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落ち着いてきた男性を離し、シャワーに押し込んだ後に近くのコンビニに行って店を出るとスーツ姿の男性が何かを探しているのを見かけた。
まさかあの男性を探している人だろうかと思い、声をかけてみた。
「あの、どなたかお探しですか?」
黒の短髪の男性は、鋭い目付きを俺に向けた。
額から汗をかき首からも汗が流れ落ちている。
こんなに寒いのにこれだけの汗をかくなんてよっぽど走り回ったということなのだろう。
「はい。長身で天然パーマのアホ面した奴なんですけど」
アホ面?
ではないが、長身と天然パーマはあっているからもしかしたらあの男性のことかもしれないと話してみることにした。
「お探しの方か分かりませんが、寒空の下にいた男性なら俺の家で保護しています。もし宜しければ俺の家にお越しになりませんか?」
「ホントですか!連れてってください」
男性は俺の両肩を掴み、真剣な瞳を俺の顔を覗き込んできた。
もしかしてこの男性が、男性の好きと伝え続けていた人なのだろうか。
だとすると連れて行くことが良いのとなのか、一瞬戸惑ったが、話し合うことも大切かと思い直し必死な顔で俺を見つめる男性を家に連れて行くことにした。
家に着くと先程とは異なり、暖まった部屋がそこにはあった。
いつも帰ると部屋は真っ暗だし、冷えきった部屋が出迎えてくれるが今日は珍しく部屋に人がいるので暖かい。
もしかして俺が帰る前にシャワーから出てしまったかと思ったが、風呂の扉は閉まったままで部屋の中には姿がなかった。
靴も服も部屋にあるから男性はまだ出ていないようだ。
「お邪魔します」
「どうぞ。散らかってますけど」
「いえ……それよりあのバカは何処ですか?」
アホ面の次はあのバカ。
なかなか毒舌な男性のようだ。
キョロキョロと部屋の中を覗く男性にどうぞ中へと促した。
「身体が冷えきっていたようなのでシャワーを貸しているんです。まだ出てきてないようなのでその中かと」
俺がそう言うなり男性は閉まっていた風呂の扉を開けて、中へと入り込んでいった。
「このボケ!今までどこ行ってやがった!」
「大河?!何でここに?!」
「良いから早く出てこい、このど阿呆!」
夜中に叫ぶのは止めて欲しい所だが、どうやらあの男性の探し人は当たっていたようなので一安心だ。
その間にコンビニで売っていたパンツとサイズが合うか分からないがLLの黒のスウェットを洗濯機の上に置いておくことにした。
まさかあの男性を探している人だろうかと思い、声をかけてみた。
「あの、どなたかお探しですか?」
黒の短髪の男性は、鋭い目付きを俺に向けた。
額から汗をかき首からも汗が流れ落ちている。
こんなに寒いのにこれだけの汗をかくなんてよっぽど走り回ったということなのだろう。
「はい。長身で天然パーマのアホ面した奴なんですけど」
アホ面?
ではないが、長身と天然パーマはあっているからもしかしたらあの男性のことかもしれないと話してみることにした。
「お探しの方か分かりませんが、寒空の下にいた男性なら俺の家で保護しています。もし宜しければ俺の家にお越しになりませんか?」
「ホントですか!連れてってください」
男性は俺の両肩を掴み、真剣な瞳を俺の顔を覗き込んできた。
もしかしてこの男性が、男性の好きと伝え続けていた人なのだろうか。
だとすると連れて行くことが良いのとなのか、一瞬戸惑ったが、話し合うことも大切かと思い直し必死な顔で俺を見つめる男性を家に連れて行くことにした。
家に着くと先程とは異なり、暖まった部屋がそこにはあった。
いつも帰ると部屋は真っ暗だし、冷えきった部屋が出迎えてくれるが今日は珍しく部屋に人がいるので暖かい。
もしかして俺が帰る前にシャワーから出てしまったかと思ったが、風呂の扉は閉まったままで部屋の中には姿がなかった。
靴も服も部屋にあるから男性はまだ出ていないようだ。
「お邪魔します」
「どうぞ。散らかってますけど」
「いえ……それよりあのバカは何処ですか?」
アホ面の次はあのバカ。
なかなか毒舌な男性のようだ。
キョロキョロと部屋の中を覗く男性にどうぞ中へと促した。
「身体が冷えきっていたようなのでシャワーを貸しているんです。まだ出てきてないようなのでその中かと」
俺がそう言うなり男性は閉まっていた風呂の扉を開けて、中へと入り込んでいった。
「このボケ!今までどこ行ってやがった!」
「大河?!何でここに?!」
「良いから早く出てこい、このど阿呆!」
夜中に叫ぶのは止めて欲しい所だが、どうやらあの男性の探し人は当たっていたようなので一安心だ。
その間にコンビニで売っていたパンツとサイズが合うか分からないがLLの黒のスウェットを洗濯機の上に置いておくことにした。
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