騎士団長の幼なじみ

入海月子

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ラディアンの想い②

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「でも、そんなプライド、いらなかったな。危うく君をかっさらわれるところだった」

 ギュッと抱きしめて、私の頭のてっぺんに顔をうずめたラディアンは身震いした。
 今度は私が彼をなぐさめるように、広い背中に手を回して、よしよしとなでた。
 私たちはしばらく抱き合っていた。すると、ラディアンの手が私の背中をスーッと移動してお尻をスルリとなでた。
 
「きゃっ」

 びっくりした私が小さく悲鳴をあげると、ラディアンは口端を上げて、ついばむようなキスをした。
 それを開始に、彼の手が積極的に動き出した。私の体のいろんなところをなでまくる。

「あっ、ん、やんっ、ラ、ラディアン……?」
「もう我慢できない! 責任は取る。マールをぜんぶ俺にくれ!」

 余裕なさそうな顔でラディアンが乞う。
 求められてキュンとして、こくりとうなずくと、熱く口づけられた。
 強く吸いつかれて、唇を開くと、ラディアンの舌が入ってきた。
 分厚い舌が私の咥内を探る。歯列をなぞられ、上あごをくすぐられると、ぞわぞわした快感が背中を走る。
 夢中でそれに応えていると、太い指が私の胸の先端を摘まんだ。

「んんっ!」

 なぜかズクンとお腹の奥が疼いた。
 ラディアンはククッと喉の奥で笑うと、私の体を倒して、上になった。
 四つん這いになったラディアンが艶っぽく見下ろしてくる。濃紺の瞳に射抜かれて、浅い息を繰り返す。
 足の間にラディアンの右足が割り込んできた。
 膝頭で秘所を擦られると、私は体を揺らして喘いだ。
 その間にも彼の指は私の胸の先端を押したり摘まんだりして弄っている。

「あっ、あんっ、ぁん……」

 甘ったるい声が洩れてしまうし、足の間がなんだか濡れているみたい。
 
(どうしよう? 私、おかしいわ)

 ラディアンに嫌われたらどうしようと涙目で見上げると、彼が微笑んだ。
 頬に口づけながら、「かわいいよ、マール」とささやいてくれる。
 ほっとして、体の力を抜くと、ラディアンが聞いてきた。

「抱いてと言っていたが、マールはなにをするのか、わかっているのか?」
「バカにしないで! 知ってるわ! 私の中にラディアンのものを入れるんでしょう? 早く入れて?」

 私だって閨教育は受けている。子ども扱いしないでほしいと頬を膨らませたら、ラディアンが額に手を当て、宙を見上げた。
 はぁぁっと盛大な溜め息をついて、もう一度私を見る。優しく言い聞かせるようにラディアンは教えてくれた。
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