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教授が講義で不在の部屋に、生徒が質問に訪れた。
俺でも何とか答えられる内容だったので、答えたら納得して貰えたようだった。
「嶋貫先生ありがとうございます。赤沼教授より分かりやすかったです」
「それは良かったよ。だけど、それ聞いたら教授が泣いちゃうから言わないであげてね」
目尻を細めてそう言えば、生徒は素直に頷いた。
そこへドタドタのという大きな足音と共に扉が大きく開かれた。
「中城?!ここかー?!」
見たことのない銀髪ヘアに黄色のコンタクトでも入れているのか、黄色の瞳、色白の男性は白いタキシードを着ていた。
誰なのだろうと思ってみていると、目の前にいた生徒から『陽太』だと呟いた声が聞こえた。
まさか外で撮影をしていた芸能人の一人だろうか。
「あいにく中城さんという方はこの部屋にはいませんよ」
俺がそう言うと黄色の瞳を俺に向けた男性は太陽のような笑みを浮かべた。
「そっか!ありがとな!」
そう言うなり扉を豪快に閉めて、またドタドタと音を立てながら去って行った。
賑やかな人だと思いながら生徒に視線を戻せば、楽しげな視線を向けた生徒と目があった。
「先生って誰にでも普通に話し掛けられて凄いですね。僕だったら緊張して話せません」
「そうかな?」
「はい。だってさっきの人有名なアイドルの一人なんですよ」
そうだったのか。
長嶋君もそうだけど、そういう話題とか全く興味が沸かないから見ようとも思わないんだよな。
少しは見た方が良いのかな。
「そう、なんだ。俺そういうの全然分からなくて」
「僕は良いと思いますよ。先生らしくて」
それじゃあありがとうございました!と言って去って行く生徒を見送り、仕事を再開させようとして何故か先程見かけた陽太という人が頭の中に残り、俺は首を傾けることになった。
俺でも何とか答えられる内容だったので、答えたら納得して貰えたようだった。
「嶋貫先生ありがとうございます。赤沼教授より分かりやすかったです」
「それは良かったよ。だけど、それ聞いたら教授が泣いちゃうから言わないであげてね」
目尻を細めてそう言えば、生徒は素直に頷いた。
そこへドタドタのという大きな足音と共に扉が大きく開かれた。
「中城?!ここかー?!」
見たことのない銀髪ヘアに黄色のコンタクトでも入れているのか、黄色の瞳、色白の男性は白いタキシードを着ていた。
誰なのだろうと思ってみていると、目の前にいた生徒から『陽太』だと呟いた声が聞こえた。
まさか外で撮影をしていた芸能人の一人だろうか。
「あいにく中城さんという方はこの部屋にはいませんよ」
俺がそう言うと黄色の瞳を俺に向けた男性は太陽のような笑みを浮かべた。
「そっか!ありがとな!」
そう言うなり扉を豪快に閉めて、またドタドタと音を立てながら去って行った。
賑やかな人だと思いながら生徒に視線を戻せば、楽しげな視線を向けた生徒と目があった。
「先生って誰にでも普通に話し掛けられて凄いですね。僕だったら緊張して話せません」
「そうかな?」
「はい。だってさっきの人有名なアイドルの一人なんですよ」
そうだったのか。
長嶋君もそうだけど、そういう話題とか全く興味が沸かないから見ようとも思わないんだよな。
少しは見た方が良いのかな。
「そう、なんだ。俺そういうの全然分からなくて」
「僕は良いと思いますよ。先生らしくて」
それじゃあありがとうございました!と言って去って行く生徒を見送り、仕事を再開させようとして何故か先程見かけた陽太という人が頭の中に残り、俺は首を傾けることになった。
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