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36.疑う余地がない①
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「希、好きだよ」
ブラウスのボタンを外し、藤崎さんの唇が私の身体を這い、つぶやく。
熱い唇が私を甘く溶かしていく。
指先はショーツの上から何度も割れ目を辿るから、トロトロと愛液が染み出してきているのを感じて、とても恥ずかしい。
それでも、私は藤崎さんを早く感じたくて、彼の首もとに腕を絡め、腰を擦りつけた。
ゴクリと喉を動かした藤崎さんはジーンズの前を緩め、ゴムをつけた。
ショーツがずらされ、彼が入ってくる。
それだけで、気持ちが高ぶって、軽くイってしまう。
「希、締めすぎ」
「だって……」
眉を寄せた藤崎さんが色っぽくて、キュンとする。
彼がゆっくりと動き出した。
腰の動きとともに、顔中にキスを降らせて、また好きだとつぶやく。
そんなことをされたら、たまったものでなく、私はあっという間に高められて、背を反らした。
「希、好きだ! 愛してる!」
腰を打ちつけられ、訴えるように言われる。
藤崎さんの好きが心の中に溜まっていって、私を満たしていく。
「藤崎さん……私も好き」
手を伸ばして、藤崎さんにしがみついた。
快感と愛されている喜びに頭が痺れて、達した。
同時に藤崎さんもぶるっと身を震わせて、イったみたいだ。
幸せすぎて、涙がこぼれる。
「希?」
心配そうな藤崎さんに笑顔を作る。
「幸せで胸が苦しいんです」
それを聞いた藤崎さんが愛しげに微笑んだ。
指でそっと涙を拭ってくれる。
「僕もだよ。もうダメかと思った。好きだとか愛してるって何度も言ったのに君は無反応だったから。最後に君を思う曲を作って、告白しようと思ったんだ」
「だって、それは新曲の歌詞かと思って……。私だってそれをやり過ごすのがつらかったんですよ?」
「ウソだろ……」
藤崎さんが私の上に突っ伏した。くぐもった声でつぶやく。
「やっぱり初めが間違ってた……。怖がらずに、もっと早く希が好きで好きでたまらないって言えばよかった」
「怖い?」
「そりゃ、怖いさ。希から拒否されたらどうしようって」
「藤崎さん……」
どうしよう……藤崎さんがかわいい。
あの藤崎東吾が……。
藤崎さんの頭を抱いて、よしよしとなでた。
「私も好きで好きでたまりませんでしたよ? まさか藤崎さんに好かれてるとは思わなかったから、切なくて苦しかったですけど」
「僕はかなりわかりやすく好意を示してたと思うんだけど?」
「だって、契約の恋人って言われてたし、ペット的にかわいがられてるんだと思ってました」
「ペットって……。あぁ、だから、小動物って言ってたのか。まったく君の中で僕のイメージは最悪だったんだね」
「違いますよ。私が藤崎さんに相手にされるとは思ってなかっただけです」
「そんなわけないだろ! 相手にされてなかったのは、僕のほうだよ」
「そんなわけありません!」
言い合った後、二人で顔を見合わせて、笑う。
「希、愛してる。心から愛してるんだ……」
「藤崎さん、私も」
心も身体も満たされて、私たちは離れがたく、いつまでも抱き合っていた。
「ねぇ、希……やっぱり今すぐ結婚して? 君が誰かのものになる可能性があると思うとたまらない……」
「そんな可能性ないから、大丈夫ですよ?」
ベッドに移動して、抱き合っていたら、藤崎さんがまた言い出したので、笑って答えると、彼は不満そうにつぶやいた。
「本当に君はちっとも僕の思う通りになってくれないね……」
「そこがいいんでしょ?」
「うん」
冗談だったのに、真顔でうなずかれた。
(もう……)
一瞬でほてった頬を藤崎さんの胸に擦りつけて、甘える。
「本物の恋人同士になったばかりなんですから、しばらくそれを楽しみましょうよ」
「……そう言われると弱いな」
笑った藤崎さんは頬にキスをして、「じゃあ、デートしてくれる?」とねだった。
「でも、外は……」
「ほら、そうやって希が気にするから、奥さんになってって言ったのに」
「?」
話が飛躍してついていけず、首をひねる。
藤崎さんの思考はときどきわからない。
「奥さんならなんのスクープの心配もないでしょ? 堂々と外を歩ける」
「そんな理由でプロポーズしたんですか!?」
いい考えでしょうと得意げな藤崎さんを私はあきれた目で眺めた。
彼は私の反応に、心外だと拗ねた顔をする。
「そんな理由じゃないよ! 希が気兼ねなくデートしてくれるかどうかは、僕にとっては重要だよ」
普通、そんな理由でいきなり結婚しようと言う人なんていませんよ……。
やっぱり藤崎さんは常人とは違う感性の持ち主だわ。
そんなことを思っていると、さらに藤崎さんが言った。
「それに、どっちにしても大丈夫だよ。もうスクープになるほどの話題性はないから」
「どういうことですか?」
私は意味がわからず、また首を傾げる。
藤崎さんはくすくす笑って、説明してくれる。
「マスコミには釘を刺してあるし、プロポーズの曲としてアップしたから、希と出歩いてても、例の彼女かとしか思われないよ」
「えぇー! うそでしょ?」
「ほんと。安心して出かけられるよ」
「ぜんぜん安心じゃありませんよ……」
がっくりして、顔を伏せた。
明日からどんな顔で、仕事したらいいんだろう?
「困ったね。もう僕から逃げられないよ?」
「困りませんよ?」
悪ぶって言う藤崎さんに、私は顔を上げて、口づけた。
ブラウスのボタンを外し、藤崎さんの唇が私の身体を這い、つぶやく。
熱い唇が私を甘く溶かしていく。
指先はショーツの上から何度も割れ目を辿るから、トロトロと愛液が染み出してきているのを感じて、とても恥ずかしい。
それでも、私は藤崎さんを早く感じたくて、彼の首もとに腕を絡め、腰を擦りつけた。
ゴクリと喉を動かした藤崎さんはジーンズの前を緩め、ゴムをつけた。
ショーツがずらされ、彼が入ってくる。
それだけで、気持ちが高ぶって、軽くイってしまう。
「希、締めすぎ」
「だって……」
眉を寄せた藤崎さんが色っぽくて、キュンとする。
彼がゆっくりと動き出した。
腰の動きとともに、顔中にキスを降らせて、また好きだとつぶやく。
そんなことをされたら、たまったものでなく、私はあっという間に高められて、背を反らした。
「希、好きだ! 愛してる!」
腰を打ちつけられ、訴えるように言われる。
藤崎さんの好きが心の中に溜まっていって、私を満たしていく。
「藤崎さん……私も好き」
手を伸ばして、藤崎さんにしがみついた。
快感と愛されている喜びに頭が痺れて、達した。
同時に藤崎さんもぶるっと身を震わせて、イったみたいだ。
幸せすぎて、涙がこぼれる。
「希?」
心配そうな藤崎さんに笑顔を作る。
「幸せで胸が苦しいんです」
それを聞いた藤崎さんが愛しげに微笑んだ。
指でそっと涙を拭ってくれる。
「僕もだよ。もうダメかと思った。好きだとか愛してるって何度も言ったのに君は無反応だったから。最後に君を思う曲を作って、告白しようと思ったんだ」
「だって、それは新曲の歌詞かと思って……。私だってそれをやり過ごすのがつらかったんですよ?」
「ウソだろ……」
藤崎さんが私の上に突っ伏した。くぐもった声でつぶやく。
「やっぱり初めが間違ってた……。怖がらずに、もっと早く希が好きで好きでたまらないって言えばよかった」
「怖い?」
「そりゃ、怖いさ。希から拒否されたらどうしようって」
「藤崎さん……」
どうしよう……藤崎さんがかわいい。
あの藤崎東吾が……。
藤崎さんの頭を抱いて、よしよしとなでた。
「私も好きで好きでたまりませんでしたよ? まさか藤崎さんに好かれてるとは思わなかったから、切なくて苦しかったですけど」
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「だって、契約の恋人って言われてたし、ペット的にかわいがられてるんだと思ってました」
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「そんなわけありません!」
言い合った後、二人で顔を見合わせて、笑う。
「希、愛してる。心から愛してるんだ……」
「藤崎さん、私も」
心も身体も満たされて、私たちは離れがたく、いつまでも抱き合っていた。
「ねぇ、希……やっぱり今すぐ結婚して? 君が誰かのものになる可能性があると思うとたまらない……」
「そんな可能性ないから、大丈夫ですよ?」
ベッドに移動して、抱き合っていたら、藤崎さんがまた言い出したので、笑って答えると、彼は不満そうにつぶやいた。
「本当に君はちっとも僕の思う通りになってくれないね……」
「そこがいいんでしょ?」
「うん」
冗談だったのに、真顔でうなずかれた。
(もう……)
一瞬でほてった頬を藤崎さんの胸に擦りつけて、甘える。
「本物の恋人同士になったばかりなんですから、しばらくそれを楽しみましょうよ」
「……そう言われると弱いな」
笑った藤崎さんは頬にキスをして、「じゃあ、デートしてくれる?」とねだった。
「でも、外は……」
「ほら、そうやって希が気にするから、奥さんになってって言ったのに」
「?」
話が飛躍してついていけず、首をひねる。
藤崎さんの思考はときどきわからない。
「奥さんならなんのスクープの心配もないでしょ? 堂々と外を歩ける」
「そんな理由でプロポーズしたんですか!?」
いい考えでしょうと得意げな藤崎さんを私はあきれた目で眺めた。
彼は私の反応に、心外だと拗ねた顔をする。
「そんな理由じゃないよ! 希が気兼ねなくデートしてくれるかどうかは、僕にとっては重要だよ」
普通、そんな理由でいきなり結婚しようと言う人なんていませんよ……。
やっぱり藤崎さんは常人とは違う感性の持ち主だわ。
そんなことを思っていると、さらに藤崎さんが言った。
「それに、どっちにしても大丈夫だよ。もうスクープになるほどの話題性はないから」
「どういうことですか?」
私は意味がわからず、また首を傾げる。
藤崎さんはくすくす笑って、説明してくれる。
「マスコミには釘を刺してあるし、プロポーズの曲としてアップしたから、希と出歩いてても、例の彼女かとしか思われないよ」
「えぇー! うそでしょ?」
「ほんと。安心して出かけられるよ」
「ぜんぜん安心じゃありませんよ……」
がっくりして、顔を伏せた。
明日からどんな顔で、仕事したらいいんだろう?
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