほら、彼女もこう言ってます。隊長、考え直してください!」
「エマのせいで辞めるんじゃない。俺がエマと一緒になると考えた時に決めたんだ。俺がそうしたいんだ」
「ライアン、私は嫌です。私と共にいるための条件が隊長を辞すことなら、私は……」
ぽろりと涙がこぼれた。
「私は、あなたと別……」
「言うなっ!そんなこと言わないでくれ!考えるから!お願いだ……」
すごく悲しそうなつらそうな顔をして、ライアンが遮った。
私だって、こんなこと言いたいはずはない。
ライアンにこんな顔をさせたくはない。
でも、ライアンが近衛隊を辞めて、一緒になったとしても、完全に幸せを感じられるかというと、それは否だ。
私は彼の手を取った。
「ライアン、話し合いましょう。二者択一の問題じゃないはずです」
ライアンは私の手に縋るように両手で握りしめた。
そして、ふとアスランの方を見て、聞いた。
「アスラン、もしアリード様と彼女とどちらしか助けられないとしたらどうする?」
アスランは虚を衝かれたように目を見開いて、ライアンとシオリちゃんを見た。
「俺は少し前まで迷ってた。でも、今は躊躇なくエマを選んでしまう。そんな俺が近衛隊長なんてやっていていいと思うか?」
問われたアスランは黙り込む。
模索するように目をつぶって、目を開けた時、シオリちゃんを見て抱きしめた。
「………私には選べない」
途方に暮れたように彼はつぶやいた。
「比べちゃいけないものだと思います。結論を出す必要がありますか?」
「しかし……」
堂々巡りになりそうだった時、会話に取り残されていたシオリちゃんが口を開いた。
「あの……私が言うのもなんですが、本人に聞いてみたらいかがですか?」
「え?」
「本人に?」
「はい」
三人の視線を浴びて、ちょっと引き気味になりながらシオリちゃんは頷く。
「アリード様に聞いてみるのがいいと思うんです。彼も恋人を見捨ててまで自分を守ってほしいとは思ってない気がしますが。アスランの話だとそういう方ではなさそうですよね?」
シオリちゃんの提案は目から鱗だった。
守られる当人に聞くのが、ライアンも私も一番納得できるだろう。
「シオリは賢いですね。確かにアリード様はそんな方ではありません。むしろ、恋人の方を優先しないでどうするとおっしゃりそうです」
美麗な笑みを浮かべて、アスランがシオリちゃんの頬をなでた。
彼女はくすぐったそうにして、にっこり笑った。
ライアンは衝撃を受けたように固まっていた。
そして、ふうっと息を吐くと言った。
「………俺はエマの気持ちもアリード様の気持ちも考えてなかった。あの方は臣下に無理を言う方ではないのに、助けが必要な時に突然俺が辞した方が傷つかれるだろうに」
独り言のようにつぶやくと、「ああーーっ、俺はバカだ!」と頭を抱えて呻いた。
「ライアン……」
その頭を抱きしめると、髪の毛をなでた。
本人に聞く前に彼の中でも結論が出たみたいだ。
「エマ………グランデルブルクについてきてくれるか?」
私の胸から顔をあげて、ライアンが見つめる。
「もちろんです」
私は抱きしめる腕に力を入れ、破顔した。
「ところで、疑問だったんですが、『慈悲の光』と連携しなくていいんですか?」
私は昨日からの疑問を投げた。
いくらパラド教皇が任せとけって言ったって、地の利があるライアン達が同行した方が効率がいいと思うんだけど。
「あぁ、彼らはいわばシュトラーセ教国の隠密部隊だから、俺らとは行動を共にしない。しかも、今回は特殊要件があって、実はグランデルブルクの亡き王妃の部屋にシュトラーセ教国と一度だけ繋がる魔法陣があるんだ。パラド教皇はそれを利用するつもりだと思う」
「そうなんですか!?」
それはアスランも知らなかったようで、食いついた。
「あぁ、それを知ってるのはパラド教皇とアリード様と俺だけだったからな。正確に言うと王妃の嫁入り道具の巨大なクローゼットに、もしもの際の緊急脱出用に魔法陣が描き込まれているんだ。多分、昨日のうちにそれを起動させて、『慈悲の光』が送り込まれているだろう」
「アリード様はそれを使って逃げれば……」
アスランが指摘すると、ライアンは眉を顰めて答えた。
「もちろん、俺だって何度も説得したさ。でも、アリード様は自分が不在になることで、悪魔教の支配が完全になるのを嫌がられて、俺達を送り出すことにしたんだ」
「そうだったのですね……」
「だから、今頃、悪魔教の奴らは駆逐されてるところだろうよ」
ライアンはニヤリと笑った。
「ということで、俺らもさっさとグランデルブルクに戻ろう」
その顔は吹っ切れたようなさっぱりした顔つきだった。
昨日の別れ際の様子が気になったから。
「隊長に足をお運びいただくとは!」とアスランは恐縮してたけど、二人の様子に取り立てて変化はなく、気のせいだったかとホッとする。
ちょうどいい時間だからと、お昼を一緒に食べることになった。
シオリちゃんは少食だという話だったけど、普通に普通の量を食べていた。
それにしても、この二人の関係って不思議。
想い合ってるように見えるのに、シオリちゃんがちらっとアスランを見上げると、彼がふいっと目を逸らして、そのくせ、しまったという顔をする。
シオリちゃんがションボリ俯くと、それを見て、アスランがさらにしまったと慌てて、彼女の耳許でなにか囁き、シオリちゃんが赤くなる。
なんてやり取りを何度か目にする。
なんと言うのか、むず痒い。
やっぱりアスランはツンデレなんだろうなぁ。
「それでこの後、隊長達はどうするおつもりですか?」
「うーん、どうしようか……?」
アスランの問いに、ライアンが困った顔をして、こっちを見た。
「え?国に帰るんじゃないんですか?」
「一度は帰りたいと思っているが」
「「一度?」」
アスランと私の言葉が被った。
それには答えずにライアンは逆にアスランに聞いた。
「お前達はグランデルブルクに帰るのか?」
「もちろんです。悪魔教が一掃されたとしても、アリード様をお守りしなくては!」
そう言う彼をまぶしそうに見つめて、ライアンは懐から手紙のようなものを出した。
「それじゃあ、アリード様にこれを渡してくれないか?」
「それは?」
「辞表だ。近衛隊を辞そうと思う」
「「どうしてですか!?」」
またアスランと言葉が重なる。
ライアンは私の肩を抱き、きっぱり言った。
「アリード様より大切な者ができてしまった。俺は器用ではないから、そんな状態でとても近衛隊長を勤められるとは思えない」
「そんな、ダメです!すごく頑張って隊長になったんじゃないんですか?」
「そうですよ!あなたは平民騎士の希望なんですよ!」
アスランと私が口々に言い募る。
「それに、そんなこと言ってたら、近衛隊の誰も結婚も恋人さえも作ることができないじゃないですか!」
さらに訴えるようにアスランが言うと、ライアンは首を横に振った。
「俺はそう思って生きてきた。アリード様が一番だと。結婚なんかするつもりもなかった。ただ、それは俺の問題だから、他の者にそれを強要しようとは思わないが」
ライアンの言葉に胸が潰れそうになる。
王子様の後ろ盾があったとしても、孤児が近衛隊長になるまでの彼の努力と苦労は並大抵のことじゃなかったと思う。
『平民騎士の希望』というアスランの言葉からも推し測れる。
それを捨ててしまうなんて……!
「ライアン、ダメです!そんなこと言われたら、私は……あなたとは一緒にいられない……」
涙がこみあげてくる。
それを唇を噛んで、必死に耐える。
私に心をくれると言った彼の覚悟が痛かった。
ライアンは騎士であることに誇りを持っていたはずだ。
彼の行動原理のすべてが騎士と結びついていたはずだ。
それを彼から奪ってしまって、そんな脱け殻になった彼を見ながら共に暮らすなんてできない。
「エマ!どうしてだ!」
驚いたように私を見るライアン。
「だって、私の存在があなたの仕事の邪魔になるなんて、そのせいで大事な仕事を辞めてしまうなんて、耐えられないです……」
私がそう言うと、アスランも重ねてくる。
「ほら、彼女もこう言ってます。隊長、考え直してください!」
「エマのせいで辞めるんじゃない。俺がエマと一緒になると考えた時に決めたんだ。俺がそうしたいんだ」
「ライアン、私は嫌です。私と共にいるための条件が隊長を辞すことなら、私は……」
ぽろりと涙がこぼれた。
「私は、あなたと別……」
「言うなっ!そんなこと言わないでくれ!考えるから!お願いだ……」
すごく悲しそうなつらそうな顔をして、ライアンが遮った。
私だって、こんなこと言いたいはずはない。
ライアンにこんな顔をさせたくはない。
でも、ライアンが近衛隊を辞めて、一緒になったとしても、完全に幸せを感じられるかというと、それは否だ。
私は彼の手を取った。
「ライアン、話し合いましょう。二者択一の問題じゃないはずです」
ライアンは私の手に縋るように両手で握りしめた。
そして、ふとアスランの方を見て、聞いた。
「アスラン、もしアリード様と彼女とどちらしか助けられないとしたらどうする?」
アスランは虚を衝かれたように目を見開いて、ライアンとシオリちゃんを見た。
「俺は少し前まで迷ってた。でも、今は躊躇なくエマを選んでしまう。そんな俺が近衛隊長なんてやっていていいと思うか?」
問われたアスランは黙り込む。
模索するように目をつぶって、目を開けた時、シオリちゃんを見て抱きしめた。
「………私には選べない」
途方に暮れたように彼はつぶやいた。
「比べちゃいけないものだと思います。結論を出す必要がありますか?」
「しかし……」
堂々巡りになりそうだった時、会話に取り残されていたシオリちゃんが口を開いた。
「あの……私が言うのもなんですが、本人に聞いてみたらいかがですか?」
「え?」
「本人に?」
「はい」
三人の視線を浴びて、ちょっと引き気味になりながらシオリちゃんは頷く。
「アリード様に聞いてみるのがいいと思うんです。彼も恋人を見捨ててまで自分を守ってほしいとは思ってない気がしますが。アスランの話だとそういう方ではなさそうですよね?」
シオリちゃんの提案は目から鱗だった。
守られる当人に聞くのが、ライアンも私も一番納得できるだろう。
「シオリは賢いですね。確かにアリード様はそんな方ではありません。むしろ、恋人の方を優先しないでどうするとおっしゃりそうです」
美麗な笑みを浮かべて、アスランがシオリちゃんの頬をなでた。
彼女はくすぐったそうにして、にっこり笑った。
ライアンは衝撃を受けたように固まっていた。
そして、ふうっと息を吐くと言った。
「………俺はエマの気持ちもアリード様の気持ちも考えてなかった。あの方は臣下に無理を言う方ではないのに、助けが必要な時に突然俺が辞した方が傷つかれるだろうに」
独り言のようにつぶやくと、「ああーーっ、俺はバカだ!」と頭を抱えて呻いた。
「ライアン……」
その頭を抱きしめると、髪の毛をなでた。
本人に聞く前に彼の中でも結論が出たみたいだ。
「エマ………グランデルブルクについてきてくれるか?」
私の胸から顔をあげて、ライアンが見つめる。
「もちろんです」
私は抱きしめる腕に力を入れ、破顔した。
「ところで、疑問だったんですが、『慈悲の光』と連携しなくていいんですか?」
私は昨日からの疑問を投げた。
いくらパラド教皇が任せとけって言ったって、地の利があるライアン達が同行した方が効率がいいと思うんだけど。
「あぁ、彼らはいわばシュトラーセ教国の隠密部隊だから、俺らとは行動を共にしない。しかも、今回は特殊要件があって、実はグランデルブルクの亡き王妃の部屋にシュトラーセ教国と一度だけ繋がる魔法陣があるんだ。パラド教皇はそれを利用するつもりだと思う」
「そうなんですか!?」
それはアスランも知らなかったようで、食いついた。
「あぁ、それを知ってるのはパラド教皇とアリード様と俺だけだったからな。正確に言うと王妃の嫁入り道具の巨大なクローゼットに、もしもの際の緊急脱出用に魔法陣が描き込まれているんだ。多分、昨日のうちにそれを起動させて、『慈悲の光』が送り込まれているだろう」
「アリード様はそれを使って逃げれば……」
アスランが指摘すると、ライアンは眉を顰めて答えた。
「もちろん、俺だって何度も説得したさ。でも、アリード様は自分が不在になることで、悪魔教の支配が完全になるのを嫌がられて、俺達を送り出すことにしたんだ」
「そうだったのですね……」
「だから、今頃、悪魔教の奴らは駆逐されてるところだろうよ」
ライアンはニヤリと笑った。
「ということで、俺らもさっさとグランデルブルクに戻ろう」
その顔は吹っ切れたようなさっぱりした顔つきだった。
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