騎士団長の幼なじみ

入海月子

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煽るな③

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 お腹いっぱいに彼のものが入っているようで苦しかったけど、そうされていると、馴染んだのか、少しマシになってきた。
 それどころか、彼の愛撫に私の中がうねって応えだす。

「ん……」

 じっとしていられなくなって身動ぎすると、ラディアンがはぁと熱い息を吐いた。
 なんだか苦しそうで、その頬に手を伸ばした。

「ラディアン? きついの?」

 私がちっちゃいせいかと思った。
 でも、ラディアンは首を振り、「最高だ」と微笑んだ。
 彼も気持ちいいようで、うれしい。
 でも、あんなに大きなものが自分の中に入ったなんて、不思議だった。

「マール、もう動いていいか?」
「うん、あなたの好きにしていいのよ?」
「……だから、煽るなって!」

 彼が我慢しているように思えて言ったのに、ラディアンは前髪を掻き上げ、ぼやいた。
 そして、ゆっくり腰を動かしはじめる。
 彼の屹立が抜かれていくと、私の中が放したくないというようにキュッと締まって、また挿し込まれると、喜びに震えた。
 とんでもなく気持ちよくて、さっきまでの痛みはなんだったのかと思う。

「ラディアン……好き……」

 彼に奥まで満たされて、幸福感でいっぱいになった私は、ラディアンにしがみついた。
 ゴクリと唾を飲み込んだ彼は猛然と腰を動かしだした。

「あ、えっ! あっ!あっ!あぁ! あんっ、ふあっ、んん~!」

 その激しい動きに、私は全身を揺さぶられる。快感に脳が痺れる。
 ラディアンは私の腰を持ち、より深くを突いてきた。
 軽々と持ち上げられ、お尻が浮く。より密着した体勢になり、秘部を打ちつけられる。

「ああんっ、ああっ、あああっ!!!」

 目の前がチカチカして、一瞬意識が飛んだ。
 直後に私の中に熱いものがほとばしった。

「ふぅ……悪い。出てしまった」

 手で額の汗を拭いながら、ラディアンが告げてくる。
 彼のものがビクビクとうごめき、子種が私の中を満たしていく。

「うれしいわ、ラディアン。私、あなたを気持ちよくできた?」
「もちろん。マールの中は素敵だった。気持ちよすぎて、困るくらいだ」
「困る?」
「あぁ。君を一晩中放してやれそうにない」
「え?」

 聞き返したけど、ラディアンは答えてくれず、私を抱き起こした。私の中に入ったまま。

「あああっ、深い……!」

 向かい合って、ラディアンの腿に跨がる形になると、彼のものがより奥まで入って、ラディアンに体全体を貫かれているような心地がした。
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