新たな物語はあなたと共に

mahiro

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とうしたものかねぇ、と呟きながら悩むローランドを見て懐かしさを感じてしまった。
当たり前のように一緒にいた筈なのに、何処か遠い存在になってしまったかのように思える。


「んー、なぁ、君」


じーっとローランドを眺めていたら名前を呼ばれ、我に返った。


「な、何」


「話が少しだけ変わるんだが、以前俺に借りを返したいと話していたよな?」


「え?えぇ、話したし返すつもりよ」


それが突然どうしたというのだ。
今の話の流れからしてその話に繋がるものはなかったように思えるが。


「………それって何でも良いのか?」

「そんなに高額なもの…だと時間かけてになってしまうのだけど、良いかしら」


ただでさえ二人の手土産の料金だって高かったのに、それを上回る借金になるのかと思うと嫌になるけど。
一生働き続けないと返せない額だろうか。


「ふむ。額にしたらとんでもない値打ちになりそうだが……」


「そ、そんな高価なものが欲しいの?」


まぁ、ローランドも貴族だから欲しいと望むものは一流のものなのだろうが、今の私の立場で購入できるか心配だ。


「値打ちがつけられないものだな」


値打ちがつけられないって金額もつけられないほど貴重なものってこと。
そんなものどこにあるのだろうか。
まさか旅に出て探してこいとか言うんじゃないだろうか。


「どこの国にあるの、それ」


「ん?この国にあるし、俺の近くにあるぞ」


そう言って指差した先は何故か、私の方を指差していた。
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