ブレスレットが運んできたもの

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「ひとまず、何からすれば良いんだ？」


「そうですね……僕も初めてのことなのでよく分かりませんが、お互いのことを知れば相手のことが理解出来て、心の共有が容易に出来るようになるのではないでしょうか」


相手のことを知る、か。
昨日の今日でラリマーのことを少しは知れた気がするけど、まだまだ分からないことだらけだもんな。
それはラリマーだって同じで、俺のことほとんど知らないよな。


「確かに………」


「まぁ、監視の彼に怪しまれない程度にやっていきましょう。少しでも怪しまれれば、ルフス君が飛んできそうです」


「分かった……んだが、今って俺が独り言話してるように見えてないか？」


ラリマーが見えていないってことは俺はひとりぶつぶつ話してる可笑しな奴ってことじゃないのか？


「それは大丈夫です。彼にはアレット君は眠っているように見えていますから」


「え、俺起きてるけど」


「僕は分かっていますよ。話の内容がルフス君に聞かれて困るものだったので幻術をかけたんです」


そんなことも出来るようになったのか。
いや、前から出来たのかすら分からないけど、こういうところは本当に人間ではないんだなって思う。