ブレスレットが運んできたもの

mahiro

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それほど耐えられなかったということなのだろう。
きっと、無理をしてまであの会場から出ようとしていたに違いない。
たまたま通りかかったのが俺だったから良かったものの、国にとって貴重なものだと分かった途端に悪事に働くような奴だったら、今頃こんな風に仲間と言い合いだって出来なかったのだろうな。
ま、ラリマーにとって俺で本当に良かったのか分からないけれど。


「ラリマーってさ」


「ん?」


「ルフスの対のブレスレットって話聞いたか?」


「あぁ、まぁ」


「その事を誇らしく思ってたんだよ。最も美しいとされているルフスと対なんだって。俺がラリマーの立場だったら息が詰まりそうで嫌だけどな」
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