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残された俺とラリマーはというと何もない場所に向き合って座り、この何とも言えぬ雰囲気をどうしたら良いものかと悩んだ。


「アレット君」

 
「何だ?」


沈黙を破ったラリマーは、膝の上で握っていた手を大切そうに握りしめ笑った。


「嫌いではないと、好きであると仰っていただきありがとうございます。本当に嬉しいです。ですが、それとこれとでは話が違うと思っています。ルフス君がレヴィ王子を思う『好き』という感情が伴った行為とそうでないただの行為では全く意味が異なります。下手をしたら暴力行為と捉えられる行為なのです。いくら神域を作るためとはいえ、僕はそんなことしたくありません」


「ラリマーは、もし俺がやりたいって言ったらどうするんだ?」


ラリマーは俺の気持ちを尊重しようと思ってくれているのはよく分かるが、ラリマーの気持ちはどうなのだろうか。
ラリマーだっていくら彼らから逃げるためといえど、したくもない行為を進んでやりたいなどと思うわけないだろう。


「その場合は迷わずやります。僕はルフス君たちのことを抜きにしたとしても、アレット君のこと好きですから。それに好きでなければ眷属、いえ番になんてしませんし、二人だけで神域で暮らしたいと望みませんよ」
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