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「腹減ったぁ……」
アイドルとは思えない荒巻さんの腹の音に呆れながら冷蔵庫を開けてみるも、自炊もしていない俺の家の冷蔵庫は何も入っていなかった。
やろうとすれば出来るんだけど、面倒くさくてやってないだけだから。
「うわー綺麗に何もねーな」
後ろから覗き込んでいた貴匡さんとその横から覗き込む優月さんに俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。
「招いておいて何もないとか……すみません」
「いや、いきなり乗り込んだの俺たちだし、仕方ないっしょ」
「あー?!」
後ろからいつも以上にうるさい荒巻さんの声に驚いてそちらを見れば、スマホを片手に顔を青ざめさせていた。
「今度は何だよ、荒巻」
「俺だけじゃなくて中城もヤバいじゃん!」
「はぁ?俺も?」
仕事だよ、仕事!と言ってスマホの画面を向けてくるが距離があるから見えるわけがない。
「午前10時までにスタジオ入りだって、宇佐美から届いてた!」
今何時と時計を見てみれば8時半。
そのスタジオまでどれくらいかかるのか知らないけど、まずいのではないだろうか。
「まじで?今から飯食って風呂入ってスタジオ入りとかギリギリじゃん」
「どうすんの?!」
「どうしようか?」
「二人で顔見つめ合ってても事は進まないので、どっちか先にシャワー浴びてきてくれませんか?朝食と調達と車の手配は俺が何とかしますから」
俺がそう言えば、何故か荒巻さんと貴匡さんに潤んだ瞳を向けられて仰け反った。
「な、何ですか」
「いや、嶋貫かっこいいって思っちゃって」
「カッコいいなぁ、嶋貫」
二人に言われても嫌みにしか聞こえない。
「朝食は昨晩貴匡が調達したものを皆で食べれば良いんじゃない?」
「ナイス、優月!買ったの忘れてたぜ!」
ガサゴソと床にあった袋の中身を出して、ほらぁ食べろ!と声をかける貴匡さんに、荒巻さんはシャワーですとタオルを手渡した。
アイドルとは思えない荒巻さんの腹の音に呆れながら冷蔵庫を開けてみるも、自炊もしていない俺の家の冷蔵庫は何も入っていなかった。
やろうとすれば出来るんだけど、面倒くさくてやってないだけだから。
「うわー綺麗に何もねーな」
後ろから覗き込んでいた貴匡さんとその横から覗き込む優月さんに俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。
「招いておいて何もないとか……すみません」
「いや、いきなり乗り込んだの俺たちだし、仕方ないっしょ」
「あー?!」
後ろからいつも以上にうるさい荒巻さんの声に驚いてそちらを見れば、スマホを片手に顔を青ざめさせていた。
「今度は何だよ、荒巻」
「俺だけじゃなくて中城もヤバいじゃん!」
「はぁ?俺も?」
仕事だよ、仕事!と言ってスマホの画面を向けてくるが距離があるから見えるわけがない。
「午前10時までにスタジオ入りだって、宇佐美から届いてた!」
今何時と時計を見てみれば8時半。
そのスタジオまでどれくらいかかるのか知らないけど、まずいのではないだろうか。
「まじで?今から飯食って風呂入ってスタジオ入りとかギリギリじゃん」
「どうすんの?!」
「どうしようか?」
「二人で顔見つめ合ってても事は進まないので、どっちか先にシャワー浴びてきてくれませんか?朝食と調達と車の手配は俺が何とかしますから」
俺がそう言えば、何故か荒巻さんと貴匡さんに潤んだ瞳を向けられて仰け反った。
「な、何ですか」
「いや、嶋貫かっこいいって思っちゃって」
「カッコいいなぁ、嶋貫」
二人に言われても嫌みにしか聞こえない。
「朝食は昨晩貴匡が調達したものを皆で食べれば良いんじゃない?」
「ナイス、優月!買ったの忘れてたぜ!」
ガサゴソと床にあった袋の中身を出して、ほらぁ食べろ!と声をかける貴匡さんに、荒巻さんはシャワーですとタオルを手渡した。
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